【感想・ネタバレ】紳士同盟(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

いんちき臭くなければ生きていけない! 思わぬ運命の転変にめぐりあい、莫大な金を必要としたとき、四人はそう悟った。目標は二億円――素人の彼らは老詐欺師のコーチを受け、知恵を傾け、トリックを仕掛け、あの手この手で金をせしめる……。奇妙な男女四人組が、人間の欲望や心理の隙、意識の空白につけこむスマートで爽快、ユーモラスな本格的コン・ゲーム小説。

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Posted by ブクログ

大学入学後数年の間に買うだけ買って読まずに放っておいた文庫本のうちの二冊。両方とも古本だが、『紳士同盟』の方、今はなき江古田青柳書店の店主の手癖による値段が残っている。竹島書店、いいお店だったなぁ。

今更こうした本にコメントを記すといるのもちょっと恥ずかしい。

「コン・ゲーム」という言葉が小説の中に頻出する。このシリーズが話題になったにもかかわらず日本語として定着しなかった。「コンフィデンス・ゲーム」、「信用詐欺」のことなのだが、カモられた人がカモられたと気付かれないようカモる、という詐欺哲学を有する長島老人の下に集まった男達がノルマ目指して知の限りを尽くして仕掛ける罠の数々。ちょっとムリありかな、とは解っていても読ませる読ませる。いやぁ、今日まで読まずにいたのがもったいない。

そういや、本作、薬師丸ひろ子主演で映画になったな、と思いキネマ旬報のデータ・ベースで検索してみたら、原作とは名ばかりの似ても似つかない物語になっていた。当方未見だがあらすじ読んだ限りは映画で展開されたストーリーちょっといただけない。

もう一つ。アメリカ人の映画コレクターから金を巻き上げるエピソードで、黒澤、溝口、小津に続く世界的評価を得た映画作家として宇田道典という名が挙げられる(多分、創作だと思うけど)が、その宇田の代表作のタイトル、なんと『最後の侍』。トム・クルーズ、この小説読んだんじゃないでしょうな?


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2009年10月04日

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