あらすじ
東洋学の泰斗と仰がれ、政財界のご意見番として知られた著者・安岡正篤。没後18年を経てなお、その教えは多くの人々に生き方の指針を与え、著書も多数がロングセラーを続けている。本書は、昭和40年に著者が会長を務めた関西師友協会・全国師友協会より発刊され、今は入手困難の状況にある『活学――人になるために』の講話を再編集したPHP文庫オリジナル版である。「本当に生きた学問とは、書物に読まれるのではなく、自分の心の方が書物を照らす『活学』でなければならない」と説く著者は、儒・仏・道から史書・兵書におよぶ古典を自由自在に駆使しながら、東洋思想の叡智を本当の意味で人生や仕事に活かすためのヒントを説き明かしていく。「活学とは何か」「儒と禅」「老子と現代」「政教の原理『大学』新講」「『史記』の人物と思想」「虎の巻秘語――六韜三略の近代的解釈」「相と運と学」の7篇を収録。経営者・ビジネスマン必読の講話集。
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Posted by ブクログ
●「現代文明の危機は真我の喪失にあり」
今日の世の中に忘れられ、なおざりにされておる最も大切なもの、それを回復しようということで、それはなにかと言えば、結局真実の自己であります。・・・現代は知識階級ほど雑学・俗学・曲学に覆われている。真実の自己というものは、こういうものを払い落としてしまって、はじめて発見する事ができるのであります。
●経済こそ我が国民の将来を決定する要素だと考えるのは、枝葉の繁茂を見て根幹を見ぬからであります。すべての物質的生活問題も、これを有効円満に解決してゆくためには、必ず美しい精神的、感情的要素がなければなりません。