【感想・ネタバレ】無法の弁護人 法廷のペテン師のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

評価は続編への期待をこめて。

作者が「タクティカル・ジャッジメント」を執筆していた時代に富士見の小説雑誌を購入していたので、「おおっ、懐かしいな!また法廷ものか~」と懐かしさにひかれて購入。正直、そのとき連載されていた小説の内容は覚えていなかったのだけど。そして私の好きなキャラ設定(笑)

常に読みやすく、主人公である新米弁護士・本多の純粋な正義感が眩しいです。また、もうひとりの主人公である、主人公を助ける(?)ベテラン弁護士・阿武隈には、おおいに問題があって面白い。途中から話の結末は読めてしまうのが少し残念でしたが、その分道筋がしっかりしていて理解しやすかったです。



※ここから以下はネタバレになります。
阿武隈の策略(トリック)はなんといってもこの作品の核であり持ち味であるわけですが、はたして、読んでいる読者(わたし)は、それをどこまで正義として捉えられるのか、許すことが出来るのか、その判断が難しいところだな、と思いました。
阿武隈がラスト、裁判終了後に種明かしをし、本多から証拠捏造に対して責められて反論した際に言った台詞。
「だがな、たとえ無実だったとして、法律的に救える手立てがなかったらどうする?諦めて有罪判決を受け入れるか?依頼人にもそう言えるのか?あなたが無実だと知ってますが手立てがないので二〇年牢屋に入って下さいって 」
これを言われたら本多には論破できないですね。まさに悪魔的。
個人的に証拠の捏造に関しては………(理屈はわかるけど、う~ん)。今後、阿武隈の正義に、わたし(読者)がついていけるかが不安であり楽しみでもあります。また、阿武隈の過去に何があったのか?を含めた、主人公二人の信頼関係が今後どう築かれていくかによっても感じかたは変わってくるかと。
と、いうわけで続編に期待です!!



ちなみに、阿武隈が弁論の際度々口にする、検察には「被告人が合理的な疑いを差し挟む余地なく罪を犯したと立証する義務」があるが、被告側には、被告人が無罪であることを証明する義務はない、というもの。これ、知りませんでした。
被告人が無罪であることが証明出来ればそれが一番なのでしょうが、被告人以外の第三者でも犯行が可能であるという可能性を示すことが出来れば、検察側の起訴取り下げに繋がる=被告人側の勝利になる…(で、良いのかな;)。
それを知ってから考えると、検察側の勝利99%って怖いですね。いや、警察すべてを疑っているわけではないけれど。

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2016年03月12日

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