【感想・ネタバレ】雪あかり日記/せせらぎ日記のレビュー

あらすじ

一九三八年、日本大使館の改築のためベルリンに赴任した著者。改築資材を求め奔走し、歴史的建築物を訪ね歩く日々だが、戦火は否応なく迫っていた。建設総監シュペールとの面会、ベルリン芸術週間――歴史の転換点に立ち会ったモダニズム建築の巨匠、若き日の記録。
〈解説〉堀江敏幸

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Posted by ブクログ

滋味豊かな文体で500ページを超える一冊だが、いつまでも読み続けていたいと思わせる。

文末の解説は作家の堀江敏幸が書いているのだが、その解説の通り、同時代の日記でありながらヒトラーの行く末を予言した様な筆致は著者の冷静かつ優れた視点を雄弁に物語る。

又、雪あかり日記は1944年から翌年にかけて雑誌に連載されていたのだが、戦時下でよくドイツ迷走の可能性を示唆する言葉が検閲を通過して活字になったものだ。
同盟国に関する言論統制は自国並みに行うのがいい悪いとは別に当然だと思うのだが。連携の欠如が戦争の行く末を暗示するようだ。

LVDB BOOKSにて購入。

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2022年03月24日

Posted by ブクログ

数多くの名建築を残した谷口吉郎氏が、第二次世界大戦前夜のドイツという特殊な環境下で、ドイツやヨーロッパ各地の建築を巡礼していく様子が描かれた二作品。美しい作品の描写と、その時代の緊迫感が共存していて、夢中になって読んだ。建築のみならず文章構成の明快さも見事。

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2019年09月07日

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