あらすじ
近年、「ビッグデータ」(蓄積された大量のデータ)が、商品開発やマーケティングなど、さまざまな分野で活用できるのでは、と期待されています。
クックパッドは、月間利用者が5600万人を超える日本一の料理レシピ検索サイト。利用者がレシピ検索に用いたキーワードは、サーバー内に自然と蓄積されます。クックパッドはこの検索キーワードを一定の法則で数値化し、誰もがわかりやすいビッグデータサービスとして「たべみる」を提供しています。
「たべみる」は毎日更新されるため、リアルタイムのデータに基づくマーケティングが可能に。実際に、餃子専用の鍋つゆを発売したヤマキ、トーストのシーズニング商品を開発したエスビー食品、小売店へのメニュー提案を行なう卸売業の加藤産業など、「たべみる」に基づいた商品やサービスが、食卓に浸透し始めています。
著者は、「たべみる」サービスの事業責任者を務める、30代前半の若きクックパッドの社員。「たべみる」のリニューアル提案から、データ分析の方法、データ活用による新商品・サービス開発、データ販売の営業までを紹介します。
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Posted by ブクログ
あまり通常のクックパッドユーザーには知られていないであろう「食のデータ分析」本。
「たべみる」というものすごいポテンシャルを持ったサービスが埋もれていることに着目した若きデータアナリストが社内の承認を得て、粘り強くサービスのデザインを練っている中で強力なエンジニアの相棒を得て見事サービスのリニューアルを達成して行く過程を描いたのが前半。
この前半部分は正直「プロジェクトx」で1時間の実写ドラマになってもおかしくないくらい面白い内容でした。
純粋に同世代の著者の粘り強い活動、サービスが必ず役に立つと確信をしているゆるぎない信念。それを事業に落とし込めるための計画、そして地道な営業。。。
広報のための雑誌への連載など多岐にわたる活動を見るにつけ一人のビジネスマンとしてのそのバイタリティに純粋に「すごい!」と思った。
後半の具体的なデータ分析の手法は、それを実店舗の食料品の陳列にもつなげている「リアルへの影響のわかりやすさ」このサービスが今後まだまだいろんな活用の可能性があることが読んでいるだけでも分かっていって、創業者の佐野氏がいっていたまだまだやれてない99%へのヒントがここにあるように思えた。