あらすじ
瞳孔開きっぱなしノベルズ『ピアスノベルズ』電子版!
高校2年の夏休み。園芸部の水やり当番で登校した大庭保(おおば・たもつ)は、温室で3年の不良グループに絡まれ辱めを受けていたところを、偶然通りかかった1年生、西村隆明(にしむら・たかあき)の機転で救われる。しかし、屈辱にうちひしがれている保になぜか追い討ちをかけるような無遠慮な言葉を浴びせ、力づくで体を繋ぐ隆明。以来、卒業まで隆明に命じられるまま、保はおのれの肉体を捧げ続けることになる。
大学進学を機に完全に切れたかに思えた隆明との関係。だがある日、保は自分のマンションの前にたたずんでいる大柄な男の姿を認める。それはまぎれもなく、もう2度と会うことはないと信じていた隆明だった……。
表題作のほか、親との別居により新世界へ足を踏み出す高校生を描いた『温い血』、展覧会帰りの少年と青年の不思議な出会い『秘密』、芸術家もの『黄色い花』と、それぞれ個性鮮やかな四編が華麗に咲きほこる短編集。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読み応えのある短編集。「夏陰」「こ冬」に続くピアスノベルズの三冊目。
短編とは思えない重厚な作品でしたが、息を呑む間もなく一気に読みました。
表題作は「窓」高校二年の時にふとした事から三年の不良グループに温室で無体な事をされかかった保は間一髪で一年の西村に助けれれ、そのまま身体を奪われてしまう。
大学進学と同時に離れた二人だが、執拗に追いかけられてまた元の身体を繋ぐ関係に。西村に対して脅えていた保だが、それが愛だと愛だと気づいた時突然別れを切り出され。。。
二人で住むマンションの使わなかった部屋の窓を開け放して見る所からお話は始まります。
その他、「温い血」ー離婚した両親に対していい子を演じる高校生の和巳はいい子を演じているのに疲れてきて学校をサボり気味になり親に呼び出しが掛かる。その手紙を見つけた32歳の叔父に一緒に暮らしてと縋り、暮らし始めた初日に「僕を抱きたいと思わないの?」と誘う。いとこ同士はかもの味とは言うけれど、叔父と甥もまたそうなのかもしれません。叔父の俊和の執拗さがよかった。
「秘密」ー宗教画を見た帰りに男にナンパされた高校生の薫。
強引に連れていかれそうになったところを公一に助けられ、
そのパートナーの雅弘と共に「俺達の相手になるかい?」と誘われ高級ホテルへ。恋人同士だけれど身体を繋げない公一と雅弘と薫の秘密の時間。
「黄色い花」-日本画を学びたくて芸大に入学したものの技術的なものは教えられても書きたいものを追及することの難しさにわだかまりが晴れない隆一。そんな時にいつも手にする画集がある。水口藤人、日本画家で美人画を得意としているその人の自宅へ取材にいける機会を叔父に与えられ、その画家の義理の息子である美貌の少年旭に出会う。
画家の、息子に対する湾曲した愛情と身体をさらけ出す事でそれに答えようとする旭。
切ないお話でした。
短編集なのに内容が濃くて、しかも10年位前に出版されているのにこの素晴らしい文章力。さすがに水原先生です。
水原先生の作品はやくざ物で痛いお話のイメージがかなり濃かったのですが、一気に払拭されました。
プラス、奈良先生の挿絵、素晴らしすぎる。
台詞つきの奈良先生の絵を見たのが初めてなので、思わず「おっ」と声が出そうになりました。眼福♪~
Posted by ブクログ
短編4作品収録。表題作は攻めがかなりの執着を見せてくれてますが、大変な目にあっているのに受けがあんまりそれを感じさせないような淡々さがほんの少し物足りないかも。いやいやもうお腹一杯な一冊でした。
よりリアルに近づけようとした描写がとてもいいですね。
そんなにすんなり入るかよ!しかも初めてでいきなりでそんなに感じるかよ!!と冷静になってしまう事もあるので、
(もちろん作品自体が面白かったり、ただただエロを求めている時は別にいいのですが、たま~にしらけちゃう作品もあるので)
やっぱり男同士の行為は大変だよねぇ そうだよねぇ こうでなくっちゃ!!など変なテンションで読み進めました。
あとは個人的に執着攻めは大好物なので、よい執着話が読めてよかったです。
Posted by ブクログ
「虐げる愛しか知らなかった」みたいな煽り文が好き。何か痛いお話だったけど楽しかった。短編集じゃなくて、もう少しひとつのお話をゆっくり展開させていけばもっと感情移入できたかも。
Posted by ブクログ
執着攻めは結構ですが、なんか受けにいまいち魅力を感じなかった…てゆかうざかった←
あと腸洗浄あたりはファンタジーですませてしまいたい都合の良い腐女子なもので、そのへんもちょいきつかった。
でもどうしても執着攻めは大好物だから(笑)、★3つ。好きとは言えないけどうっかり読み返しちゃう作品です。
Posted by ブクログ
高校2年の夏休み。誰もいない学校で、不良グループに絡まれ辱めを受けていた大庭保は、偶然通りかかった1年生・西村隆明の機転により助けられる。しかし、屈辱にうちひしがれている保に、なぜか追い討ちをかけるような言葉を浴びせ、力づくで躯を繋ぐ隆明。以来卒業まで、隆明に命じられるままに保は己の躯を捧げ続けることになる。大学進学を機に完全に切れたかに思えた隆明との関係。だがある日、保は自分のマンションの前に佇む大柄な男の姿を確認する。それはまぎれもなく、もう2度と会うことはないと信じていた隆明であった…。表題作のほか『温い血』『秘密』さらに書下ろし作『黄色い花』を収録。激しく切ない4つの愛のカタチ。『夏陰』『箍冬』が大ヒット中の著者待望の短編集。