あらすじ
大阪都構想反対派の急先鋒として注目を集めた著者による、渾身の最新刊! 「都構想」否決のその先にあるものは――? 人口が減り続けている大阪のみならず、「消滅」までもが危惧されている日本の「地方」。本書ではその復活の道筋を大胆に示す。著者曰く、地方を甦らせる最短にして最善の道は「インフラ」しかない(なお、この「インフラ」とは、リニア新幹線や高速道路などのハードインフラから、地域コミュニティなどのソフトインフラまでを含んだ概念だ)。じつは、あのアダム・スミスもカール・マルクスも、インフラ投資が経済にもたらす大きなインパクトについて論じていた。しかし、現代日本において「インフラが重要だ」というと、「日本は道路王国で成熟社会だから、もうインフラなんて必要ない」「公共事業は税金の無駄使い」といった意見がすぐさま噴出する。だが、そうした固定観念は、種々のデータから「大いなる間違い」だということがすぐわかる。本書では、「日本の高速道路網は先進国中最下位」「公共事業費は5倍になってGDPに反映される」「デフレ期においては、インフラ投資で税収増が期待できる」……など、知られざる事実を明らかにする。さらに、「大(だい)大阪構想」「四大交流圏構想」をもとに、新たな経済圏の出現と、それが日本にもたらすであろう莫大な利益について詳説する。地方復活、ひいては日本経済の明るい未来を描く注目作!
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Posted by ブクログ
■「沈黙の螺旋」
▸ インフラ論者に対する嫌がらせが繰り返されることで,インフラ論自体がますますメディア上で語られなくなっていく一方,批判する声だけが声高に喧伝されるようになっていく。そうすると今度はそうしたメディア状況それ自身がますますインフラ論者に対するバッシングを加速させていくことになる。
■「インフラ政策」こそが成長戦略の要
■中長期的な財政再建のためにも,プライマリーバランス改善に拘り過ぎるのは愚かな態度に過ぎない。
■「ワイズスペンディング」
▸ 限られた財源を「賢く」(ワイズ)「使う」(スペンディング)
Posted by ブクログ
インフラ整備重要
地方創生のヒント
LRTなんて中学、高校の英語の教科書に載ってた話だった。環境に優しいよねって話だったのを思い出した。
LRTは経済効果も大きいことが紹介されていた。
東京にインフラが一極集中してるのは確かにおかしいと思った。
地方にも同じくらいインフラが充実していれば通勤や通学も平準化されるだろうな。
2015年に出版された本で、この時からすでに著者は増税がデフレを加速させることを言っている。
2020年の今これを読んでいて、著者の視点や主張は興味深く、もっと話を聞きたい。
興味の幅を広げてくれた読書になりました。
Posted by ブクログ
日本の政策議論の場において、インフラ投資に関する真面目な議論が、既得権益批判(本書でいう「シロアリ論」)にすり替えられ、往往にして無効化されてしまう事が指摘されている。
また後半は新幹線・高速道路網の全国的な整備を中心とした具体的なインフラ政策が提言されており、興味深い。
この手の、偏見に基づく思考停止型の反論を受ける事で、同じ土俵での議論が成立しないという現象は他の分野(環境、軍事など)でもよく見られる。
藤井氏も反対派に散々煽られてきた鬱憤を晴らすためか、比較的煽情的な言葉づかいを所々で用いているのはやや目障りに感じられたが、主張は概ね理解できた。
こういった主張が世論の支持を得る日は、近い将来来るのだろうか。