【感想・ネタバレ】淀川長治映画ベスト10+αのレビュー

あらすじ

淀川長治がその年のアンケートに応えたベスト10とその解説。そして、ベスト5。さらには西部劇ベストやヴァンプ女優、男優ベスト、サイレントベスト……。巻末対談は蓮實重彦氏と「八十年代ベスト」。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

p95
「博士の異常な愛情」はドイツのモダン・ダンスであった。つづく一九六八年の「2001年宇宙の旅」はアメリカのモダン・バレエ。一九七一年の「時計じかけのオレンジ」はイギリスのモダン・バレエ。

p107
 プリティ・ベビー
 これが当らなかったのでこれを輸入配給した罪もなきCICに私は半年間も口をきかなかった。これはCICの罪ではない。日本の映画ファン大衆の冷酷なる罪であった。

p215
蓮實『プラトーン』を見た時、映画もずいぶん馬鹿にされたもんだなと思いました。ジャーナリスティックな野心が見え見えで、まともな演出ができないんですね。



プリティ・ベビーの論評は文章うますぎて読む者すべてを怯ませるくらい。辛辣であり、饒舌であり、要所で解説者としてではなく評論家的な切れ味が垣間見えます。蓮實重彦氏との対談もテーマから最初から脱線し、あれ見た? 全然見てない 君あれ駄目でしょ 受け付けないわぁ 的な感じでも言ってる内容はやはり鋭い。でもあれってあの監督の真似だよね、という感じに見透かされる。評論の価値が低い(貶められた)現代において、こういった文化が良い映画を育ててきたのだと感じました。
ただ各配信プラットフォームでも補填できないくらいの名前が出ていたので、ちまちま勉強していきたい。

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2023年02月11日

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