あらすじ
突然の事故で両親を失った夏のはじめ。おじいちゃんとおばあちゃん、昭二兄ちゃんと千恵ねえちゃんに囲まれたヒロと由美の新しい生活が始まった。交通事故で両親を亡くしたヒロと由美は、親戚の千恵ねえちゃん家族と一緒に暮らすことになった。でこぼこの坂道を上るような暮らしや大切な人との出会いが、兄弟の心の傷をゆっくりと癒していく。しかしヒロは、あることをきっかけに千恵ねえちゃんが無理をしているのではないかと感じてしまい…。
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Posted by ブクログ
交通事故で両親を亡くした小学生の兄妹と、
彼らを引き取った若い弟夫婦を中心とした、
心温まる家族小説…なんですが…、
ちょいと、ピュア過ぎる嫌いはありました。
よい作品ではあるんですけどね…。
作中で問題が生じても、不安感を感じず、
心地よさを保ったまま、読み進めますが、
言い方を変えれば、盛り上がりに欠ける感じ。
ちょいと、性善説に寄り過ぎているのかな~?
もっと、人の汚い部分が描かれないと…。
例えば…、同じようなシチュエーションだと、
朝井リョウさんの『世界地図の下書き』では、
子供の残酷さや乗り越えられない壁の存在が、
作品に、メリハリとリアリティをもたらし、
家族愛が、より効果的に表現されていました。
作者さんは、六十の手習いではありませんが、
恐らく、結構な読書家さんなのでそぅか…?、
構成力や文章力はあり、読み易い作品ですが、
もぅ一つ、何かが物足りない点などは、
老年デビュー作らしいかも…??