あらすじ
生まれたときから脳性まひで、車イス生活をよぎなくされ、一人では食事もできない。そんな著者が結婚し、生まれた子どもはダウン症と診断された――。
「わが子がダウン症児として誕生したとき、ぼくは歩いたこともないのに、膝から崩れ落ちていくように自分の感情が壊れていくのを止められなかった。発狂してしまいそうだった。障害者を取り巻く環境など、それを知り過ぎている自らの記憶が忌まわしかった」
それでもわが子への愛情は日に日に大きくなり、不自由な体で、NICU(新生児治療室)に入院する愛児のもとに通い続けた。「ケンジはなダウン星の王子なんだ…でも王様に何かあったらダウン星に帰らなきゃいけないんだ」
ともに障害者という父と子の、432日――短くも濃密な1年2ヶ月を綴った感動の記録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2004年に生まれた赤ちゃんのことについて書かれています。
この頃と比べて、15年たった今は障害についての人々の意識がかなり変わったなと思います。
まだまだ変わってない人もいるけど、そういう考えはもはや時代遅れと言われるくらいにはなりました。
昔はよく「親を選べない」「望んで障害を持って生まれてきたわけじゃない」と言われましたが、
今は「親を選んで生まれてくる」「望んで障害を持って生まれてくる」(障害を持って生まれてくる人は英語でチャレンジドともいわれます)という考え方になってきています。
いろんな人が助け合う社会にしたい。
いのちについて深く考えさせられます。
Posted by ブクログ
この本を読んで知ったのは、中村さんが重度の障害を持っていて
3歳まで生きられないと言われたのだけど、お元気で50歳になられていて
脚本、小説、エッセイなどを書いたり、沢山の講演をされている方だということ
初めての新聞エッセイを頼まれた時は、宮本輝さんの
『命の器』と『二十歳の火影』を教科書として読んだとのこと
宮本輝さんに友人と言われて、嬉しいだろうなぁ
この本は、中村さんが結婚することから、長男の賢ちゃんが生まれ
たくさんの悲しみや苦しみや戦いの中から生まれた歓びと
ダウン星に逝ってしまったあとのことまでが
中村さんの正直な気持ちのまま書き綴られていた
簡単に泣いたりしないで、ちゃんと読もうと決めていたけど
途中、何度も読み続けられなくなった
でも、そんな中で、中村さんの強さと明るさが素晴らしかった
明るさはその人の財産なんだなぁ
読んで、よかった