【感想・ネタバレ】安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生のレビュー

あらすじ

驚異の「26期連続増収増益」ドンキホーテはいかにして生まれたか?

今年6月期には売上高約6500億円となり、ついに三越伊勢丹を抜いたドンキホーテ。同社を率いてきた安田隆夫CEOは、普通の企業人とは大きく異なるユニークな経営哲学の持ち主だ。若い頃、安田氏は麻雀やパチンコで食いつなぎ、29歳の時、東京・荻窪でディスカウント店「泥棒市場」を始める。

しかし商品は売れず、仕入先には騙され、たった1人で思い悩む日々……。ある晩、遅くまで商品を荷解きしていると、飲み会帰りのサラリーマンが「それ、買える?」と声をかけてきた。都市部では夜型生活の客が多くおり、深夜にこそ売るチャンスが転がっていることに気づいた。それがドンキの始まりだった。

だが、すこし油断すると売り上げはたちまち落ちてしまう。社内管理を強化し、厳しい営業目標を課したが、それでも衰退は止まらない。そこで安田氏は思いきった策に出る。
1)現場にすべて権限を委譲。仕入れから値付けまで現場にやらせ、上は口を出せない。
2)営業目標は各個人に立てさせる。徹底的な成果主義。

このように安田氏は難題に直面するたび、常道とは「逆張り」の視点をもち、それをとことん突き詰める。本人の言葉でいえば「はらわたで考えなければ、真のブレークスルーは生まれない」。

波乱万丈の人生物語で一般読者を引きずり込み、独自の経営哲学でビジネスマンも唸らせるユニークな半生記。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ドン・キホーテ創業者の物語。

慶応大学を卒業しながらも、一時は雀士として生計を立て、苦悩の末に泥棒市場という非正規品を買い取り、販売する店舗を立ち上げる。

深夜も開店することでナイトマーケット感を出し、商品を際立たせるオリジナルPOPを作成するなど、ドン・キホーテにつながる基礎を構築する。

こから、商品仕入れのノウハウを生かしたジャストという卸商を展開しつつ、ドン・キホーテを立ち上げ、急速な拡大を経て今に至る。途中、有名な放火事件などもあったが、新たなジャンルの小売の王者として君臨している。

著者は、日本の小売発展に寄与した、全国どこでも画一的な店舗を展開し、重要な施策は本部が策定するチェーンストア理論を否定している。ドンキは昔から売り場別に個別採算性を導入し、売り場別に競わせていた。同様に、地域の客層に合わせて、店舗展開を柔軟に変えていくことが現在の小売にも求められているのかもしれない。

巻末の経営哲学にも同意できる部分が多かった。

風変わりなドンキホーテの話かと思ったが、以外にも考えさせられる部分が多く、大変勉強になった。

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2023年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下手な経営書よりもよほど為になる本。
著者の、試行錯誤を繰り返しながら会社を築き上げた苦労の
跡が、鮮明に記述されています。
本書の中で、著者は「常識に囚われない」「素人だからこその発想」という点を強調していますが、次第に会社が大きくなるにつれ、他の成功企業と同様の所謂「ビジョナリー・カンパニー」となっていきます。やはり、成功企業に共通した普遍的な法則はあるんですね。

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2016年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本のここがオススメ

「私はことごとく業界の「逆張り」を実践してきた。しかも計算ずくの逆張りではなく、むしろ苦肉の策として逆張りせざるをえなかった。しかし、逆張りで勝負したからこそ、誰にもマネのできない企業を育てることができたのだ」

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2024年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

購入本
・ネガテイブ気分脱出方法
 1週間休暇を取り、外界から情報を遮断 自宅に引きこもる。考え抜く。落ち込みが底を打った後劇的に気分が晴れてくる。
・大胆な権限移譲が成功の秘訣
・泥棒市場からスタート
・長崎屋の買収 海外事業は長崎屋の人材割合6割 
 食材のノウハウ、老舗の実力
・ドンキは成熟した流通先進国でこそヒット おなじ店ぞろいに飽きてわくわく感を求める アジアはまだ流通の発展途上 中国はインバウンド狙い 社員が多く将来出店の布石は有り
・売り場の事を買い場と呼ぶ 顧客目線

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2022年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ドン・キホーテ」の生い立ちを創業者の安田隆夫氏が綴った一冊。停滞する流通業の中で、上場以来26年連続増収増益と唯一気を吐き成長を続けるドンキ。が、当然この成長の裏には様々なドタバタ劇あり。深夜営業反対住民運動にあったり、連続放火の標的に合い圧縮陳列を否定されたり等々、様々な事件が赤裸々に綴られると共に、その時々に何を思いどう対処したかが具体的に語られます。

・「はらわた」で考える。考え抜く。苦しんで苦しんでうんうんうん言った先に光が差し込む。その生みの苦しいはまさに「はらわた」から絞り出すイメージ。
・後発参入は真似ては駄目。常識とは先行して地位を築いた者の考え。先行者を追い越すのに常識の世界で戦っては潰されるだけ。逆張り等、素人だからこその非常識を大事に。
・業態コンセプトはCVD+A。コンビニエンス、ディスカウント。そこにアミューズメント要素が加わることで可能性が広がる。日本人は夜祭好き。あのテンションを小売りに持ち込む。
・徹底した権限移譲。ワークではなくゲームにする。ゲームを行うためのシンプルなルール・評価を決める。人は自分事になることで見違えるように働き始める。
・徹底した権限移譲の先には、個人同士の利益のぶつかり合いが生まれるが、そのバランスを如何に取るかが強い企業になる為に重要。
・orではなくANDで考える。意見の対立を昇華させより良いものに仕立て行くのが仕事。

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2016年04月03日

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