あらすじ
ダートマス大学の経営学の俊英が、経営者、企業への膨大な聞き取り調査をもとに、「なぜ名経営者がいたのにあの企業は失敗したのか?」
という大命題の解を明かす、目からウロコの本格的経営学の書。アップルコンピュータ、モトローラ、サムソン自動車、そして雪印など。
日米欧韓の一流企業が、「名経営者」が指揮していたのに犯してしまった「失敗のケーススタディ」を、当事者に徹底的にインタビュー調査。
緻密な分析で、「名経営者だからこそ」犯しやすい「失敗の原因」を明かす。具体事例と、明晰な分析、そして鮮やかな処方箋をセットにした
「経営者、失敗の研究」の集大成。
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Posted by ブクログ
一時代を築くほど成功した経営者が失敗した理由が様々に乗せられている。分析というほど事例が多くないので、雑多な印象は受ける。成功するための製品開発力や強力なCEOの統率力など、強みが空転している事例が多い。
アナログ→デジタル、ワープロ→PCなど現場から要望が出ていても、今の事業の成功体験から離れられずに、取り残されると致命的な波に乗れない事例や低軌道衛星電話で顧客を集められなかったモトローラ、成熟している車事業に後参入しようとして失敗したサムスンの事例など、トップが判断を誤ってしまう。
周到な準備をして誤って見方を壊滅させた軍隊の例を挙げ、「ビジネスにおける失敗とはたいていそんなものである。本書のために調べた様々な事例の中で、業務の遂行能力に問題がある例は一つもなかった。いずれの場合も真の問題は間違った作戦を展開したことにある。」と述べるくだりが印象的。
処方箋もいくつか上げられるが、組織を風通し良くし、否定的な情報や意見を謙虚にトップが考慮する事が必須という結論。
まあ、妥当でしょうか。