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Posted by ブクログ
熊谷達也さんは戦争文学も書いていると知って、読んでみました。
17歳で特攻に志願することになってしまった少年の物語。特攻と言っても、よく知られている飛行機による特攻ではなくて、人間魚雷の回天でもなくて、戦争末期、飛行機も潜水艦も燃料も、何もかもが底を尽きている状況で考え出された、体一つで潜水して敵艦を待ち受ける「伏龍(ふくりゅう)」。
飛行機乗りにあこがれて、そうじゃなくてもカッコよく軍人として活躍したいと願って志願した少年にとって、変な形のかぶとをかぶって、歩いて潜水するなんて、「かっこ悪すぎる!」と思えた。
でも、そこで仲間たちと出会い、良い上司も悪い上司も含め、色々な大人に出会い、戦争の意味、この作戦の意味を考え葛藤する。
「伏龍」は作戦だけで終わったのか、実際に実行されたのかこの小説だけではわからなかったけど、なんとも恐ろしくて、言い方は悪いけど滑稽な作戦だ。こんな特攻もあったのかと、悲しくなります。
数ある戦争文学の中でも、主人公が17歳と若く、戦争を見つめる視点が新鮮に感じた。