【感想・ネタバレ】特捜部Q―吊された少女―のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いつの間にかQが創設されてから、7年も経っていることに驚き。モーナとも別れてるし。自分が置いてけぼりをくらった気分。
細い細い糸を手繰り寄せて、結末まで持っていくのがすごい。
ピルヨのパートは、まるで自分がピルヨになったかのように、ハラハラドキドキで、先が気になって、半分から一気読み。
こんな救いのない終わり方って…Qのメンバーみんなが満身創痍で、どうなっていくのか。早く次回作が読みたい!

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2015年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 本『特捜部Q』シリーズを読むたびに思うのだけれど、この作家は冒険小説の書き手としての色合いが強いのではないだろうか。物語の各所に個性的な人間たちを配することにより生まれる劇的効果を狙うのがとても巧い作家ではないのだろうか。だからこそ、警察という組織の人間を主人公にしていながら、およそ警察機構とは相容れないような主人子と、これまた同様の部下二人、そして何よりも事件の中核となる副主人公を物語ごとに造形し特捜部Qと対峙させ、交錯させ、緊張で蓄えた力を大団円で一気に爆発させてゆく手法が活きているように思える。まさに血沸き肉躍る冒険小説みたいに。

 それを強く感じさせてくれたのが本書である。交通事故に遭って木の上に飛ばされ、吊るされたままきみょうな死体となって発見された少女の話を、今回の特捜部Qは発掘する。その事件を取り憑かれたように調査していた老人が公衆の面前で拳銃自殺したのだ。衝撃的なスタートと言える。

 一方で現在より数年前から、奇妙な教団に生きるある人物の描写が始まる。女性、悪の化身、そして殺人鬼である。教祖との距離がなぜか不明だ。教祖の正体もわかりにくい。しかしそれなりの力を持ったカルトであり、その女は教団の実務を握る立場の人物であると同時に、頭の切れる悪魔である。彼女の手によって誰にも知られず教団から消えてゆく女たちのことがこうして語られる。

 カルト教団はこのような物語シリーズの中ではなかなか避けて通れない犯罪の火床のような題材であろう。教団そのものが健全であれ、そこに悪意のある人間、仮の姿を宿して金や力を行使できる人間の存在が、閉ざされた集団の中に特異に構築されたヒエラルキーに忍び込みやすい。そんな、古今東西を問わぬ宗教的悪の中で蠢く個の悪の姿が教団にも外界にも力を振るうことで、破滅を呼び込むという物語は宗教にも政治にも国家にもあり得ることであり、だからこそ冒険小説の骨格と似た造りになってきているのが、本シリーズなのではないかと思う。

 本書では主人公たちも命が安泰ではなく、火の中に飛び込まざるを得ない存在として描かれる。第三者的ではなく、まさに冒険を余儀なくされ、体験を己の物語に変えられる人々としての捜査官なのである。

 ちなみに本シリーズで冒頭から抱え込んでいる未解決事件=連続釘打ち機事件に、本書で大きな進展が見られる。カールたちを襲撃した銃が発見されたのだ。今後のシリーズ作品を通して、こちらの捜査も少しずつだろうが、露になるだろう。そしてあの事件で体の自由を奪われたハーディの人生も、自分の物語として冒険小説の道を伸ばし続けることだろう。今後も眼を離せない、注目のシリーズである。

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2015年12月21日

Posted by ブクログ

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時系列にない物語がそれぞれに進行してやがて接点を持ち一緒になり、驚きの
展開をみせる!これまでにもあった構成だけどストーリーの着地点が予測不可能なのは相変わらず唸ってしまう。
カルト教団にも触れ、教義やら信仰やらザワザワと恐ろしい雰囲気が最初から漂っていたが、それ以上に恐ろしい真実が種明かしされる頃には、読者はストーリーに絡め取られてしまっている。
アサドの前歴、ローセの謎などまだまだ目が離せない。

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2015年11月12日

Posted by ブクログ

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大好きなシリーズの6作目。新しい人も加わり、常連の人たちは相変わらず個性的で楽しい。
内容は、深い。毎回のこととはいえ一筋縄では行かないというか、後半かなり二転三転して急展開だった。みんな最後の方で色々あって心配!!
最初の作品の事件もまだ展開中なのに、よく覚えていないのでまた1作目から読んだ方がいいのかも。

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2016年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すっかりおなじみの特捜部のメンバー、特にアサドが気になる。意外な犯人・・・はミステリの王道だが、犯罪者には生きて罪を償うべき義務がある。生の方が死よりも困難だとしても。
それにしてもなぜ北欧の人名は覚えられないのか。男か女かもよくわからない。

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2015年12月15日

Posted by ブクログ

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特捜部の面々の掛け合いは相変わらず楽しく。
だけど、今回それほど悲惨な描写がなかったので物語に沈んでしまったような気も。いや、変に浮き上がらずそれはそれでよかったんだけど。
今回は人を愛した故の悲劇。容疑者をひたすら庇う取巻きの狂気が痛い。
シリーズ全体の謎も少し前進。

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2016年04月23日

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