【感想・ネタバレ】宇沢弘文のメッセージのレビュー

あらすじ

宇沢は走り続けた。走りながら考えた。社会を本当によくするためには何が必要か――。ノーベル経済学賞にもっとも近いと評された宇沢は、その評価を自ら否定する形で自動車の社会的費用、成田闘争、地球温暖化、教育問題等々、20世紀後半に日本社会が直面していた困難な課題に立ち向かっていった。本書では、宇沢理論とマルクス経済学との関係を始め、これまで語られることのなかった側面にも言及。およそ30年間、宇沢の仕事に伴走してきた岩波書店の名編集者が、“人間が真に豊かに生きる条件”を求め続けた天才経済学者の魂のメッセージに肉薄する! 初の宇沢思想入門。【目次】はじめに/序章 数学から経済学へ/第一章 アメリカでの活躍とベトナム戦争の影/第二章 自動車の社会的費用/第三章 近代経済学の再検討―宇沢思想の出発―/第四章 「豊かな国」の貧しさ/第五章 「成田」問題とはなにか/第六章 地球温暖化に抗して/第七章 著作集の刊行、そして教育問題への提言/終章 社会的共通資本という思想/あとがき

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Posted by ブクログ

世界的な計量経済学者でありながらもベトナム戦争や公害問題などの現実にかかわろうと苦闘した学者の紹介。筆者は宇沢さんと長年にわたってコンビをくんだ編集者。
とくに自動車の経済学のところは印象深かった。
自動車の普及によって人はおおくの便益をえる。しかしながら自動車によるGDP成長だけでなく、交通渋滞や自動車の道路建設のコスト、環境破壊コストなど負の経済も計量して便益を計算すべしというのが宇沢の主張と理解した。
ものごとには必ずプラスとマイナス、光と影がある。それを言葉だけでなく計量的にとらえようとする姿勢はいまも必要である。

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2017年03月05日

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