【感想・ネタバレ】まんがグリム童話 嵐が丘~狂気の愛~のレビュー

あらすじ

伝統あるアーンショウ家の旦那様に拾われたヒースクリフは、アーンショウ家の娘・キャサリンと仲良く成長し、愛し合うようになる。しかし、アーンショウ氏の死後、跡継ぎのヒンドリーがヒースクリフを奴隷に貶める。キャサリンのために虐待に耐え続けたヒースクリフだが、エドカーと結婚しようとするキャサリンの言葉にショックを受け、行方をくらます。数年後、巨富の財を手に入れ戻ってきたヒースクリフは狂気な行動に出るのだが……!! エミリー・ブロンテ原作、世界文学名作を漫画化! 孤児と令嬢の身分差恋愛の切ない結末――!!

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あの難しい嵐が丘を…

この作家さんに脱帽です
原書で嵐が丘を読まれたのですね、語学堪能な方なのでしょうか
時制がめちゃくちゃに入り混じり、更に名前がみんな受け継いでる為同じ名前が乱立するこの頭が混乱する話を見事に描き上げています
時制を過去から未来に沿って組み立て直したのもすごい着眼点です、お陰で分かりやすかった

初代キャサリンの頑固で強い性格も原作の通りで、いい子に描いてないのもよかったし、原作では賭博で取り上げた嵐が丘(当時賭博で得た財産は違法であり、法的に所有は認められない物でした)を借金のカタに巻き上げた設定もよかったです

語り手も原作では2人なのをネリー・ディーンに絞り、今でも謎とされるヒースクリフがいると知りながら初代キャサリンの結婚話を引き出し、わざと聞かせる行為…別の名を「悪女ネリー・ディーン」と言われる謎の行動をヒンドリーへの愛ゆえの嫉妬にするとは…

そしてロックウッドが原作では冒頭で出会う初代キャサリンの幽霊
嵐が丘に入れず彷徨う魂…それ故にヒースクリフは発狂し不審死を遂げるのですが、それがこの作品ではクライマックスシーンでしかも幽霊ではなくネリー・ディーン!!
更に不審死ではなく、ネリーに殺されるなんて…
いろいろ度肝を抜かれた作品でした
でも最後は感動です!!

一つ残念なのは、イザベラが耳を怪我するシーン
あれはヒースクリフによる暴行虐待で怪我をするのですが、ヒンドリーによる銃の暴発になってしまってました…
ここは当時法的に妻は夫の所有物であり、妻の意思で別居離婚は許されない
しかし怪我を負わされた時のみ妻から離れる事が出来る…と言う法律を表しているのです
ヒースクリフから受け続けていた虐待で遂に怪我を負い「これで逃げられる!」と怪我に大喜びでイザベラは出ていくのです
そこがカットされていたのが残念でした

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2024年12月23日

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