【感想・ネタバレ】考えることについてのレビュー

あらすじ

串田孫一『考えることについて』は、1955年に初版刊行。その後、加筆修正・再刊行など形を変え、多くの読者に愛された串田思想の入門書的存在。79年の旺文社版から36年ぶりの再文庫化。考えることについて、見ることについて、愛することについて、孤独について、不安について。それぞれ普遍的なテーマを取り上げ小気味よく綴る至極の文章は色褪せることがないばかりか、現在も新鮮な輝きを放っている。串田和美氏による特別寄稿文を収録。

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Posted by ブクログ

考えること、見ること、知ること、疑うこと、作ること、笑うこと、運命、孤独、悲哀、嘘、羨望、嫉妬 について、著者が分り易くエッセイで語る。定義でもなんでもない。著者の優しさが伝わってくるような文章が多い。それは鳥、動物、花などが度々登場し、それらの気持ちを忖度するような文章に表れている。「嫉妬」の中で印象に残る言葉は「恋する人は肉体をも勿論求めるでしょうが、それ以上に心を求めている」「想い出」は話すときになると幾らでも粉飾をほどこすことが出来る。想い出は秘められたままがよい。外へ出されるときは慎み深いのがよい」は至言である。「手紙」では詩の勉強へのアドバイスとして、「自分の日記や手紙をていねいに、緊張して書くように」との言葉、そして「日記へ向う自分はわがままなもの」という正反対のような言葉。「日記は心理的な休息、娯楽、ご馳走、怠惰な行為、見せかけの仕事」とのアミエルの言葉も紹介されている。日記について考えさせられる。「不安」ではパスカル、キルケゴールなどについて詳しい。

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2015年08月08日

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