あらすじ
友だちになった小鬼から、過去世を見せられた少女は、心に〈鬼の芽〉を生じさせてしまった。小鬼は彼女を宿業から解き放つため、様々な時代に現れる〈鬼の芽〉───酒浸りで寝たきりの父のために奉公先で耐える少年、好きな人を殺した男を側仕えにして苛めぬく姫君、行商をしながら長屋で一人暮らす老婆、凶作が続く村で愛娘を捨てろと言われ憤る農夫、田舎から出て姉とともに色街で暮らす少女───を集める千年の旅を始めた。精緻な筆致で紡がれる人と鬼の物語。
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Posted by ブクログ
西條奈加さんの作品は好きでよく読んでいます。
内容を全く知らないまま何気なく手に取った本でした。
登場人物が魅力的なことものありますが、展開が読めず先が気になり、あっという間に読みました。
途中、衝撃的な描写があり少し嫌な気分になったのですが、最後まで読んでみるとそこまでの衝撃が必要だったなっと納得。
最後は、なんとも表現のしがたい感動がありました。
内容は重いけれど読みにくさはなく、胸に深く刺さる作品。
最後を知った上でもう一度読んでみるつもりです。
私としては、ジャンル分けができない不思議な作品でした。
Posted by ブクログ
最初は鬼の目を身内に宿した人間たちと鬼の関わりを写した短編集かと思った。
たったひと時の、たまらなくし幸せな思い出のために、千年もの間命を削ってどうしても1人の女の子に会いたかった小鬼のお話。
小鬼のことを思い出せば女の子の凄惨な過去を思い出させてしまうから、名乗らず、小鬼は千年ずっと姿を変えて現れ、民を愛して守っていた。
見返りを求めずに相手の幸せを願うのが愛なのかと思っていたけど、少しの、たった一つの願いなら、欲しがってもいいのかしら。
Posted by ブクログ
時代小説ファンタジーって感じでした。
あらすじとイラストの可愛さで購入しました。
小鬼(見た目鬼ですがほぼ木の精霊です)と弟を探してる女の子が出会って一緒に弟探すことが物語の発端です。
女の子は鬼の芽という鬼になってしまう可能性のあるものを心に持っていて、ある出来事からそれが覚醒し鬼になってしまいます。
鬼になってしまうと輪廻転生の輪から外れてしまうので女の子はもう転生できません。それに納得のいかない小鬼は女の子を無理やり輪廻転生の輪に戻してしまい。転生するたび心に宿った鬼の芽を回収していくという話です。
すごい省いてますがこんな感じ。
どの人生も苦い話でちょっと泣ける。
面白いんですが泣ける話苦手。。特に最後は切なかった。
あと、母親という存在を美化しすぎではと個人的には思いました。