【感想・ネタバレ】思考と動きのレビュー

あらすじ

ベルクソンによるベルクソン哲学の方法論指南。哲学者自身の編んだ講演・論文集が、持続と直観というベルクソン哲学の根本を、彼以前の哲学との異同にも触れつつ納得させてくれる。

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Posted by ブクログ

私たちは普段、何かを感じ何かを考えながら生きている。その思考によって成果を出すことは今の社会においては頻繁に求められることだろう。そして、私たちは創造的な思考を求められるが、同時にその思考は現実を捉えていなければならない。
では、考えるとは実際どういったことなのか。私たちの思考はどのようにして働いているのか。その一つの答えを出すのが19世紀から20世紀の哲学を代表するこの本の著者アンリ・ベルクソンである。

「どんな抽象的な思考も、その出発点は常に知覚です。」
私たちの思考は知覚から得たものを配列し直すことはできるが、その材料は知覚から得るのである。そしてこの知覚とは、ただ目の前のものを見ることである。「肉体の眼でも精神の眼でも、いま見ている以上のものをどうして見ることができようか。」
思考の出発点・起源はただこれだけのことなのだ。その知覚の中に思考の材料はすべて含まれている。しかしそうしたことでさえ、私たちは勘違いしてしまっているのではないか。自分の知覚、言い換えれば直観を否定してしまっているのではないか。それが思考にとって唯一ともいえる、真の創造の契機であるはずなのに。

こうした問題を含みながら、その知覚を正しくとらえるためにベルクソンは哲学をする。そうして、真の時間や真の精神的運動へと迫っていく。
私たちはどのようにして「現実」を正確に捉えるのか。ベルクソンが考えていたことの中にその答えはあるかもしれない。

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2013年10月23日

Posted by ブクログ

ベルクリン哲学について、著者自身の講演や論文を集約し、記述した1冊で、夏目漱石などもさかんに読みこんだそうである。「実在を私たちの観念の寸法に合わせてはいけない。私たちの観念を実在に合わせて拡げるのだ。」(P.326)。冒頭の「哲学に欠けているのは正確さである。」(P.9)は核心をついた言葉と感じた

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2013年06月29日

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