あらすじ
定石を極めてこそ革新がある――数多の経営書で他社の成功戦略を学んでも、自分の会社はピクリとも動かない。自社の「正解の戦略」を掴み取るためには、いったい何をすべきなのか。東レ、みずほフィナンシャルグループ、JR西日本、商船三井など、業界も規模も多岐にわたる数十社で、事業革新を担い得る「考える社員」を生み出し続けてきた著者が、人材育成の講義を公開する!
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Posted by ブクログ
本書を教科書にして、経営学を学ぶことができるかもしれない。
まず、経営学の基本を学ぶとある。
課題図書として紹介されているものを抜粋する。
・競争優位の戦略 マイケル・E・ポーター
・コトラーのマーケティング・マネジメント フィリップ・コトラー
・マーケティング 恩蔵直人
・ブルーオーシャン戦略 W・チャン・キム、レネ・モボルニュ
・逆転の競争戦略 山田英夫
・異業種競争戦略 内田和成
・企業戦略論(上) ジェイ・B・バーニー
・イノベーションのジレンマ クレイトン・クリステンセン
・ビジョナリーカンパニー ②③ ジェームズ・C・コリンズ
・場の論理とマネジメント 伊丹敬之
・コトづくりのちから 常盤文克
・マネジメント ピーター・F・ドラッカー
・ものづくり経営学 藤本隆宏
・いすゞの製造現場から生まれた完璧品質を作り続ける生産方式 佐々木久臣
特に最初の2冊は古典で、分厚い本。価格もお高めだが、読み始めてみた。
課題図書から、基本を学び、自分の携わるビジネスに置き換えて、常に考え続ける人材になる第一歩だ!
Posted by ブクログ
本書は著者の高山信彦氏自身が確立した独自の研修スタイルで、東レ、みずほ、JR西日本、商船三井などをはじめとする幾多もの企業を立て直した筆者による実践的経営学、そのノウハウの全てを明らかにしたものです。
こういった関係の本で久しぶりに面白いものに出会いました。著者は富士ゼロックスに勤めながらMBAを慶応大学で取得し、現在は独立して企業の人材育成・コンサルティングを請け負っていらっしゃるのだそうです。
ここに記されているのはその研修の「紙上講義」ともいうべきものだと個人的に捉えておりますが、まぁ本の厚さに比べて内容が本当に濃いものだということを読みながら思いました。
筆者のスタイルとしては、年単位の長期にわたってひとつの会社とかかわるそうなので、まずは教室に集まってきた生徒たちに経営戦略構築のための基本的な知識(ポジショニング、外部環境、経営資源、シーズニーズ、製品の市場占有率や相対シェアからみたポートフォリオなど)を理解させるべく、マイケル・E・ポーターをはじめとする「重量級」の古典ビジネス書を詳細に読ませ、要約させ、自分の問題に落とし込むまで考えさせるんだそうです。
ただでさえ忙しい日常業務に加えて、こういう本を読むのは本当にしんどいことだろうなぁと思いながらページをめくっていると、今度はその理論を実践に移すべく、ここでは筆者が研修を行っている常石造船という会社の取組みについて記述しています。
若手の社長自身が研修に積極的であり、自らが率先して筆者の研修に参加するなど社を上げて取り組んでいることがわかります。
エピソードの中には鉄工業務一筋だった人間がポーターの『競争優位の戦略』(これまた重量級の古典)と首っ引きで格闘し、自らの手がけている仕事を大きく転換していく課程などが描かれ、継続的な研修の成果が業績に結び付いている様子を活写されておりました。こういったビジネス上の『ダイナミズム』というのは読んでいて本当に面白いです。
ここで記されているのは、従業員一人一人が徹底して考え抜き、『日ごろの自分の業務をいかにうまく回すか(HOW)』ではなく、『一段上からの目線で、どんなヴィジョンをもって組織を経営するか(WHAT)』に留意すべきという箇所や、固定観念にとらわれることなく、徹底的に足を使って顧客の意見を聞き、それを経営に生かしていくことが肝要ということが分かりやすく記されておりました。
もちろんこういう本を著すということは自分の研修ノウハウという『商品』を売り込むための宣伝活動とも言えなくはないのですが、そういったものを差し引いたとしても、純粋に読んでいて楽しかったです。
※追記
本書は2015年2月28日、新潮社より『経営学を「使える武器」にする (新潮文庫 た 115-1)』として文庫化、再販されました。
Posted by ブクログ
数多くの企業変革を手掛けてきたコンサルタントの実戦ノウハウ。机上の空論を徹底的に排除し、地に足がついた具体的かつ実践的経営改革の手法が実例と共に力強く語られている。
Posted by ブクログ
新しい理論・ビジネスモデルに飛びつくのはいいが、まずは古典的名著をきっちり押さえよという内容。
ポーターを中心に、ポジショニング戦略・VOC(Voice of Customer)の重要性が言及