感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
一人で静かに話にのめり込んでいたので、ある箇所でビクッとなってしまった。普通の生活のすぐそばに、少し不思議な世界があるかもしれない、という世界観の描き方がさすが。
でも最後のネタばらしの所は、こんなのあり?って拍子抜けした。
Posted by ブクログ
恩田作品で、
登場人物達が船だったり、夜行列車だったりでとりとめもなく会話するシーンが好きなのだが
(皆頭がいいので、思いもよらなかった考え方に触れられて面白い。)
今作は安楽椅子探偵ではなく、正に起こっている現場で、そういった会話がされている作品。
勿論一筋縄ではいかないのだが。
超常現象かと思いきや、ミステリー?となり、どんどんきな臭くなっていって。。。
満の存在が不思議だったけれど、メインがセリムだからこそ、だろうか。。。
だとしたら恵弥の頭脳が怖い。。
ラストが3人、なのはひょっとして満の存在、満との会話のおかげなのかな。。
一見、とっつきやすそう。
いかにも、な黒幕感が無かったので。
現在シリーズ化して3作あるそうなので嬉しい。
今回は満目線だったので、恵弥のキャラが掴みきれていないので。
以下のセリフ、ツイッターで営業さんが文句をオカマ口調で言いあうと社内円満、という書き込みを読んだ事があるが
恩田先生はいつも的確にピタリと書き表してくれるなぁ。。
日本人が論理的なのが苦手で
頭ごなしに叱るか、情に訴えるか、他の人もやってるよと言うしか他人を服従させる手段がない
論理、合理的がベストだとはしているけれど、心の底では憎んですらいる。
からの、恵弥氏の上司を説得するセリフが秀逸です。
自分もこんな風にうまく上司をせっつきたい。。。
Posted by ブクログ
遺跡。ロマンを感じます。今は廃墟となり朽ち行く壁際にそっと手を当てて、数百年前、いや数千年前にもそこに人が生を営んでいた。
…なんて考えるだけで少し興奮します。私は遺跡も古墳も行ったことははありませんが。
今回は遺跡を巡るミステリーを読んだ次第です。
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あらすじ
アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知りえたのか? めくるめく幻想と恐怖に包まれる長編ミステリー(裏表紙より)
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この謂わば「人喰い遺跡」をめぐり、西アジアの果ての人里離れた地域で大人4人がパーティーを組んで7日間を期限に謎を解きます。構成の内訳はおかま?の製薬会社社員の神原恵弥、その同級生時枝満、米国軍人スコット、そして現地コーディネーターのセリム。
どうやら神原恵弥というキャラクターのシリーズものらしいのですが、今回の実質的主人公は満。彼が安楽探偵として、当初提示された「遺跡の中には入らない」という制約を踏まえて謎に挑んでいくという筋です。
私は物語の展開をあまり読まない(読めない)タイプで、次々と起こる怪奇現象におどろき、最後の結論に驚き、なるほどねぇー、などと独り言ちつつ楽しみました。ただ、思ったより突飛な展開ではありません。
一つ特長を言えば、上記の4名がメインキャラでそれ以外殆ど主だった登場人物が出てきません。ですので、舞台で演じたら絵になるかもなあと感じました。
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恩田氏のイメージは青春なのですが、色々と渉猟してゆくとホラー系・ミステリ系も得意なのかもしれません。氏の『三月は深き紅の淵を』『Q&A』など謎解き系が好きな方は本作も楽しめるかと思います。
Posted by ブクログ
その場所に行き着くまでの狭い谷を抜けていく道程は、ペトラ遺跡に向かう「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」の場面をイメージしてしまいました。また、色もシチュエーションも違いますが、丘の上のその物は「2001年宇宙の旅」のモノリスをイメージしてしまいました。なかなかに魅力的な設定です。
アジアの西の果て、荒野の中にたった四人、これは冒険ものなのか、ミステリーものなのか、はてまたホラーなのかという雰囲気が漂う一方で場違いとも思える怪しさ満点の主人公・神原恵弥の登場。そんな謎に満ちた異世界の空間の中で食事風景だけがやたら活き活きとしてリアルなのがまた不思議な雰囲気を纏います。このなんだかよくわからないゴチャ混ぜ感が如何にも恩田さんの作品らしく感じ、一気に作品の世界に入っていけました。
ストーリーは、特に中盤を過ぎるあたりまでがとても興味深く感じました。また、後半に種明かしとなりますが、ここに一枚被せて余韻を残す終わり方に持っていくのもこれまた印象的でした。
神原恵弥はここから始まったんですね。
ところで、私的にこの作品で面白いと思ったのは普段あまり耳にしない次の三つの言葉の登場でした。恩田さんが作品を越えて好んで使われる言葉は他にもありますが、これらはあまり記憶にないです。
もんどりうって
まんじりともしない
頽れていく
思わず辞書で調べてしまいました。会話の内容やストーリーの平易さと比較しても、どうしてここでこんな難しい言葉を使ったのだろうと感じました。確かに謎めいた雰囲気が増して、動きのあるとても面白い表現ではあります。
いずれにしても全体としてテンポも良く、分量の割には小気味良くまとまっていて、それなりの納得感も得られる、なかなか面白い作品でした。