感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
実は1年前、【死刑にいたる病】の映画を観ていた。
穏やかに話す阿部サダヲが印象的で、話の内容も面白いなあと思った記憶がある。
そして今。
やっと原作である本作品を手に取り読んでみた。
ある意味《主人公》である榛村の容姿が映画と原作で異なっている(決して悪い意味では無い)以外は映画は原作に忠実で、映画の内容をより細やかに書いてあり分かりやすい。
櫛木理宇の作品を読むのはこれが初めてだったが、癖のない文に想像力を掻き立てる描写、魅力的なキャラクターに読む手が止まらずほぼノンストップで読み終えた。
その後出た感想は、ため息だった一つである。
それは読み終えた達成感か、或いは脱力感か、失踪感か。いや、やはり榛村に対する魅力に対する物だろう。
この本を読み終えた時点で
彼の行動を雅也と共に追った時点で
私たちは彼に魅了されていたのだ。
それはもう、どうしようもなく。
「きみの手を握れたらいいのにな」
そう彼に微笑まれたら、私はその手を握れないことを残念に思うだろう。そうして鎖に繋がれた彼の《犬》になるのだ。
これからこれを読むきみへ
気をつけた方がいい。
ページを開いたその瞬間から、
彼の手はきみの方へと伸びていくのだから。
Posted by ブクログ
結局全ては榛村の掌の上で転がされていたのか、、
ぐいぐい読み進められた。
誰も救われない話だし、自分まで榛村に洗脳される気分だった。
Posted by ブクログ
雅也のラストがハッピーエンドでよかった。
でも、実はそれもその後の雅也の人生を語る"フリ“で、結局雅也は…って続編を期待しちゃったりする。
って彼に影響されてちゃった?(笑)
Posted by ブクログ
連続猟奇殺人で死刑になるであろう容疑者をめぐるミステリー。
この容疑者・榛村が根っからの人たらしで、本人もそれを自覚しているため、恐ろしい事件が次々と起こった過去が明らかになり、戦慄します。
榛村のような人の心に入り込むんで支配するのがうまい人、実際にいるよな…と思います。
そう思って、自分は雅也側の人間なんだろうな…と思い、ゾッとしました。
これからも、榛村のような人に出会わないことを祈ります。
雅也は榛村の手から逃れたように思われましたが、エピローグの記述からまだ悪夢は続きそうなことがありありと伝わり、ただただ震え上がるばかりです…。
映画化の情報を見聞きして興味を持った作品ですが、こんな猟奇的な展開、エログロが苦手なのでとても見られやしない…!と思いました。
どこまで原作に忠実に実写化したのかは、ほんの少し気になりますが…。
Posted by ブクログ
こちら改題されたのが『死刑に至る病』
獄中から人を操るとゆー映画で観たことあるよーなストーリー。
うん。確かにサイコパス って魅力的だったり引き込まれる人が多かったりするみたいだよね。
エピローグの先が読みたいねー
Posted by ブクログ
「死刑に至る病」に改題された本。
確かに、改題タイトルのほうが本書のテーマに近い・伝わるな、と思いながら読んだ。
物語の冒頭、雅也と榛原が対話を始めたあたりから、ずっと、この依頼は、どうして雅也に送られたのか、そして、雅也は何人目(初めて)なのか? が疑問だった。どうして、それを質問しないんだろう、と。
終盤近くになって、ああ、だからなのかな(父親だから)と思わされるが、最後には、また転回があり、この依頼が一人だけではなく、多数にバラまかれていると明かされて、やはり…と納得する。
いずれにせよ、細かな事件の検証・証言がリアルで、一気に読んでいる途中で、これは現実にあった事件だったっけ? と思わされた。
昨今、子どもが殺されたり、無差別殺人だったり、自殺願望のある事件などが多く発生して、その多くが理由が明確でなかったり、ひきこもり・家庭の事情だったりして、現実味があるからかもしれない。
現実世界では、その理由が知りたい。可能であれば、その発生を止めたい。事件・殺傷が起こらないようにうするためには、どうすれば良いのか。考えながら読んだ。
榛原は不運が連鎖していたのかもしれない。きっかけがあれば抜け出せたのかもしれない。
いや、本当にそうか?
答えは、出ないけれど。