【感想・ネタバレ】オーダーメイド殺人クラブのレビュー

あらすじ

クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は――。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。

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Posted by ブクログ

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自分の状況と一致するところがあり感情移入せずにはいられなかった(訳あって成人してから学生を始め、厨二病もぶり返してきた気がする)
「終わらせられなかった2人」はそれぞれ 勉強と美術を拠り所とし「余生」を生き始め 離れる期間があったからこそ また関係が生まれる未来があるように思う、大槻ケンヂ氏の解説にもあるように多幸感があるエンディング、とても好きでした

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった
思春期の心情や人間関係がよく描けていて、自分の中学時代と何度も重ねた
大人になってから思い返すと厨二病だなあとか思えるかもしれないけど、中学生の頃はその人なりに本気なんだと思った
解説が自分では考えつかない意見で興味深かった

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

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おもしろかった。結末どうなるんだ?の期待でどんどん読み進めて、おー、なるほどと。おもしろさで熱中できた、星4かなって思ってたら、最終盤であ、これは星5だ...となった。
解説の中にあった、
「金の魚の鱗のように光る川面のごとく、輝きに包まれる時」を、味わえた読書体験に、とても満足している。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イタイなぁ…最後まで読めるかな…と思いながら読み進め、気付けばお願いお願いと祈るようにページをめくり、絶望し、最後の展開に天を仰ぎ、そして2人のこれからを応援したくなるエピローグ。読後感に浸りました。
起承転結のお手本の様な小説。
とても好きです。

ネル、死体をバラバラにはしたんだろうけど、殺してないんじゃないかな…首輪見て、罪悪感から河瀬が嫌いって言ったところもあったんじゃないかな。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良かった!!
いい大人で中学時代なんて遠い昔だけど、こんなことあったなぁと懐かしみながら読み進められた。アンがいじめられてる描写は読んでて辛かったけど、読む手を止めるほどではなかった。
徳川が「ロッカー」と一言言うシーン、印象に残ってる。
近づいたり離れたりするアンと徳川がどんな結末を迎えるのか、気になって最後は徹夜して一気に読んでしまった。

もがいて足掻いて、大人から見たらそんなことと思うようなことにも真剣に悩んだアン。最後は友達に徳川と交流があることを隠すことなく踏み切ったアン。
この結末だからかもしれないけど、自分の世界で手一杯なアンと徳川がとても愛おしく、この先の未来が明るいものであるようにと願ってしまう。
自分の子どもはまだ幼いけど、危険を犯さない、危険に晒されないのは大前提に、このアンバランスな思春期を大いに悩んで乗り越えていって欲しいなんてことも考えた。

秋葉原の写真スタジオのシーン
首を絞められているところなのに、なんだか身体が文字の海をふわふわとたゆたっているような不思議な心地だった。えぐくなり過ぎない描写だったのと、単純に自分が眠かったからなのか…写真を撮っている時、徳川はどんな気持ちだったんだろう。


以下は恋愛脳の自分の感想
アンの絵をノートに何枚も書いてたところ、感動しちゃった。賞を取った絵のモチーフにもなってるし、アンのことめちゃくちゃ好きじゃん…!
第三者(えっちゃん)から間接的に聞かされる好意っていいよね…
河原で会う前からアンのことを好きだった徳川、そのことを念頭に置いてまた読み返してみたい。
あと難しいだろうけど徳川視点の話も読んでみたいと思った。

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここまで全力で中二病に突っ走る人は滅多にいないだろうし、登場人物の中でもアンは特別。
それっぽく見える徳川もアンが好きだから合わせていただけと感じる部分もあり……
本題の中二病もだけれど、そんな状態からあっさり卒業する切替の早さもすごくて名前の由来になった赤毛のアンとどこか似てる。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

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辻村先生の小説は『かがみの孤城』しか読んだことがなく、読後感悪そうなものも書くんだ、と思いつつ読み進めたら、紛れもなく同じ作者だ、腑に落ちた。それが嫌だったという話ではなく、読後感に心が満たされるのはこの方ならではなのだろうな、と感動した。こんなに幸せな気持ちで読み終われるとは思わなかった。『時間』が果たされないにしても、きっとモヤモヤしたものが残されるだろうと思っていたのに、心が洗われるような心持ちで、衝動のままに感想を書いている。しばらくは余韻に浸っていたい。

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2025年08月01日

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ネタバレ

タイトルから受ける印象はあまり良くなかったけど、読後感はとてもよかった。

ラノベ感あふれるタイトルとは違い、スクールカーストの嫌な感じが、密度高く塗り付けられる。

一線を越えそうで、越えなくて、やっぱり越えたところもあった感じがいい。
変にあっさり越えたり、一貫して越えなかったりすると、実際にはリアルでも逆に嘘くさく感じると思うから。

しかし徳川は、本当に猫を殺したんだろうか。
そうだとしたら、アンはどう気持ちを処理できたのか、腑に落ちない。

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2025年07月30日

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最近は大人の世界でもいじめは問題になっているが、中高生の狭い世界においてはすべてを支配する重大な問題。しかも「何故?」と首を傾げるようなたわいの無いことが原因ということがよくある。大人になった今の自分からみたらくだらないですませられるが、それができないのが学校だけにしか存在意義を見いだせない感受性豊かなティーンエイジャーだ。
この小説でもそんな姿が如実に表現されていて、委託殺人という極端な方法へと突き進む。さらに大学進学で東京へ行く、大人に片足を突っ込み始めた主人公達は新たな生き方に気づき始める。
大変面白い小説でした。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

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家族、友人関係、教師、どこに行っても息苦しく、それが永遠に続くような絶望感のなかで、死や切断遺体に魅かれ、そこにしか出口を見いだせなくなってしまう。
自分にとって中学時代は遠い昔のことだけれど、この作品を読んで息苦しさを生々しく思い出した。
この2人が目的を遂げる結末には多分ならないのだろうと思いながら(願いながら)読んでいたが、約束の日の顛末と、それに続くラストの、新しい世界に旅立つ2人の描写に引き込まれ、目の奥がツーンとしてしまった。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

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自分の中学時代を目の前に突き付けられているようでした。アンみたいな上位グループにはいなかったけれど、いつ友達から外されるか分からない危うさの中で生きる苦しみは今でも分かります。
アンと一緒に重苦しい幕をかき分けて進んでいってるみたいな気がして、実行する日が決まった時はちょっと安心しました。
徳川はどう選択する??と思っていたら、まさかの展開。
実は最初から死んじゃってた、を期待してましたが本当にそうだったのか。
最後の明るい兆しが納得いかなかったです。
徳川がやったことは市川雄太と同じですよね。そこがもう許せない。
辻村作品の中では『ぼくのメジャースプーン』がベスト3に入るので、この作品は相反する位置にある気がして好きじゃないです。

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2025年03月03日

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