あらすじ
先制医療、iPS細胞、ロボット治療、新しいがん治療、創薬、脳研究など最先端の医学、そしてチーム医療、緩和ケア、地域の医療、災害医療、医療と情報、死生学など第一線での医療。医学は常に人間とともにあり、人間のための学問である。医学会の研究・実践を結集。高齢社会を幸せに生き抜くために必要なことは何かを考える。
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Posted by ブクログ
失くしてしまったが、買い直したい一冊。当時の医療問題や可能性をオムニバス形式で、各領域のトップリーダーが分かりやすく書いてある。医療に興味がある人もない人も読んでみてほしい新書。
Posted by ブクログ
2015年に開催される第29回日本医学会総会(4年毎開催)を記念して、医学の各領域の最先端の研究・技術と、医療の現場の最前線での取り組みについて、11人の各分野の第一人者が語ったものをまとめて出版された。
医学については、山中伸弥iPS細胞研究所長が、iPS細胞を使った再生医療と創薬について語っているほか、抗がん剤に代る治療薬(ALK阻害薬等)の研究、身につけることで人の身体機能を改善・補助・拡張するサイボーグ型ロボットHALの開発、脳の発達に関わる幼児教育の研究、慢性の非感染性疾患に対する先制医療、基礎医学を創薬や治療などの臨床医学に生かすトランスレーション医学が取り上げられている。
中でも、山中教授のノーベル賞受賞後、脚光を浴びるiPS細胞研究の影に隠れている感はあるものの、がん治療法の研究・開発が大幅に進んでいる点は注目される。それは、がん細胞の増殖にかかわる特定の分子をターゲットにして、その機能を抑える「分子標的治療」と言われる方法で、これまで慢性骨髄性白血病などの血液がんのみに有効なアプローチと言われていたものが、一部の腫瘍型がんも類似の原因により発生することが明らかになり、がん治療が飛躍的に進歩すると期待されているという。
また、医療については、日野原重明聖路加国際病院名誉院長が、チーム医療における看護師に求められる新しい役割について語っているほか、医療情報のIT化、ホスピス・緩和ケアの在り方、東日本大震災被災地の医療、胃ろう栄養法と死生観の問題が取り上げられている。
医学・医療に関わる最新のトピックスがカバーされており、専門外の人間がそれらのエッセンスを網羅的に知るための良書である。
(2015年3月了)
Posted by ブクログ
現代医学に関わる先端の方々から聞き語りでトレンドを纏めたといった本。
やっている分野の説明+自分が何故それを行っているか+その分野が今後の医療にどのように必要であるか、と言うことをコンパクトに纏めてい る。さすが、名のある方々、である。
印象に残ったのはIPS細胞が、むしろ医薬方面で期待されていること。
被災地でのボランティア医療自体が、医療の研修として充実していること。
胃ろうの問題。そもそも、胃ろうって何なんだろうと思っていたから、より一層分からなくなった。
チーム医療を掲げているけれども、それは制度が変わらない限り厳しいだろうなぁとか。
こういうのが毎年出ると面白いのにね。
雑誌で、図示とかされていると、医療トレンドに敏感な大人たちの人目……惹かないか。