【感想・ネタバレ】ホテルローヤルのレビュー

あらすじ

【第149回直木賞受賞作】北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く――。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昂揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読後、がんばらなきゃなぁとしんみり思った。普通の時系列だったらやるせなさの方が大きいのだろう。どちらかと言うと物悲しいホテルの歩みだが、おめでたい空気で読み終えられた。

作中もっとも好きだった教師と女子高生が、ホテルで心中した2人だと気づいたときの悲しさよ。2人のその後がもう描かれないと悟らされたのは、本作の時系列が生んだ残酷さである。どうか釧路行きを選ばないでいてくれ。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラブホテルが題材になっている短編小説。どの話にも繋がりがあって、読んでいくうちにその繋がりが見えて面白い。同じラブホテルを舞台にしているのに、その時代によって全く違った印象になっている。1つのところを舞台にしているけれど、物語は人の数だけあるんだなと思った。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シャッターチャンス
加賀屋美幸
短大を卒業してから十三年「スーパー・フレッシュマートしんとみ」の事務を執っている。貴史にヌード写真を撮らせて欲しいと頼まれ、断れず撮影に備えてダイエットしている。

木内貴史
「フレッシュマートしんとみ」の正社員。宅配運転手。美幸の中学の同級生。地元パルプ会社のアイスホッケー選手だったが、二十八で右膝靱帯を損傷して引退した。


本日開店
設楽幹子
「歓楽寺」の大黒。結婚前は看護助手をしていた。
中学卒業まで養護施設で育ち、その頃施設に来ていた初代住職と出会う。

佐野敏夫
幹子の夫が二代目住職を務める「歓楽寺」の檀家のひとり。父親の興した水産会社を五十歳で受け継いだ。

設楽西教
「歓楽寺」の二代目住職。幹子とは二十歳が離れている。

青山文治
青山建設社長。歓楽寺の檀家。幹子にホテルローヤル社長の死に際を語り、遺骨を預ける。

田中大吉
ホテルローヤルの社長。


えっち屋
田中雅代
二十九歳。ホテルローヤルの二代目社長。高校の卒業式翌日に母が駆け落ちしたため、家業を手伝うことになった。ホテルで心中事件があってから閑古鳥が鳴いており、廃業を決める。

田中大吉
それまでの家族と仕事を捨てて、身ごもった愛人とラブホテルを始めた。

宮川
十勝のアダルト玩具販売会社・豪島商会の営業。三十九歳。


バブルバス
本間恵
専業主婦。狭いアパートで子ども2人と舅の世話に明け暮れている。そろそろパートに出たいと考えている。

本間真一
恵の夫。大手家電量販店・イマダ電機のフロア主任。店舗の売り上げが悪く、左遷されそうになっている。

本間太一
恵と真一の長男。


せんせぇ
野島広之
木古内の高校の数学教師。自宅は札幌で単身赴任。妻の里沙とは上司である校長に紹介され結婚した。

野島里沙
広之の妻。高校時代の担任と二十年にわたり関係を続けている。

佐倉まりあ
野島が担任する二年A組の生徒。両親は駅前で「チェリー」という喫茶店を経営していた。父が弟の借金を被り、母親は弟と出ていき、父親も出ていった。


星を見ていた
山田ミコ
ホテルローヤルの清掃婦。六十歳。生活のため、遅くまで働いている。子どもは三人いるが、みな中学を卒業してすぐに家を出た。

和歌子
ホテルローヤルの清掃婦。ミコをこの仕事に誘った。四十八歳。仕事は午後4時まで。

山田正太郎
ミコの夫。六十歳。漁師をしていたが、漁船員同士の喧嘩が元で、右脚の腱を痛めて船をお下りた。ここ十年はどこへも働きに出ていない。

田中るり子
ホテルローヤルの女将。大吉の後妻。ホテルに飲み物の補給にやって来るK珈琲の若い配達員と不倫している。

山田次郎
ミコの次男。二十二歳。中学卒業後家を出て、左官職人に弟子入りし自力で夜間高校を卒業したとミコに伝えていた。


ギフト
田中大吉
塗装業。四十二歳。同い年の女房、小学六年生になる息子がいる、るり子と不倫している。ラブホテルを経営したいと思っており、後にホテルローヤルを創業する。

るり子
中学卒業後、住み込みで団子屋で働いている。大吉のことを「おとうちゃん」と呼んでいる。

大吉の義父
娘が公務員との見合いを蹴って中卒の看板職人を選んだことを気に入らない。

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2025年02月27日

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