【感想・ネタバレ】拝み屋怪談 逆さ稲荷のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年08月25日

ただの実話怪談集で終わらない!
私が怖がるドンピシャなシリーズなんだよなぁ…(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)‎‎

拝み屋シリーズ第3弾!!



前巻『拝み屋怪談 花嫁の家』ですっかり拝み屋シリーズにハマってしまった…。
めちゃクソ怖かった……。(-_-;)

今回も、1巻の『拝み屋怪談 怪談始末』と同じよう...続きを読むな形式で、郷内さんの体験談や相談者さん達の実話怪談がたくさん載っています。

中でも印象深かった作品をいくつか挙げます。


【やぶ寿し】

小学2年生の双子の兄妹が夏休みに広大な雑木林へ。
そこは親に絶対入るなと止められている場所だった。
昆虫採集に夢中になり、兄弟はどんどん奥まで足を踏み入れる。
道に迷って彷徨っていると「えいらっしゃい!」と威勢のいい男の声が。
そこには『やぶ寿し』と書かれた看板が掛けられていた——。

これ嫌だ〜(;´Д`)
こんな体験したくない〜!
入っちゃダメって言われている場所は危険!


【離魂病】

夫婦が居間でくつろいでいると、風呂場から高校生のひとり娘の悲鳴が。
気付くと丸裸のまま娘が居間へ駆け込んできた。
「風呂にあたしがいる!あたしがいるのよ!」と叫ぶ娘。
話をよく聞くと、シャワーで頭を洗い終わり浴槽に戻ろうとしたら、もうひとりの自分が湯船に浸かってこっちをみてニィーッと笑ったと言う—。

ドッペルゲンガーの話の中で、これが1番怖い……。
お風呂で髪洗って目瞑っている時が1番怖いですよね(;´Д`)


【幽霊神輿】

男が茶の間のこたつに入ってうたた寝をしていると、突如仏間の襖がばーん!と蹴り倒され、白装束に三角頭巾を頭にまいた男女が十数人、どっとなだれこんできた。
次に気付くとそこは——。

こえぇ!!
こんなん急に現れてこんな仕打ちされるなんて……。
おちおちうたた寝もできん(༎ຶ⌑༎ຶ)



【同じものを見ている】

著者が体験した怪談話。
家族に話すと、父も弟も妹も…。
著者の家に纏わる因縁が続く。

やばい。
これ以降の短編、全部怖い…((((;゜Д゜)))

郷内さんが拝み屋になるきっかけとなったお話です。
こんなに色々な体験をしていたら、拝み屋になろうというのも納得する…。

郷内さんの小説の良い点は、怪異を根拠もなく全面的に肯定するだけではない所。
自分の幻覚だと思っていて、最初は否定していたという所。
徐々に否定するだけでは説明がつかなくなる現象にぶち当たる事もあるのですが(-_-;)
最初から全肯定されると、自分としては引きますからね…(^▽^;)


この『逆さ稲荷』を読んで再度気付いたのですが、実話怪談にたまに出てくる怖い体験の中に、
「自分の近くで複数の人がコソコソと小声で会話している描写」
があります。

これ、私学生時代によくありました。
眠りに入る(醒める)狭間、私の頭の周囲で何人かの人が会話している…。
たまに笑ったり、ほんと普通の会話なんだけど、不思議と内容は頭に入ってこない。
で、ザワザワ〜ってなって目が覚めたり。

これって、私が霊現象を体験しているのか、はたまた、誰もがする体験で、怪談に寄せていた方が霊現象だと勘違いしているのか……( ≖ᴗ≖​)
謎は深まるばかり。

続けてシリーズ第4弾
『拝み屋怪談 禁忌を書く』読みますヽ(´▽`)ノ

0

Posted by ブクログ 2022年07月12日

短編ですが、後半は郷内先生が拝み屋になったお話。
タイトルの逆さ稲荷…そういう事だったのですね。クスッと笑えるお話でした。
他はやっぱり気味が悪かったです。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年09月22日

郷里の地で拝み屋を営む私は昔から奇妙な物が見える質の人間だった。普通の人には見えない彼らは、様々な姿で私の眼前に現れる。時々怖い目に合うこともあったが、うまくやっていけていた。あの日、あの夜、あの恐ろしい夢を見るまでは。




長い間本棚で積読の憂き目にあっていた一冊。どの巻のコミカライズかはわか...続きを読むらないが、漫画でちらりと読み、面白そうだったのでシリーズの三冊ほどを購入し今更読み始めてみた。この話は一番初めだからなのか、あまり作者の生業である「拝み屋」の仔細は分からず。多くは、作者が幼少期から現代にいたるまでに体験した、あるいは人から聞いた、家族が実際に体験した怪談話だった。しかし、そのどれもが読んでみて不可思議で、どこか懐かしく、ふと自分の子どものころを懐かしむような気分にしてくれる話ばかりだった。もちろん、怖い話もたくさんあったが、作者がそれが怖いもの、幽霊であると解釈しておらず、何でもないことのようにさらっと書かれているので恐怖度はやや薄かった。中盤ぐらいでちょっと物足りなさを感じたというのが正直なところだった。しかし、作者とそして弟が雪の降りしきる巨大な屋敷の悪夢を見たあたりから不穏な気配が漂い始める。その前からじわじわと来てはいたのだが、決定打となったのはその話だった。この話以降、加速度的に不気味で実害を伴う話が増え、作者とその家族を苦しめ始める。その辺りから、もうとにかく先が気になって仕方がなかった。そして、最終的に何が災厄をもたらしていたのかというのを知ったとき、はっとし、ああ、やはり読んでいて時々感じる違和感は間違いじゃなかったのだと思い知った。感じていた違和感の裏打ちをされた瞬間に鳥肌が立った。気味が悪い、何の目的で、そんなことをしたんだと作者の想いと同調し落ち着かない気持ちになってしまい、何度も本を開いては数行読んで、閉じて、開いて、数行読んでを繰り返した。読み終わった後、この本すごい!!すごい面白い!と興奮し、残された謎が知りたくてすぐさま次の本を読み始めてしまった。

0

Posted by ブクログ 2015年11月01日

拝み屋である作者自身の体験を語るという実話(風?)怪談第三弾。今回は主人公の子供時代から拝み屋となるまでの体験談を中心に構成。どことなく懐かしい雰囲気のほのぼの路線の怪談多めでいくのかと思ってら、最後は怒涛の展開で背筋凍った。
一個一個の怪談が質が高い上に、全体構造も工夫されており、後半でいくつもの...続きを読む怪談が繋がってきて新しいことが見えてくるのはぞくぞくする。情報の出し方が本当にうまい。
今回は子供時代からの作者の見えるものに対する捉え方の変遷が書いてあるのが面白かった。だれでも変なものを見ていたのかもしれない、そしてこれから見ることがあるのかもしれないと思うと怖いですね。

0

Posted by ブクログ 2015年07月12日

 拝み屋を営む著者が、物心ついてから拝み屋稼業を始めるまでに体験した様々な怪奇譚を、家族や友人知人などから頂いた話も交えて著した怪談集。
 過去作と同じような構成かと思いながら読んでいくと、終盤で意外な展開が待ち受けていて「えーっ!?」と目を丸くしてしまった。伏線らしきものもあり、確かに幽かに違和感...続きを読むは感じていたが、それでもまさかの展開で、怪談というよりも『シックス・センス』のようなサスペンスホラーを読んでいるようだった。

 興味深かったのは、拝み屋を始める前の著者が、テレビや本によってステレオタイプな幽霊像・妖怪像を刷り込まれたことで、直に目撃した幽霊や妖怪をそうと捉えなかったことだ。成長してからも幻覚や錯覚と判断して安心しようと努めていた。
 別の本のレビューでも書いたが、実は誰もが多かれ少なかれ似たような体験をしているのかもしれない。だが「足がない」「半透明」など、テレビや本によって刷り込まれた幽霊像・妖怪像と大きくかけ離れているから、逆にそれを怪異と認識できなかった可能性がある。または目の錯覚や思い込みと判断して記憶の棚の奥に放り込んだかもしれない。
 一度脳内の倉庫に眠ったままになっている記憶を棚卸ししてみてください。「厭なもの」「見てはいけないモノ」「変な人」「怖い人」といった、ちょっとした非日常な思い出があったら、今の視点から見つめ直してみてはいかがでしょうか。「アレは本当にこの世のモノだったのだろうか」、と……。

0

Posted by ブクログ 2023年05月31日

本当に怖がりなんですが、怪談話って面白い。
拝み屋になる経緯面白かったです。この作者の伏線が僕には丁度ツボ。

0

Posted by ブクログ 2022年02月20日

かなり短い怪談が沢山収録されてる。
筆者が体験した話や人から聞いた体験談などなど。
途中出てくるモノがキーになっていてラストでは怒涛の勢いで収束していく。

読んでいて何回か気分が悪くなった。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年09月22日

夏の暑さが終わり秋の涼しさを感じる季節に読みました。なんとも良いタイミングで、風の涼しさや、季節の変わり目に敏感になる感度が、物語に没頭させてくれました。

本書は、一つ一つのエピソードは短編になっているのですが、著者の幼い頃から拝み屋になろうと決心するまで年を追って書かれているため、続けて読むと1...続きを読む人の青年の物語になっている。

ホラー小説としても、私の求めていた世界観だった。
子供の頃のあやふやだけどずっと覚えている不可思議な体験、ただ怖くて泣いた思い出、山などの自然が身近で、読んでいると土から立ち昇る湿気が感じられるような、身近なようで遠い世界。ホラー小説というより、怪異譚、でも良いけどもしれない。

印象に残った情景
初めて恐ろしいものを見た幼い頃の著者が曽祖母に大泣きする。曽祖母は吐き捨てるように「なんとも勘の鋭い子だ」とつぶやいた。 初めから始まりまで

コンビニのアルバイトに転職し、そこで出会った女性に心を開いたころ、2人で異形のものを見る。
自分が見るものは幻覚だと自身を追い詰めていた著者だったが、彼女も同じものを見たことを知り、彼女はお化けだと言った。怖いものは素直に怖いと思えば良いと、著者の心が軽くなった話。 おばけなんかないさ

今までの話に出てくる曽祖母というのは、どの人なんだ? ぞっとするシーン。ここで、著者の幼少期に曽祖母がお前は何を拝んでいるのかわかっているのかと曽祖母が言っていたことを思い出す。 暴かれた影

姓も変わり、名も変わり、進む道も大きく変わった。まるで生きながらの転生だな。 この後、著者はもう今までのようには戻れない、もう普通には暮らせない。と書いているが、著者がはっきりと意思を決めた印象的なシーンで、心が澄み渡っていくような静謐な雰囲気を感じた。 虚しき流れ

0

Posted by ブクログ 2020年06月14日

 拝み屋になるまでの話を主としている。
 なりたくてなるものでも無いのか……ということと、沖縄のユタが、ユタになるための試練のカミダーリを思い出す。才があるだけではなくて、何かを乗り越えないと成れないのかもしれない。

0

Posted by ブクログ 2018年10月21日

郷内さんが拝み屋になるきっかけの事件を書いた「逆さ稲荷」。
合間合間に拝み屋として、経験・収集した怪談が挟まれています。箸休め。
その中では、狸に化かされる話が好きですね。やりこめるオチが民話のようで。

曾祖母の霊が起こした怪異の数々。幻視で経験した惨劇。
郷内さんの先祖の行状と思われていたことが...続きを読む、そうではなかったというのであれば、なぜその怪異が起こることになってしまったのか、なんだよなぁ。
先祖の悪行の報いを受けている、という祟りではないらしい。

因果は解明できないまま、怪異が起きなくなり日常が戻ってきた。そして、自分と向き合うために、拝み屋を始めることにした。
雑にまとめると、そういうことか。

0

Posted by ブクログ 2017年09月13日

 作者は本当に拝み屋をしているのだろうかそれともそれ自体が作り話か、この本の中で判断が付きかねぬ。

 いや本当だった。

0

Posted by ブクログ 2016年02月22日

先に、同著者の名作と名高い『花嫁の家』を読んでしまっていたので、どこか小品ぽい印象のあるこの作品は、もともとたいした期待はせずに読み始めた。悪い意味ではないが、まぁよくある『百物語』系の、日常的な感じが怖面白い短編集だろうな、と考えていたのだ。そして、まぁ、基本的にはその通りに物語は進んだ。ハナから...続きを読むそうだと思っていたのでガッカリはしないし、そういうレベルの怖さを想定していたので安心して読み進められる。…が、ところどころで、妙だな、と思う点はあった。そういう書き方をするだろうか、こういう設定のなかで、というような、変に不穏な感覚というか、そこまで思いっきり変な印象は受けないものの、なんだかしっくりこない、そんな妙な読後感だった。

結論から言うと、その妙な感じ、は、やはり、ある種の伏線だった。どこかほんわかした百物語に混ざって、したたかに凶悪に、その正体を現す時を狙っていたのだ。(そして、それはたぶん、実際の著者の経験の中においてもそうだったのだろう。)後半、ある瞬間を境に、すべての点が線になって、そしてそれはとてつもなく恐ろしい線で、「えぇー!?」と思わず叫んでしまった。鳥肌が一気に立つ。ページをめくって読み返す。

『花嫁の家』よりは穏やかな、のんきな話だろうと思って先入観で読み始めてしまった私が馬鹿だった。あんな作品を書ける人が、そんな平和な作品を出していたわけがないのだ。(でも、内容やレビューを読んでから手に取ったのではなくて本当に良かった。ネタバレしちゃってから読んでいたら、おそらくこんなに感動していないはず。)良い意味で私の最初の期待を裏切ってくれた。きちんとエンターテイメントだし、構成も工夫されているし、内容がどこまで創作なのかは別として、上質の怪談に仕上がっている。

0

Posted by ブクログ 2023年07月29日

"実話"だからやはりハッキリとした落ちやどんでん返しはないのか~と読み進めていたら……。楽しませていただきました。

0

Posted by ブクログ 2023年03月02日

郷内さんが過去に出会った異形のものと、聞いた怖い話のまとめ。昔おばあちゃんが話してくれた怖い話にも似たような雰囲気があった。
異世界が存在する気がしてくる。目の前の世界以外が存在すると考えると、頭で理解できる範囲がすごく狭く感じられる。
どこまでが本当で、どこからがフィクションなんだろう。全部本当の...続きを読むことに思える。
郷内妖怪図鑑はいろんなお化けのことが書かれてあって、読んだ夜、夢の中にも出てきそうだった。
印象に残ったお化け、三色のニットを着た蛇女。それと、おじさんお化けがけっこう出現率高め笑
読み終わったばかりなのに、もう次の郷内作品を読みたくなってきた。

0

Posted by ブクログ 2020年07月25日

ラストヘ向かうにつれて怖さがジワジワと増してくる。
曽祖母、超怖い。一体何なのだろう。

拝み屋になるきっかけが語られている。

0

Posted by ブクログ 2018年09月15日

ノンフィクションかフィクションか分からず読み進める。ホラーというより、どこかほのぼのとした、子供の頃には誰もが感じてた感覚を描いた小品が多く懐かしく読んでいた。

後半は一転して筆者が拝み屋となった経緯が描かれているが、イマイチ、パンチにも説得力にも欠けており残念であった。ただ、またまだ続いていく感...続きを読むじなので期待したい。

0

「小説」ランキング