あらすじ
「ぼくの失敗を踏み台にしてください」――田口壮。結果が出ているのにマイナー落ち。調子がいいのに使ってもらえない。そんな残酷な経験を通して田口壮が行き着いた逆転の発想。「脇を締めて歯をくいしばり、ときには己を捨て、何よりもチームの勝利をめざす、曖昧だけれど重要な力」。自分は主役ではない。でも「使いやすい」選手になれれば、欠かせない戦力として信頼は得られる。絶望を前にしても「まぁ、しゃあない」のひと言で、不満や悔しさに押しつぶされた心がすうっと軽くなる。メジャーリーガーとして八年間、苦悩したからこそ語れるプロの生き方、気持ちのキリカエ方。
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Posted by ブクログ
田口さん夫妻は、「こんなはずじゃなかった」と言わないことを確認してメジャーに渡米したそうです。そして通訳も付けなかった。奥さんがラジオを聞いてたら、氏がインタビュアーの英語を何一つ聞き取れず「へへへ…」という虚しい笑い声だけが聞こえてきたとか。
本当に笑っちゃうような逸話ばかりですが、夫婦ともども大変な苦労をされたはずなんです。だけど当時から田口壮という人は、失敗談をおいしい話と思ってブログに書いちゃうんです。関西人だから。自分が日本のファンに心配されてることが分かってるから。氏が心配させまいとして書いてることは、ファンなら暗黙の内に分かっていました。
私はそんなファンの一人でした。メジャーとマイナーを上がったり下がったりしながら、ニュースで殆どやらない。同期のイチローが写真付きで5打数2安打と載ってるのに、「田口壮はマイナーで3打数1安打だった」としか載らない。
日記職人なんて揶揄されましたが、そんな氏も現役晩年は優勝請負人と言われて、応援してきた私が自分のことのように嬉しかったのを覚えています。
悩み抜いた末「まぁ、しゃあない」という考え方に行き着いたこと。うだつが上がらない時マイナーで同僚に、どこにいても野球ができると言ってもらえたこと。
仰木監督に無茶苦茶に打順を変えられて辛かった。意を決してその時のことを聞いて、仰木監督が仰ったこと。
チームのスター選手・プホルスが、監督に田口壮について掛け合ってくれたこと。
引退を電話でイチローに告げた後、彼がメディアで言ってくれたこと、など…。
奥さんの「メジャーリーガーの女房」や「ほぼ日」と併せて読むと、なお面白い。
Posted by ブクログ
田口壮選手が自らの経験を綴っており、日本・そしてメジャーリーグでの生活や違いなどを多く描いています。色んなチームの役柄を経験し、辿りついた脇役力という考え非常に参考になります。
Posted by ブクログ
「自分のポジション」。
この本を読んでこの言葉が強く印象に残りました。
野球が9人でいいなら、ベンチ入り選手なんか
必要なかったはず。なぜ他に首脳陣やベンチ入りの選手も
試合の場に一緒にいるのか。
そこに意味を見出せると、強いんだろうなと思いました。
カージナルスのラルーサ監督と田口選手のコミュニケーション。
大事にする優先順位が同じだと国籍に関係なくとれる
阿吽の呼吸。
私はあまり明るいほうでもないのに目立とうとするくせがある
ので、自分のポジションを見つめなおすきっかけになればいいな
と思っています。(だけどちゃんと尊重されたいというのは
事実。やっぱり主役になりたいという気持ちも持っています。)
Posted by ブクログ
【概要】
オリックス、メジャーリーグを経験した田口さんの著書。
同期イチローと比較しても明確な「脇役」のプロが、腐らない脇役、プロとしての脇役について語ります。
「○○力」というタイトルは、まだ流行っているのでしょうか。
【活かせる点】
・孤立感のカーテン(上手く行かない→視界にマイナスのカーテン→孤立感→上手く行かない…)
・「脇役力」はチームが勝たなければまったく機能しない(自分では脇役力を発揮したと思ってもチームの結果に結び付かないと意味がない)
・個人的な不平不満よりもその先にあるチームの勝利を優先して考える態度=使いやすい
・とことん悩んだ結果の「まぁ、しゃあない」
・脇役でも、頑固に自分のやり方を貫き結果を残せたら可能性は広がる
・最悪の環境とは、周囲にだれひとりとして自分の支えになってくれる人がいない状況
・真ん中の人が光るのは当然、橋っこの人が全身全霊を捧げている方が完成度が高い
・真ん中で光る誰かを支える己の存在価値を認めて誉めてあげたらいいよ
(あっき)
Posted by ブクログ
田口壮氏の半生(主にメジャーリーグ時代)を「脇役力」という考えについて綴った本。
日本ではスタープレイヤーで、メジャーでも活躍した田口氏が「脇役力」とは意外であった。
同じ関西人であり、野球人として非常に読みやすい内容であった。特にメジャーリーグの裏話?を知ることができたのは楽しいところ。
自分自身を理解する、配役を演じる、向上心を持ち続けるということがキーワードであったように思う。
Posted by ブクログ
自分はもともと合併でチームがなくなるまでは
かなりの阪急ブレーブス→オリクッスブルウェーブのファンでした。
そんな青春時代に本当に応援をしてきた田口選手が引退したので
改めてよんでみました。
人柄の良さがでていますね。
この人柄のよさがオリックスの時は邪魔をして
歯がゆいこともあったりしましたが、メジャーでの素晴らしい
活躍につながっていったのだと思います。
ラルーサ監督とのエピソードを見る限り
本当にいい指導者になりそうだなと感じました
第二の人生も応援しています。
Posted by ブクログ
版元が版元なので、仕方ないけどビジネス応用の部分はなくてもよかったかな。野球とベースボールを体験した素晴らしい選手が得たことをわかりやすく、そして面白くよませてもらいました。いい本でした。
Posted by ブクログ
決してスーパースターではないが、
チームに必要なピースとなる脇役力。
脇を締めて歯を食いしばり、時には己を捨てて
チームの勝利を目指す。
自分も同じような役回りなので、非常に共感が持てたし
それが間違っていないことを教えてくれた本。
Posted by ブクログ
この本を読んでから急に尊敬する人間リストに田口が上がってきた。腐らずに道理や義理を通して努力する重要性を教えてくれる本。それが必ず報われる瞬間がやってくる、ということを実感した。この人は尊敬に値する。陽のあたる場所だけが人生じゃない。
すごく共感できる本だった。自分は常にマイナスからスタートしていることが多い。決してエリートにはなれない。だからこそ、考えてチームのために必要なワンピースになってこなければならなかった。チームのために「考えて、努力する」姿勢やその視点は絶対必要だと思う。『リアル』でも言っていたが、「長いのも短いのも太いのも細いのも5本集まって力を発揮するのがチーム」なんだと思う
田口は本当にチームの勝利が大切で、好きなんだろうなと感じた。チームのことを一番に考えられるから、個人成績は二の次として高いモチベーションを維持することができたのだろう。25番目のポジションにおさまることができた。25番目が大事って言うのは、ゴン中山や秋田が2002年のW杯で見せた姿勢に通ずるものがある。ユーティリティープレイヤーつながりで先日追悼試合を見に行った木村拓也を思い出した。