あらすじ
「いい製品を、安く」提供することがあらゆる分野で求められる時代。各方面からの値下げ圧力は激しいものがある。だがそれをチャンスと捉え、1割2割カットではなく「半減」を実現することで、より大きな利益を得ている企業も数多く存在している。実際、とてつもない目標に思えるが、「50%コストダウン」は十分可能なのだ。本書は、「カイゼンのプロ」が、現場のムダ取りから生産、開発の見直し、全社的な体制作りから協力会社も巻き込んだ生産改革まで、その具体策を明かすもの。今すぐ使えるカイゼン手法を惜しみなく公開する。50%ダウンでインパクトのある価格を生み出し、デフレ時代を勝ち抜こう!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
トヨタの生産、原価、購買部門でものづくりに従事した著者による「勝ち残り企業」になる為の原価低減方法を示した本。
数%の原価低減ではなく一挙に半額にする方法を考えることにより根本の考え方が変わる、という話は松下幸之助の逸話として有名だ。 本書も目先の数%の原価低減ではなく、本質を捉えた原価低減方法を説いている。
トヨタ出身の人間だけあって、まずは、すべての部門における無駄を排除する必要性を強調する。
まずは生産現場における効率化を言及。
生産における無駄は以下の8つ。
①不良・手直しの無駄
②つくりすぎの無駄
③加工そのものの無駄
④運搬の無駄
⑤在庫の無駄
⑥動作の無駄
⑦手持ちの無駄
⑧産業廃棄の無駄
これら無駄を排除するためには、整理整頓を行い、無駄の見える化に努める事が重要。
そして、不良率を0にするためのマインドを持つ(不良品を後工程に流さない、ポカよけをするなど)ことにより効率を上げる。
次に、設計開発部門。 開発部門においては、コストありきではなく、価格ありきで物事を捉え、コストを見える化し、VEを推進してコスト削減を図る。
そして、間接部門も、多能工化を図って仕事は誰でも出来るようにしリソースの削減を図る、など。
この様な手法をいち早く実行に移したのは無論トヨタであるが、それ以降各社も取り入れている考え方である。 上記に上げられている様な雑巾を絞るようなことは必要であるが、手法としてはある程度で尽くしているの様な気がしないでもない。
極端に高い目標を設定したり、窮地に追い込まれることにより、新しいイノベーションが生まれることは事実だと思うが、今後この様な発想がどの様に進化してゆくのかは見えないところではある。