【感想・ネタバレ】料理番 旅立ちの季節 新・包丁人侍事件帖(4)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

あとがきによれば、シリーズ最終巻だそう。
文政八年(1825年)初春で終わるけれど、ペリー来航まではまだ28年あるとは言え、日の本の海周りはしきりと異国船が取り囲み、たびたび無断上陸を図るなど、すでに鎖国の危機、激動の時代を迎えている。
この巻の中でも異国船の件は取り上げられ、また、藩政の破綻など、悩んで痩せるだけで何もできない将軍様ってどうよ、と思う。
前々巻くらいまでは、賢明なお人柄、と自分も褒めていたと思うが、それは江戸城内で始末がつくことに関してであって、日の本全体を見る目や、先々の外交を見通す目には限界があるように感じる。

第一話の、薩摩藩と富山藩の件も、第二話の切支丹絵草紙の件も、実際のところどう決着がついたのか、ちょっと曖昧さが残る。
そして、気になってならないまま、最後は語られずに置いて行かれたが、主水なのですが・・・
故国に帰れたのか、はたまた日本に骨を埋める覚悟をしたのか。
ぜひとも、続きのシリーズを書いていただきたいと思うのです。

鈴菜と大鷹源吾の旅立ちは、新しい時代の夫婦像を感じさせる。
小一郎の決断は逆に、これまでのしきたりを優先するようにも感じられるけれど、料理ができればどんな時代でも生きていけるからOKかな。
そして、惣介と志織の夫婦も新しい局面。相変わらずしっかり描いてくれる。
隼人との友情も、もちろん健在なのであった。
清々しい終わり方。
でも、続きが読みたいと思うのでした。

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2023年01月09日

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