あらすじ
人見知りで筆談でしか話せない小学1年生の龍太郎。そんな従兄弟のともだちづくりを手伝う事になったエリート高校生・清之助。時間の無駄と思っていた龍太郎との交流の中で、清之助は、初めての感情を覚えてゆく――。
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Posted by ブクログ
正直に言うと、読み始めた時は「あ、ヤバい、外したか」と思った
あんまりにも、主人公の清之助がつまらない生き筋を歩いていたものだから
だけど、龍太郎の可愛い言動に癒されながら読み進めていく内に、何となく判った
「あ、コイツ、単に怖がってるだけなんだ」と
親しくなった、絆を深めた人と別れる時の痛みを異常に怖れてるから、こんな他人と大袈裟な距離を置くような生き方を、無意識の内に選択しちゃってるんだな
それが判ると、二度目、読む時に、この作品に深く潜れた気がした
時間に関係なく強固になる友情、だけど、返せば触れようとしただけで壊れてしまうほど脆いものでもある
きっと、多分、友情ってのはこうやって、手探りで、ビクビクしながら、でも、勇敢に自分に合った歩幅の一歩を大きく踏み出して築いていくんだな、と教えてくれる一冊です