あらすじ
出版不況にあえぐ大手出版社『仙葉書房』。そこに勤める中堅文芸編集者・真壁のもとに、一通の手紙が舞い込んだ。それは、新人時代からいがみ合いながら共に成長してきた担当作家・樫木重昂からの『遅れてきた遺言』。「真壁、俺の本を親父に届けてくれ――」。 樫木の父親は生粋のドイツ人。日本文学は読むことができないため、作品を翻訳する必要があった。真壁は『遺言』を胸に、超マイナー言語である日本語で書かれた『名作』を、世界に羽ばたかせる決意をする。出版業界と翻訳業界の狭間で東奔西走する文芸編集者の苦悩、その行く末は……!?
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Posted by ブクログ
海外において日本文学の現状を教えてくれる小説、のような感じですが、外国人から見る日本、というのも少々含んでいます。
あと、翻訳の難しさも教えてくれる小説です。川端康成の「ノーベル賞の半分は、サイデンステッカー教授のものだ」という翻訳者に敬意を表す言葉から翻訳者の大切さが伺えるように、翻訳者なしに日本文学は世界文学になりえないです。
いろいろ考えさせる小説です。
Posted by ブクログ
編集、翻訳の世界の表に出ない様子、翻訳の言葉のチョイスの裏に隠された深い意味合いなど、言葉を操る人に読んでほしいと思いました。
雨を表す言葉の多さにも改めて気付かされました。日本語は,繊細な言語なのだと。
ドイツ人のクラウスと編集者の真壁のコミュニケーションのチグハグさには笑ってしまいました。
最後、ドイツで出版して、樫木のお父さんに届けられたのかも知りたかったなぁと思いました。
Posted by ブクログ
切なくて良い
作家が若くして亡くなった
ドイツの血を引く作家が残した遺言は編集者に宛てたもの…
その思いを受け継いだ編集者が作家の思いをどう引き継いで叶えるか?
Posted by ブクログ
翻訳の世界なんて何にも知らないし面白そうと思い購入。
なかなか面白かったけど、ラストがちょっと納得いかないし、ルイルイが中途半端だった。こんな中途半端なら強烈っぽいキャラにしなければ良いのに。
そー考えると樫木も、一瞬強烈に感じるけどちょっと弱かったかも。
でも面白かった。