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Posted by ブクログ
立見鑑三郎のちの立見尚文の物語である。
戊辰戦争では、会津藩が朝敵とされたものとすぐに頭に浮かぶが、桑名藩もまたそうである。桑名藩主の松平定敬は会津藩主の松平容保の実の弟になる。立見は桑名藩の主戦派を従え、雷神隊を組織し、官軍に徹底対抗したが、会津が降伏したことで刀を納める。その後、朝敵として冷や飯を食わされるわけだが、それでも雷神隊の立見は官軍からも恐れられていたので、西南戦争が起こった際には少佐として新撰旅団という攻撃兵の指揮官に抜擢された。
鳥羽伏見や会津戦争、西南戦争と激動の中を戦の第一線で戦ってきたにもかかわらず、不敗の将軍として日清日露戦争までにも及ぶ戦歴は他に例を見ない。
もっと立見尚文の伝記があっても良いものだが、見かけないのは、やはり、徳川方は悪、官軍は善という意識から、尚文の事を記した書類等があまり残っていないからなのだろうか。