あらすじ
「声の大きい人」にだまされてはいけない。みんなが「正しい」と言うことは、一度疑ってみる――ひねくれ者でも、嫌われ者でもない、“知的なあまのじゃく”こそが、今一番必要な人たちだ。言葉で「考え方ひとつ」というのは簡単だが、実際にはどう考えればよいのか。そもそも考えるとは何か。「これからの生き方を、どう思考するか」のヒントを示す。◎今、ぼくたちに必要なのは「問いを立てる力」◎「こうすれば、ああなる思考」から離れる◎身のまわりに「アンダーライン」を引き続けよう◎自分の頭で「誰も考えたことのないようなこと」を考えるには◎“自虐”は高度な頭の使い方である◎自分の“限界”を知ることでわかること◎満ち足りている人、いつも欠落を抱えている人◎一人の“職人”として働く◎ぼくたちが本当に考えていくべき「生存戦略」とは ……etc.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「目的志向」、長い間席巻しています。役にたたないことはしない。目的に向かって最短距離をと。損得勘定の社会はもう行き過ぎ。「目的志向」の対極にある思考法が。英語では、Something for Nothing 何かのためではない大切なこと。目に見えない価値の中に大切なものがある。例えば、自分の家の軒下の雪をかいたついでに、お隣の雪もかく。(自分の利益にはならないけど)そう言えば、愛情、信頼、尊敬、家族、友人、健康・・・、幸福につながるものには値札がない!平川克美「あまのじゃくに考える」、2015.5発行。
Posted by ブクログ
平川さんの最近の考えを凝縮したような本。タイトル、装丁、ともにいい。いろんなことに対して見方を変える、ということは言い古された表現のように思えるけど、平川さんの言う「あまのじゃく」という生き方は、もっと洗練されている。
Posted by ブクログ
「なにかのためではない大切なこと」。効率とか利益とかだけで測れない大切なものを持つひとたちがいる街は、どんなにさびれても、やっていけるという。平川氏はこの本でたくさんのことを述べているが、通底しているのは「本当に大切なものはビジネス的な価値観〜効率や利益〜では測ることができない」ということ。これを様々な事例をあげて、繰り返し説明している。どうしたら届くのかを懸命に考えているのが伝わってくる。おそらくディベートで勝てるような語り口ではないけれど、これは信じられる、と思わせる静かな情熱があった。月の初めに良い本に出会った。
Posted by ブクログ
自分の頭で「考えること」を、導いてくれる本だと思います。▼言葉というものは両義的、反対の意味を持っている。人間の存在そのものが両義的であるから。/「こうすれば、ああなる思考」(養老孟司)というリニア的思考に人生は従わない。/「考える」とは反時代的、反社会的な行為である(立教大学総長吉岡知也)。/一つの幻想の中では、個人はその幻想が有する価値観から逃れることはできない(吉本隆明『共同幻想論』)。/人間は自分で考えるほど自分のために生きているのではない。/もともと人間というのは、悪さと良さ、邪悪なものと聖なるものを両方同時に、己の内側に棲まわせていると考えるべきでしょう。/大人の言うのは正しさが自分の行動規範ではないんです。大人とは「嘘を自分で引き受けられる人」。「つらい大人」の姿をみること。/袖振り合うも他生の縁:人間は自分たちがよく知らない法則によって生かされている。/知性とは知識で武装することではなくて、その反対に武装解除したときに発揮される。
Posted by ブクログ
インプットに対して、予想していたアウトプットが出ない。予想外のアウトプットが出るというのが人間の一つの特徴…
自分で考えるというのは、誰も考えたことのないことを考えることではなく、どんな些細なことであっても、誰も考えたことのないようなやり方で考えるということ…
Posted by ブクログ
肩の力が抜けるエッセー(だと思っている)
固定観念に縛られているなと痛感しました。
あまのじゃく、とは単に右向け右に対して左を向くことではなく「右向け右!なぜそうしなければならないのだろうか?」のように(←これは私の解釈ですが)根源的なことを考えること。
そんなものの見方、スタンスで生きていくこと。
シーシェパードの唱える正義とは?
正義ほどやっかいなものはない。
企業の成長は社会(世間)に迎合しているのだろうか、果たして怪しいのである…など。