あらすじ
名探偵・神條拓真宅に忍び込んだ泥棒青年。彼が出会ったのは、棚を物色している見知らぬ一人の泥棒少女だった。 「私はあなたの妹ですよ。お兄さん。可愛い妹の顔を忘れてしまったのですか?」「実の妹の顔を忘れるなんて兄失格だな」──お互い「誰だ?」と探り合いながらも初対面でこんな嘘をつき合う二人が、なぜかコンビの探偵として奇妙な事件を解くことに……!? 「嘘は嫌いだ」というこの泥棒青年・神條久人も、先客の泥棒少女・柳野花も、一人では解けない心の嘘を抱えて生きている。そんな歪んだ二人がこの家で出会ったことには、何か理由があるようで……!?
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Posted by ブクログ
かつて母を捨てた探偵であった父を恨んでいる大学生で泥棒の神條久人はある日、母の形見を取り返そうと父の家に忍び込む。しかしそこで棚を漁る少女 柳野花と出会う。彼女は久人に対して「自分はあなたの妹だ」と名乗る。そして久人もその場をしのぐためにその嘘に乗ることになる。
二人はひょんなことからある事件に巻き込まれ、仕方なくその真相を追うこととなる。しかしこの事件には予想もしない事実が隠されていた。
この作品は泥棒である青年が探偵として活躍するというなんとも皮肉な設定でおもしろかった。あと久人と花の性格が上手く噛み合っているのも読んでいておもしろかった。でも個人的には最後の方で尻すぼみのような感覚があったのでもう一捻り欲しかった。また登場人物のキャラ付けが薄かったなと思う。