あらすじ
勤務中に血を吐いて倒れるまでブラック企業で働いていた青年・南は、退職後、「楽をして生きる」をモットーにして、裏社会の団体から小金をせびって暮らしていた。 ある日、霊感商法の団体から金をせしめてホクホクしていたところを、シマを荒らされ怒っている暴力団に囲まれる。震えながら謝る南だったが、「安心しろ。殺したりはしない。死なない程度に痛いだけだ」と言われ、絶望する。 だが、その窮地を一人の男に救われる。冴えない風貌の彼は、南を勧誘するのだった。 「兄ちゃん、掃除って興味ある? にこにゃんハウスクリーニングで働く気はないか?」
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Posted by ブクログ
企業の弱みを探っては小金をゆすり取っていた『南』は、霊感商法の団体から金をせしめたところを暴力団に囲まれる。その窮地に現れたさえない風貌の男が声を掛けてきた。
「兄ちゃん、掃除に興味ある?」
以前に自殺や事件があった部屋を掃除する業者をテレビで見たこともあるし、タイトルからもそんな感じだろうと。もちろんそこは、部屋主様は法的にしかるべき手続きの上、退去してもらった後の部屋の掃除だったのだが、こちらはそちら込のがっつり違法操業である。
やむ負えない事情で裏社会の掃除会社『にこにゃんハウスクリーニング』に就職する羽目になってしまった『南』の悲喜こもごも・・・というか、やむ負えない事情というのは他にもあり、会社周辺に渦巻く不穏な動きなど、誰が敵で誰が味方か!などというけっこうスリリングな展開で楽しめた。主人公以外の面子も良い味をだいしているし(7番は伊坂幸太朗の書く話に出てきそうでお気に入り)、他の人物に焦点を当てた話も読んでみたくなる。
にこにゃんがこのメンバーで経営を続けられそうなので良かった(良くはないのか?)。