あらすじ
いまや全国に活動が広がった「掃除に学ぶ会」。40年近く前、著者がたった一人で始めた掃除が、会社を変え、学校を変え、地域を変え、社会を変えるまでに大きくなったことは周知の事実である。本書は、経営者の枠を超え、「教育者」「世直し活動家」として、全国を掃除の実践と講演活動で飛び回る著者が、生き方の心得を語った書。「自分の贅沢のために浪費しない」「苦手な人から逃げるのではなく、近づく」「気づいたことはその場で処理する」「眠れぬ時間は起きていればいい」「小中学生にも敬語で話をする」「未練や愚痴を口にしない」「家に出入りする業者に負担をかけない」「食事は一日二食、量は腹六分目」「尊敬する人を持つ」「賞味期限の短い商品から買う」……著者の人生を貫いているのは「人様に迷惑をかけない」「後味のいい生き方を心がける」という、誰でもできる生き方である。みんながこの生き方を実践すれば、世の中は変わるだろう。
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Posted by ブクログ
人生の作法…。私は、タイトルを見て、「…。」と止まってしまいました。就職活動を目前に控えている自分には、“人生の作法”という5文字は、とてもそそられるものだったのです。本書は8つの項目で構成されていますが、その中で最も私が共感を得た2項目を紹介したいと思います。
1つ目は、人間関係についての作法です。
誰もが1度は悩んだことのある人間関係、苦手な人も気が合う人も必ずいるはずです。みなさんは苦手な人とは、距離を置いたりしていませんか?私は、極力関わりたくない、と避けてしまうことがしばしばあります。しかし鍵山さんは、遠ざかるのではなく意識的に自分から近づいていくことが大切だと言います。彼は、「掃除に学ぶ会」という会を作り、ほぼ毎週開催して日本の多くの学生とトイレ掃除をしています。このトイレ掃除から人間関係のことを学びました。トイレ掃除が終わって洗い流そうとするとき、水が自分に飛び散らないように壁面から離れて水をかけるとますます水が飛び散りますよね。逆に、ホースの口を壁面に近づけて斜め上から流すと、かけた水は飛び散ることなく、壁面を洗い流せます。このように逃げるのではなく近づく、ということは人間関係に置き換えても大切なことのです。
2つ目は、教養についての作法です。
みなさんは国際人とはどんな人のことだと思いますか?私は、世界的に活躍している人のことだと思っていました。しかし鍵山さんは、すばらしい国際人とはすばらしい日本人のことだ、と言いました。自国の歴史に精通し、祖国を誇れる人こそが国際人なのです。
数か月前、日本では東日本大震災が起こりました。壊滅状態にあった道路の一部を数日で復元させたことや、強い精神力を持ち、復旧へ取り組む人たちの姿は、世界でもたたえられました。3か月たった今でも多くの人がボランティアで東北地方を訪れています。また、日本各地の街頭で募金活動を行っています。私は、祖国を誇れるすばらしい日本人…まさにこのことだ!と思いました。
この本を読んで、私は自分を見つめなおそうと思いました。今の若者は政治に無関心、活気がないなどと言われています。それは日本のことをよく知らないからではないでしょうか?この本は、そんな若者に読んでいただきたい一冊です。(936字)