【感想・ネタバレ】誤算のレビュー

あらすじ

前夫のために蓄えも職場も失った看護師、川村奈緒は、資産家の老人・鬼沢の住み込み看護師となる。財産を狙い鬼沢の死を望む一族を冷ややかに傍観する奈緒だったが、鬼沢との結婚話が持ちかけられ――

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Posted by ブクログ

ネタバレ

遺産相続をめぐって子供らと住み込みで働くことになったいいことのない看護婦との人間模様と策略。展開がころころ変化がありよい。誰が誰と組んでいるのか、看護婦の策はうまくいくのか。最後は看護婦は何も手に入れられないが、代わりに気持ちが晴れてすっきりした感じで終わるので読後感は悪くない

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2019年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は遺産相続に絡む骨肉の争いがメインかと思いきや、奈緒が丈太郎から結婚を申し込まれてからストーリーは急展開を迎える。個人的には奈緒の苦労がもう少し報われても良かったのではとも思うが彼女にとってはまずまずのハッピーエンドなのかもしれない。
松下氏の作品を読んだのは2作目だが、今回はストーリー展開もスムーズで色々な『誤算』があり題名の妙味を感じた。松下氏の作品をもう何冊か用意してあるので読んでみてこの作者を追いかけるか考えたいと思う

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2022年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

○ 総合評価  ★★★☆☆  
〇 サプライズ ★☆☆☆☆
〇 熱中度   ★★★☆☆   
〇 インパクト ★★☆☆☆
〇 キャラクター★★★☆☆
〇 読後感   ★★☆☆☆

 敏也という男に騙され,貯金と職場を失った看護師,川村奈緒は鬼沢家に住み込みの看護師として働くことになる。鬼沢家は長男の淳一とその妻,美恵子。二人の子どもの宏と家政婦のよし子。鬼沢の娘の京子と洋子。京子は歯科医の妻。洋子は売れない画家。鬼沢の主治医は,幼馴染の山崎医師。ほかに異母兄弟の西山恵太
 川村奈緒は,ベテランの看護師として力を発揮し,鬼沢の体調は少しずつ回復していく。しかし,ホスト狂いで夫に話せない借金がある京子と,売れない画家の洋子は,鬼沢が早く死ぬことを望んでいる。
 洋子は鬼沢の顧問弁護士である遠山と不倫をしている。鬼沢は反発しながらも川村奈緒の働きぶりに感心し,遺産のうち500万円を相続させるという遺言を残すと言う。家政婦のよし子も同額の遺産を相続すると言う。
 鬼沢が使うスリッパに石鹸が付いていて,鬼沢が滑って階段から落ちるという事件があった。誰かが鬼沢を殺害しようとしている…?
 西山恵太は,川村奈緒に,鬼沢は奈緒を気に入っているので結婚し,遺産の半分を手に入れてはどうかという。西山はそのことに協力する代わりに,成功した場合は奈緒が相続する遺産の半分を要求する。奈緒は,元夫がほかの女性と結婚するのを阻止するために,正式に離婚していないことを恵太に伝える。奈緒は正式に敏也と離婚する。奈緒が鬼沢と結婚するには,再婚禁止期間(当時は6か月)を過ごす必要がある。
 京子や洋子は鬼沢からお金をもらえなくなり,困り出す。京子が用意したバラから蜂が出てくるという騒ぎも起こる。鬼沢はかつて蜂に刺されたことがあり,アナフィラキシーショックを起こすおそれがあった。恵太と鬼沢が散歩しているときに使った杖が割れる事件も起こる(杖には折れるような工作がされていた。)。このころ,奈緒は鬼沢からプロポーズを受ける。恵太と奈緒は,婚姻届を出したふりをして再婚禁止期間が過ぎる4月までを過ごすことにする。
 鬼沢の計画で,4月12日に花見をすることになる。鬼沢は花見の席で奈緒との結婚を報告すると言う。しかし,鬼沢は花見の席で急死する。家政婦のよし子は騒ぎの中,救急車とパトカーを呼んでしまう。奈緒は,他殺だとすると婚姻したばかりで多額の遺産を相続する自分が疑われるのではないかと不安を感じる。鬼沢は行政解剖にまわされるという。鬼沢の死因はソバアレルギーによるアナフィラキシーショック。鬼沢を殺害した犯人として宏が逮捕される。その頃,鬼沢の遺言書の検認が終わる。遺言には「妻,奈緒に全財産を相続させる。」とあるが,奈緒と鬼沢は婚姻していなかった。よって,奈緒に関する部分は無効になるという。みじめな生活に別れを告げて莫大な財産を受け取るという夢は崩れさる。そして,美恵子が鬼沢の殺害を自首する。美恵子の夫淳一は余命わずかだという。 
 恵太によると奈緒は敏也と結婚していたという。敏也が勝手に婚姻届を出していた。したがって奈緒と鬼沢の結婚はできなかった。恵太は遺産が7分の2になるはずが7分の1に。奈緒は500万円すら相続できず。いずれも「誤算」だった。しかし,奈緒はそのおかげで殺人事件の容疑者にならずにすんだ。
 宏の後見人になろうと企む恵太。遺産相続の争いが続く中,美恵子は心神耗弱と認定され執行猶予判決が出る。奈緒は恵太と話すなか,実は山崎医師こそが黒幕で美恵子と手を組み鬼沢を殺害したのではないかと疑う。山崎医師は認知症が進み,自分が鬼沢を殺害したと言っているという…・
 ジャンル分けが難しいミステリ。サスペンスというほどでもないし,コンゲームというほどでもない。法律要素が少し入った犯罪小説という位置付けか。殺人事件としては,鬼沢丈太郎が殺害される。容疑者の位置に当たる看護師,川村奈緒の視点で描かれている。犯人は主治医の山崎医師と長男の妻,美恵子の共犯。山崎医師が計画をし,美恵子が実行犯という位置付け。トリックなどはないが,主治医として山崎医師が証言することで心神耗弱として執行猶予判決を得るという計画。山崎医師と美恵子の共犯とは思わなかった。しかし,そこまで驚きはなかった。サプライズをウリにした小説ではないとはいえ,特段の伏線もミスディレクションもない。登場人物の誰が犯人でも「ふーん」という程度でさほど驚きはなかったと思う。この作品の魅力は,リーダビリティ。話の作り方が上手く,先が気になってしまう。一体何が「誤算」なのか。結局「誤算」とは川村奈緒と恵太の誤算ということなのだろう。
 トータルで見ると,しっかりと読ませる作品に仕上がっている。しかし,サプライズはそれほどでもなく,裏をかくようなどんでん返しもない。法律的な要素が面白みとして加わっている程度。傑作というほどではないがよくできた作品ではある。★3かな。

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2022年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

梅田の本屋で押していたので購入。

訳あって大資産家の老人を住み込みで介護をすることになった川村奈緒。
莫大な財産とその相続権を持つ家族たちのキナ臭い空気のなか、自身も当事者となっていく…

ミステリーといってもアリバイやトリック、犯人探しがメインではない。

様々な思惑がことごとく「誤算」によって外れていく様は、痛快であり不謹慎ではあるがコメディに近い。

テンポよく話が進みストレスなくスラスラ読めるので普段読書しない人にも薦めやすい。

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2018年08月04日

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