あらすじ
一見どこにでもいそうな高校生・佐滝匡(さたきただし)。 だが彼には、超天才詐欺師という裏の顔があった。人を化かす妖怪“狢(ムジナ)”から受け継いだ洞察眼と舌先三寸を武器に、法では裁けぬ悪党たちを華麗に化かす! スタイリッシュ犯罪アクション、開演――!!
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Posted by ブクログ
狢から授かった『人を騙す能力』『人を騙さずにいられない性質』から詐欺師を始めた少年の話。
ジャンプ+にて読んでいました。
不定期連載に入った2016年9月24日以降、そのまま更新停止中。
Posted by ブクログ
文句なしに面白い
いや、だって、主人公が男子高校生なのに詐欺師で、しかも、正義の味方めいた事をしてるんですよ
こんなブッ飛んだ主役が活躍する漫画、そうはない
天野先生くらいの“腕力”がある漫画家でなければ、その設定に振り回されて、ストーリーの組み立てがメチャクチャになって、駄作になっているに違いないな
詐欺師の一賊に産まれた訳でなく、本当は平凡な少年が、死にかけの妖獣・貉から野望を半ば強引に受け継がされ、人を化かす能力、つまりは超一流の詐欺師としての才能を持つようになった。しかも、人を化かし続けないと死んでしまう、そんな当然のリスクがある点も面白い
加えて、そんな正義の詐欺師に転身する事で、自分の悪才と折り合いを付けて生きる決意をした、心の強い匡を支える仲間たちの個性も、なかなかに強烈で悪辣
JS天才ハッカーに、犬の情報屋ってコアすぎる
そんな曲者の中で唯一の一般人、朝比奈ちゃんの存在と必要性はかなり大きい、と言えるだろう。ブレーキ役やハンドル役として役に立っている訳じゃなく、ただ、そこにいるだけでいい、そんな感じのする眼鏡っ娘だ
また、何故、先代の貉はヘマをしたのか、その大きな謎も水面下で動き、読み手をハラハラさせてくれる
これだけ、この『アナノムジナ』が面白いのは、やはり、天野先生の絵柄ゆえだろう
美麗、そう表現するに相応しい。華やかさと力強さが両立し、笑えるシーンも、緊張するシーンも、悪党の心がヘシ折れるシーンも、全ての質が高い
絵柄によってストーリーの魅力が引き出され、絵柄によってキャラクターの個性が際立っている、とても良いバランスが取れた漫画だ
これだけ面白ければ、WJ本誌でも十分に人気が出ると思うが、何故に? まぁ、天野先生にも制作環境や執筆ペースの都合があるのだろうから、文句はないんだが
今後、どんな外道を見事な策で騙し、報いの鉄槌を落としていくのか、楽しみだ。個人的には、凄腕の贋作者や殺し屋が登場し、騙し勝負が繰り広げられたら面白いな、と期待している
どの話もスタイリッシュでクール、そして、爽快感たっぷりだが、やはり、読み手の心をしっかりと掴んだ序章「巣穴ノ貉(ムジナ・イン・ネスト)」を私は推す
この台詞を引用に選んだのは、カッコ良いから。面白い少年漫画にはやはり、こんなキレた決め台詞が必要だ。主人公にしか言えない言葉があってこそ、少年漫画は面白くなる