あらすじ
療養のため田舎に帰った宇野一希。しばらく会っていなかった祖母・壱子が若返っていた!? 驚愕する一希を横目に、二度目の人生を謳歌する壱子。ちょっと変わった宇野家の日常、お見せします――。
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Posted by ブクログ
想像していたよりもほんわか心温まるお話でした。
肝心の「若返り」の部分にはあまりつっこまれません。ただ実験して若返り出来たんだよ、その若返りの事後経過を観察してますよー、みたいな感じです。
恋愛の面では若返ったお婆ちゃんとそのお婆ちゃんの昔馴染みのお医者さん(こちらも若返ってます)の2人がメインかな?でも、お話は恋愛メインというよりもどちらかというと「家族」に焦点を合わせているかな。
特に、お婆ちゃんに育てられて東京で暮らしていた一希と、現在お婆ちゃん家に預けられて育てられている創の2人。お婆ちゃん家で偶然出会ったけど、二人の関係は偶然ではなくて、関係だけみればめちゃくちゃドロドロにもなりそうなのに二人ともいい子でひたすらに和む。
肉まんを食べながらボロボロと創が泣く所がとても好きでした。
1巻で終わりなのが本当に勿体ないなぁ~。
Posted by ブクログ
買う時は当たり前だが、面白そうだ、と思って買う
それで読んで、思った通りの良い内容だと嬉しくなる
だが、時に自分の漫画読みとしての自信を揺さぶってくれる漫画に出会えるものだ
この『宇野家の人々』、私のチャチな予想なんて軽々と吹っ飛ばしてくれた、厚みのある作品で、漫画と読み手を引きあわせてくれる神様みたいな存在に、真面目に感謝したくなった
内容は、ザックリ言うと家族モノに当たるのだろうか
だが、帯にもある通り、祖母の壱子さんが美魔女どころか、かなり若返っているので、ありきたり感など全くなく、実に斬新で読み応えがある
その設定が十分に活かされているストーリーは、読んでいて癒されつつも、自身の現在を見つめ直したくなるモノだ。なので、多少、ココロに負荷はかかるが、そこもこの作品の魅力だ
見た目こそ、実験で若い時の美しさを取り戻しているが、中身は豊富な人生経験に満たされ、しかも、この貴重な体験でますます、魂が輝きを増しているので、言動に年の功ゆえの、押しつけがましくない説得力があって、台詞がストンと心に入ってくる
ある種の現代病に心身を蝕まれた一希が、そんな祖母や、家族の創くん、家政婦かつ看護士の三郎さんとの交流で、自分なりのペースで前を向いていき、歩き出していく展開も自然で、作品に深みを生んでいる
また、壱子と同じく、若返っている三郎さんの鈍感さも面白い。傍目からは丸判りなのに、本人無自覚のラブコメと言い換えてもいいかな
技術が日進月歩で発展を遂げているとは言え、ここまでの若返り技術はまだ確立されていない(ハズだ)。今、私は二十代なのでピンとは来ないが、やはり、イイ人生を送ってきて悔いは特に無い老人も、若い時に戻れるとなったら、そのチャンスを掴んで、一回目でやれなかった、今だからこそやれる「何か」に挑むんだろうか?
どの話もイイが、個人的に推しなのは、一希と創くんの距離感が縮まる「よにんかぞく」
この台詞を引用に選んだのは、今の私に最も響いたから。今、私にはどうしてもなりたいモノがあるけれど、その夢を叶えて、望んだ「何か」になった実感を得た時、どんな風に思うんだろう。頑張っている、今この瞬間に自分を支えてくれている大事な物を持ったままでいられるだろうか