【感想・ネタバレ】新版・実践経営問答 こうして会社を強くするのレビュー

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Posted by ブクログ

本書は、稲盛氏が塾長を務める盛和塾において、塾生である経営者からの質問に稲盛氏が答えていく「経営問答」の内容を掲載しています。

経営者や組織のリーダーなら必ず遭遇する問題について、稲盛氏がズバリ答えていく様子は、まるでその場にいるような臨場感を味わいます。


例えば、親の後を継いで二代目社長に間もなくなろうとしている経営者から、『社長とはどうあるべきか』という質問を受けます。

稲盛氏はご自身の体験から、次のように答えています。

『社長というのは物事を決める最終の地位ですので、決断の基準となる心の座標軸を持つことが大事だと思います。

私は京セラ創業の頃、"人間として何が正しいのか"、"原理原則に基づいて経営する"ということを心の座標軸にしてまいりました。

また、経営目標の達成について潜在意識に浸透するほどの強烈な願望を持ち、従業員から「社長が決めたことなら、必ず達成しよう」と思われるような、信頼され尊敬される人間性を備えていなくてはなりません

私も京セラ創業三年目にして"全従業員の物心両面の幸福の追求"を理念に掲げ、人のために尽くすということを経営の基本におき、人格を磨きました。

心を高め、利他の精神をもって経営にあたられると良いと思います。』


本書で紹介されている質問の内容は多岐にわたりますが、稲盛氏の回答から伺えるのは、"やり方"ではなく"あり方"が土台にあるのだなということでした。

経営のみならず、生き方についても大切なことを学べる素晴らしい一冊でした。


私も起業したての頃に、メンターから「自分のことを100人の組織のトップだと思いなさい」と教わりました。

現状に関係なく、自分は組織のトップであるという意識を持つか否かで、行動と結果が大きく変わることを学んできました。

「有言実行を貫いて、仲間と共に豊かな人生にする」という目標を私も持っているので、それを実現させるためにも、日々ベストを尽くしていきます。

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2019年06月05日

Posted by ブクログ

経営者と公務員って全然違うように思われます。
でも驚くほど共通点もあるんですよね。
「社長心得」に「公私峻別」を挙げられてます。
ケジメですよね。

経営には「無限大の責任感」を持ち「人格意思」を全て注入し「誰よりも努力」して尊敬される。
これは今の公務員にも求められる資質かもしれません。

「会社は社長の器以上に大きくならない」
「全従業員の物心両面の幸福の追求」
この点はトップに立った時にわかるのかもしれません。
組織も所属長の器以上に大きくならないですし所属長が部下の幸せの追求を考えて仕事しないと良い結果は生まれません。

新しい4つの創造
「需要」「市場」「技術」「商品」
独立して存在せず渾然一体となることでイノベーションが生まれるとのこと。
どんな仕事でも意識したい言葉です。

著者の本を精力的に読んで行こうと思います。

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2016年12月25日

Posted by ブクログ

カリスマ稲盛さんが、現実的な中小企業の社長の悩みに対して指南する、リアリティが面白い一冊。世の中には、2代目、3代目社長が多く、創業者よりも、苦難が多いことを感じた。企業経営、社長こそが、組織に生命力を与えられるや、人にとって正しいことが判断基準のような、人間基軸で経営を行い、成功している点が感服する。

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2015年05月02日

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なにげなーく手に取った稲盛さんの本。

これが初めてで、もっと他に代表作はあるみたいだけど、面白かった。

この盛和塾の塾長稲盛さんと塾生との問答が、吉田松陰とかと塾生とのやり取りってこんな感じだったのかしら?と思うくらい、いつの時代やねんと突っ込まずにいられませんでした。

がしかし、内容は何人もの塾生(中小企業の経営者。2代目、3代目といった後継者が多い)の真剣な経営上の悩みに、稲盛さんが答えていくもので、稲盛さんの実体験に基づいた問いへの答えなんか、経営を支援していくような監査を志す僕にも、たいへん有益でした。


アメーバ経営、もう少し研究したいですね。インターネットカンパニー版アメーバ経営、管理会計の要諦なんか意識しながら。

印象に残ったことば

「核心をついた悩みは成長の始まり」
「目標が違うのに、そのプロセスを比べても意味がない」

特に後者は、稲盛さんのような生き方、哲学を会社に導入しようとしても、勘弁してくれ、そんな生き方したくないと反対にあう塾生への回答として、非常に示唆に富むものでした。
言われてみれば、そうなんだけど、結局、稲盛さんの目標を達成するうえでは、こうした厳しい生き方が必要だった。その目標を定めるのが経営者で、その目標達成に必要な生き方がどんなものかを考え抜かないといけないですよと。

さて、僕はそういう意味だとまだまだ中途半端だなあ。

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2012年12月05日

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歴史に残る経営者の一人なのだろう。
話が異常に面白い。
必ず相手を認めて、そのうえで意見を言ったり人格的に素晴らしいのだろう。
と、思わせるのが凄い。
生きてるうちに起業して話を聞いてみたいものだ。

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2012年10月02日

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稲盛さんが盛和塾で行っている、経営問答をまとめた本。

企業経営者と言っても、所詮は従業員と同じ人間であり、大なり小なり、種々の悩みを抱えて経営を進めている。

稲盛さんの答え方は非常に穏やかながら、納得できる内容が多かった。
ただ、相手が経営者だけに、難局を乗り越えるために、社員に仁義を切っておきなさい、等と言った、システマチックな回答というよりは、どちらかと言うと人間として乗り越えなさいという部分の回答も目立った。

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2012年08月15日

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その立場になって初めて解る珠玉の言葉の数々。頭で理解できても実践しなければ意味がありません。遅まきながら会計を勉強しないといけません。

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2012年07月10日

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ネタバレ

本書は、稲盛和夫先生の経営問答集です。
様々な会社の、様々な経営者が、様々な悩みを持ってきます。
人間、組織、会計、様々な悩みがありますが、体験談などを交えつつ、わかりやすく、どの質問にも答えていきます。

私は経営などしたことがありませんが、おそらく経営者の方にとっては本書は、片時もはなせない一冊となるのでは、と想像します。

勉強になるだけではありません。
稲盛先生の懐の広さというか、包み込むような温かいやさしさを知ることもでき、読んでいて心が温かくなりました。

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2011年07月26日

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目から鱗の実践経営問答。また人としてどう生きるべきかという哲学も学べる人生問答。稲盛さんはもはや、宗教家です!

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2011年04月19日

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ネタバレ

盛和塾という稲盛さんが創設した経営者向けの塾の参加者との対話(Q&A)形式で書かれている。
塾生は中小企業の経営者が多く、生々しい悩みの質問が多く、経営の現場をリアルに感じながら読むことができる。

稲盛さんの回答を通じて、この人は真の経営者であるということを感じた。会社、仕事、社員、顧客に真摯に向き合う姿が素晴らしい。


原理原則は何かというと、正、不正の判断基準、または善悪の判断基準、公平、公正、誠実、誠意、愛情、正義、博愛、正直、素直等々のベーシックな言葉で表せる倫理観です。この倫理観を持っていなければ、ともすれば己の欲望が物事の判断基準になるというケースが多くなりがちです。

会社というものはトップの器以上には大きくはなりません。したがって、人を治めるためには、経理・会計を治めると同時に、貴方の魅力、すなわち人間性・人格をもってしなければなりません。  では、人格でもって部下を引きつける経営者とはどういう人物なのでしょうか。私は、「仁」「義」「誠実」「公平・公正」「勇気」という五つの言葉で代表されることができる人だと考えています。つまり、思いやりがあり、義理人情に厚い人で、陰日向なく努力する人、そして人事に際しては私情を挟まず、事にあたっては決して卑怯な振る舞いをしない人です。しかし、よほどの修行でもしていなければ、このような人格が一朝一夕で身につくはずもありません。

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2021年05月06日

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盛和塾でのやり取りがベースになりますが、経営についての悩み事全般がまとまっていて、内容もリアルです。
また、著者の回答もわかり易く経営者としての心得の書として、有効な一冊だと思います。

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2019年06月12日

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「稲盛和夫の経営塾―Q&A高収益企業のつくり方」も面白かったが、本書も面白かった。経営者が稲盛氏にぶつけるさまざまな悩みや質問に、稲盛氏が鋭く答えるというもの。あいまいな答えが一切なく、気持ちいい。
色々と示唆に富むものが多かった中、最後のQAが感動的だった。
名経営者の条件は?の答え。
セラの子会社で組合組織が強くて赤字が続いた子会社に、経営幹部を二人送っても再建に失敗したが、その後、会社の中でも頭角を現しているというわけではなく、たたき上げで、ごく小さな部門の長になった人を送ったとのこと。彼が行った後、黒字化しただけでなく、不況になっても黒字を続けたという。彼は、会社への不信感で凝り固まった人たちを相手に、誰彼となく、「人間として何が正しいのか」ということを説いて回った。その彼が、従業員の家族からもらった感謝の手紙。
「貴方にはいくら感謝しても感謝したらいないくらいです。
 私の主人は今まで組合活動なんかをして実は家ではグウタラで子供にまで馬鹿にされていました。それが貴方が来られてから、うちの主人は目の色が変わってきたのです。…帰ってきても、言うことが変わってきています。
 また、それを見た子供が最近、主人を尊敬し始めたのです。…
 お父さん自身がいきいきしてくると、家庭までいきいきしてきました。子供もお父さんを尊敬するようになって、家庭が本当に明るくなりました。なんとお礼を言っていいか分かりません。」
「この幹部は、どんなに辛いことがあろうと、夜何時になろうと仕事が楽しいと言う。経営が楽しい。だからやれるのです。…
 名経営者の条件がもしあるとすれば、自分の今の経営という仕事を好きになることです。そのためには貴方の今の仕事に打ち込むこと、それしかありません。」

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2021年08月08日

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・同じ目標へ
経営者は、企業を単なる烏合の衆でなく全員が一つの目標に向かって突き進む集団、一つの意識、考え方を共有する集団にしていく使命がある。
どういう会社にしたいのか?それが原点である。登山でも小さな丘に登るのとヒマラヤに登るのでは、準備も心構えも違う。

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2017年08月19日

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稲盛和夫著「こうして会社を強くする」PHPビジネス新書(2011)
*社長というのは最終決定をするため後ろがない。では決断するときに何を持って決めるかというと心の中の座標軸になる。社長業を全うする、つまり企業をおさめるには、判断、決断の基準となる心の座標軸を持っている事が一番大事だと考える。
*実は人間が一番強くなるのは執着から解脱した時である。もうけたい、偉くなりたいこれはみんな欲です。もちろんこの欲望から完全に抜けだすのは無理ですが、人を喜ばすために、と考えればその分我欲が引っ込みます。心が高まって行くのは実はこれからです。
*成功する人は、必ず死線をさまようような大病をするか、大きな挫折をしています。決して幸運に恵まれる事の連続というような人生ではなかったということです。
*自分の仕事に大義名分をたてて、どういう意義があるのかを明文化し、その大義名分に対して皆で燃えて行こうとすべきです。
*事業の多角化で問題なのは、多角化後3年を経て、なお赤字であった場合です。これは早急に見直さなければなりません。赤字事業と次々と創っているような多角化は非常に危険だからです。中業企業の場合には新規事業は3年がめどで、うまく行かないものは見切りをつけて行けるくらいの決断が必要です。
*新しい場所に進出するために大切なことは3つあります。(1)低価格化に対応する仕入れをかんがえること。仕入れ、どの仕事にも共通するのですが「利は仕入れに有り」なのです。利益を得ようと思えばポイントは仕入れにある。だから大阪の船場では仕入れは旦那がするものでした。(2)店舗ごとに独立採算のシステムを構築すること。損益計算できるシステム、独立採算ができるシステムをつくることは重要です。(3)人材育成と人材管理をすること。人材を育成し任せられる人を養成する必要があります。
*闘魂とは、もともと格闘家のように勝ち気な個性を持っている人は確かにいますが、そういう粗野な闘魂ではなくて、母親がもつ闘魂が大事。これが責任感を社会的意義を持てる闘魂。子供が教われようとした時、母親は怯まず外敵に挑んで行く事でしょう。これが本当の闘魂です。母親はどんな父親にも持たないような凄まじい勇気と闘魂をもって自分の子供を助けるのです。

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2012年09月08日

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稲盛和夫の経営論の話で、作者が運営する盛和塾での稲盛和夫と塾生との質疑応答を紹介している話です。
稲盛和夫の他の著書と同じくブレない信念がさすがで、稲盛流会社経営理論というのをうかがうことができます。
現状、このような考え方で経営する経営者が1人でも増えることが日本の経済力を復活する鍵なようにも思えました。
特に経営12ヶ条に関しては今、希薄になっていると思われる全ての日本の会社の社長に肝に銘じて欲しい考え方だと思います。

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2012年08月31日

Posted by ブクログ

京セラ創業者の稲盛 和夫氏が主催する盛和塾における、若手実業家の塾生と稲盛氏の対話形式の本。

塾生が直面している実際の問題を題材に、稲盛氏がどのように対応したらよいか、考えが述べられている。

稲盛氏によると、経営者は人の為(利他的)に行動する、財務に関しての理解を深める、酒の席を通して社員に自分の信念を叩き込むことが大切であるようである。

私が感銘を受けた点として、利益を生まない新規事業は世の中にはないということ。利益がでないのは、始める前の入念なシミュレーションができていないことに尽きる。まずは明確な目標を定めること、そして目標に到達するための具体的な方法論に落とし込むという流れが定石。

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2011年05月12日

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ネタバレ

京セラを一代で世界的企業まで育てあげた稲盛和夫氏の著書。

日本を代表する経営者として何を見、何を感じ、どう考え、何をしてきたのか。

実体験をもとに多くの著書を出版してきた著者がボランティアで悩める経営者に道標を示す盛和塾で塾生の質問にアドバイスをおくる。

まさに生きた経営学であり、マネジメントの教科書。

説明
内容紹介
自らの実体験を率直に語り、問題解決に導く。稲盛流の「生きたマネジメント」が学べる本。
内容(「BOOK」データベースより)
あまたの困難、経営課題を乗り越え、一代で京セラを世界的大企業に育て上げた稲盛和夫氏。リーダーとしての日々の実践の中で培った、「判断力の磨き方」「社員のモチベーションの高め方」「危機に対応する方策」「リーダーたる心構え」など、経営のコツを、自身の実体験をふんだんに盛り込み熱く語る。名経営者の「生きたマネジメント」が学べる本。

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2020年02月18日

Posted by ブクログ

盛和塾での勉強会の『実践経営問答』トップの器となるには、ひとのためにつくす 現場主義を貫く 値決めは経営 会計が分からなけば経営者になれない 誰にも負けない努力をする 経営という仕事を好きになる

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2013年10月27日

Posted by ブクログ

最近、とみに経営者の視点でものを考えるということの重要性を感じるシーンが多く、日経か何かのランキングで目に付いたので読んでみた。

世襲経営者のお悩み相談は、自分が求めていた「経営者視点を学ぶ」とは、一致する点が少なかった。

しかし、経営で直面する問題の解決策など、「ケースバイケース」としか言いようがなさそうなものなのに、それぞれの問題に対して普遍的ともいえるような解答をする稲盛和夫というひとはやっぱりすごい人なんだな。

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2012年09月23日

Posted by ブクログ

実際の経営者との問であった1問1答をまとめた本。具体的でわかりやすい。著者の一貫した経営哲学も伝わってくる。経営者でなくとも考えさせられるところはある。将来独立することがあれば読み返してみようかと思う。

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2012年02月19日

「ビジネス・経済」ランキング