【感想・ネタバレ】出張鑑定にご用心のレビュー

あらすじ

ニューハンプシャー州の港町ポーツマスでオークションハウス〈プレスコッツ〉を営むジョシーは、ある日地域の警察署長アルヴェレスの訪問を受ける。家財の買取を依頼され、出張鑑定をした老富豪グラントが自邸で殺されたのだ。最愛の父の死をいまだ引きずるジョシーだが、自らが容疑者らしいと悟っては、行動せずにはいられない。家財リストに載っているルノアールの絵が屋敷から見つからないことを出発点に、仕事と並行して調査を進めるが――確かな審美眼を持つ腕きき女性オーナーが主人公となる、アンティーク×ミステリの新シリーズ第1弾。

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Posted by ブクログ

アンティークに絡むコージー・ミステリの新シリーズ。
まじめな雰囲気です。

ジョシー・プレスコットは、アメリカはニューハンプシャーの港町ポーツマスでオークションハウスを営んでいます。
家財を鑑定したばかりの老人が事件に遭い、警察に尋問されることに。

思わぬ事件に動揺するジョシー。
実はかってニューヨークの大手で働いていましたが、そこで痛い目を見た経験が。
正義感から不正を告発したところ、誰にも話しかけられなくなり、辞職に追い込まれたのです。
その後最愛の父をなくし、恋人とも別れ、仕事を立て直すまでに数年かかった様子。

老人の屋敷にあった名画が行方不明になっていて、絵画とアンティークの知識が必要なために、警察から協力を求められます。
正義感の強いヒロインという設定で、でもやたらに無謀な行動をするようなことはなく、着実な展開にほっとします。
その分、にぎやかな楽しさは少なめかもしれないけど。
過去のトラウマから涙もろくなっているのがちょっと、なんだけど、本当は経営者としてやっていけるしっかり者のよう。

警察署長のタイロン・アルヴェレスは40歳ほどで、どうやら釣り合いそうな‥
信頼関係がこれから順調に築かれていくようです。

0
2015年12月19日

Posted by ブクログ

献本でいただいた1冊となります。

アメリカはニューハンプシャー州を舞台とした、
アンティーク×ミステリーな内容、シリーズ第1弾のようです。

主人公はオークションハウスを経営するジョシー、
元はニューヨークで働いていたのですが、、

とある事件がきっかけで都落ち同然にこの町に。
最愛の家族も亡くし、精神的にもなんとも不安定。

そんな彼女が、仕事や現実と必死に向き合い、
立ち直ろうと悪戦苦闘している最中、一つの事件が起きます。

出張鑑定の約束をしていた一人の老富豪が自宅で殺され、
当日打ち合わせの約束をしていた彼女も容疑者の一人に。

最初は警察などに囲まれるその恐怖に、
ただ打ち震えるだけであった彼女ですが、、

一つ一つと向き合い、心を奮い立たせ、自分と向き合い、
結果的には様々な“過去”も乗り越えていくことに。

主人公の感情の振幅の大きさに、少々戸惑いを感じながらも、
ググッと引き込まれて、一気に読んでしまいました。

アメリカ社会における弁護士の位置付けや、
“骨董品(アンティーク)”市場の実情なども興味深く。

日本だとどこか有閑な趣味といった感も強い“古物”ですが、
向こうではもっと生活に根付いているような、そんな印象も。

ただ物語は、そんな身近な雰囲気から一転して、
戦時中のナチスによる絵画強奪にまで幅広く。

マティス、セザンヌ、そしてルノアール、
殺人の動機としてはいずれも申し分なく、、

それでは“犯人”は、、結構王道な顛末でした。

ラスト、一つの恋の始まりを予兆させる内容もあり、
働く女性の物語としてみても面白く、続きも気になりますね~

しばらく手元に残しておこうと、そう感じた1冊です。

0
2014年12月09日

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