あらすじ
10分で読めるミニ書籍です(文章量5000文字程度=紙の書籍の10ページ程度)
10分で読めるシリーズとは、読書をしたいが忙しくて時間がない人のために、10分で読める範囲の文量で「役立つ」「わかりやすい」「おもしろい」を基本コンセプトに多くの個性あふれる作家様に執筆いただいたものです。自己啓発、問題解決、気分転換、他の読書の箸休め、スキルアップ、ストレス解消、いろいろなシチュエーションでご利用いただけます。是非、お試しください。
まえがき
ゴミ屋敷と聞くと、皆さんはどのような状態を想像するでしょうか。敷地の外にあふれ出んばかりのゴミの家を想像する方もいれば、家の外にあふれ出るほどではないが、部屋の中は足の踏み場もないほどゴミだらけの家を想像する方もいらっしゃるでしょう。この二つは基本的にメカニズムは一緒なので、どちらもポイントを抑えると驚くほど部屋が片付いたりします。
また、常識では考えられない部屋の汚さというのは大抵背景になにかが隠れています。その背景にあるものを意識せずに、単純に清掃を頑張ろうとしたり、清掃技術を教えようとしたところで無駄なのです。
市販されている本の殆どは、整理術や清掃術を教える本ですが、本書はそれらの本とは明確に違います。
本書で扱うのは尋常じゃないほどの部屋の汚さを生み出してしまう背景そのものに焦点を当て「ゴミ屋敷」という家の問題だけでなく、その人のライフスタイルそのものにアプローチしていきます。
筆者は、普段は心理士として様々な現場で働いています。その中には訪問型の仕事も含まれており、日々汚い部屋とも出会います。
ゴミ屋敷には、発達障害や精神障害などの疾患が関係していることも少なくないのです。
自分の部屋が尋常じゃないほど汚かったり、家族の部屋が尋常じゃないほど汚い方は是非この本を一読してみてください。
背景があるゴミ屋敷の場合は、いくら整理術、整頓術を鍛えたところで無駄になってしまうことが多いのです。
なお、本書に出てくる事例は、専門書をもとに筆者が作り上げたフィクションの事例です。
感情タグBEST3
思い当たる事があり、為になった
ゴミ屋敷の住人となってどれくらいの年月が過ぎただろう。
幼い頃はそうでも無かったが、いつの頃からか整理整頓が出来なくなっていった。
モノが捨てられ無いのだ。
捨てるのが勿体無い。自分はモノを粗末にせず、大事に扱っている人間なのだと思い、年々それが酷くなっていった。
最初は小さなモノからだったが、成長して家を離れて一人暮らしを始め、収入が増えていくに従い其れは加速していった。
いつか役に立つからという思いも加わって、足の踏場も無いくらいになった。
そして、結婚した今も自分の部屋はモノで溢れかえっている。
嫁がいくら言っても馬耳東風で、ちっとも気にし無いのでついに匙を投げて、私の部屋に関してはノータッチになったのだ。
私は、これまで其れが精神疾患に関係しているなどと思った事は無かったが、本書を読んで思い当たる事が幾つもあったので、真剣に対策を立てようと思う。