あらすじ
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多くの大学の経済学部・経営学部で開講されている「企業金融論」「企業財務論」「コーポレートファイナンス」のためのテキスト。
多くの「コーポレートファイナンス」のテキストは、数理モデルの解説が中心だが、本書は、数学が苦手な学生・社会人でも「読めばわかる」ように、銀行借入や株式、社債など、企業の資金調達の仕組みを、非常に平易に解説。重要な金融用語についても丁寧に解説されており、一通り読めば「企業から見た金融の仕組み」の基礎が、十分に身につく一冊。理解度を確認するための練習問題つき。
本書の特徴は以下の通り。
第1に、企業からの視点で、企業金融をとらえている。多くの金融論の書籍は、金融機関や金融市場が中心の視点で書かれているが、本書はあくまでも「主役は企業」という立場で記述している。
第2に、「ファイナンス理論」の書籍とは、構成・内容ともに、一線を画している。ファイナンス理論を学ぶ前に読んでほしい1冊である。
第3に、複雑な数式や計算をほとんど使っていない。この点は、とくに文科系の学生・出身者にとっては、大きなメリットとなる。
【主な内容】
序 章 企業金融とは何か
第1章 企業の資金需要
第2章 資金調達の形態
第3章 財務諸表の見方
第4章 キャッシュフロー
第5章 借入金(1)──借入れの種類と返済方法
第6章 借入金(2)──借入金利とメインバンク制
第7章 借入金(3)──担保
第8章 借入金(4)──保証
第9章 社債(1)──社債の種類
第10章 社債(2)──公募債と私募債
第11章 社債(3)──格付け
第12章 株式(1)──株式による資金調達
第13章 株式(2)──企業の合併・買収
第14章 アセット・ファイナンス
第15章 ベンチャー・ファイナンス
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Posted by ブクログ
マクロ金融の本は山ほどあるが、ミクロの企業金融の本は実はなかなかない。そんな中、この本は企業金融の基礎をかなり分かりやすく解説してくれており、企業金融の入門書としては最も良いと思う。
Posted by ブクログ
資金調達ってこんな色々あるのか。と社会人は一読しておくと良さげな一冊。
お金の借り方から返し方まで色んな方法があり、先人たちが知恵を絞って作り上げた軌跡を感じる。
リスクに対する考え方、時間に対する考え方、信用に対する考え方、ビジネスをする上で根底にあるルールが何となく見えてくる。ここから担保や金利が生まれてくるのは理解できる。
社債や株式の話も出てきて、社債は経営に介入されずに資金調達が出来る、株式は返済不要の資金が調達出来ると言った違いがあるのが分かる。
この知識を仕事で使うのはいつになるか分からないけども、会社と言う生き物がどう泳いでいるのか(息継ぎしているのか)を理解しているのはどこかで役に立ちそうではある。
Posted by ブクログ
会計の勉強をしたいと思った人が簿記を勉強する前に読むべき本かと思います。そもそも経理でもなければ経済学部でもない自分にとって、企業でどのような金融が行われておりそれのなにが嬉しいのか、具体的に教えてくれるのがとてもありがたいです。教科書的にも使えそうですし、コラムも面白く読んでいて楽しい本でした。
Posted by ブクログ
これまで間接金融と実務を繋げる本はあまり無かったように思える。多くの本が直接金融をベースとしているため、融資担当や財務担当になった人は読むべき一冊。
BS・PL・CFの簡易な考え方、基本的な貸出方法、担保・保証、社債、エクイティ、流動化について記載。
Posted by ブクログ
この書籍は、企業金融における学術書と実務書の両方を読みこなすための第一歩として最適な入門書と思われる。アカデミックを指向する人にとってもビジネスプラクティスを指
向する人にとっても最適な入門書である。別な捉え方をすればアカデミックとビジネスプラクティスの間を埋めるための鎹と言える。
この書籍を中小企業の資金調達分野に絞り込んで再編集すれば、中小企業の経営者にとって最高のテキストになると思われる。中小企業経営においても専門家に丸投げする時代は
終焉を迎えており、経営者が必要最低限の知識を習得しなければならない現状があるからである。
そのような観点から見ると、本書は学生や金融機関の職員だけではなく中小企業の経営者にも読んでもらいたい良書である。
Posted by ブクログ
ほぼほぼ読み終わりました。
ファイナンスに入る前の基礎としてよくまとまっていてわかりやすいと思います。企業金融(資金調達のことなど)をよく知らない人が一読するとかなり役立つともいます。
個人的には既知のことが多かったですが。まあ、当たり前か。
Posted by ブクログ
日銀出身で大学講義を担当しているだけあって、解説は手堅い。
ただし、通説による解説は表面的な理解になりがちであって、実情の核心をついていない場合がある。
著者は民間銀行で仕事をした経験はなく、監督・検査や文献を通じて知識を得ていることに注意すべき。
具体的には、リレバンとメインバンク制は同質的なものとして理解すべきなのか、リレバンは中小企業、トラバンは大企業という整理で本当に良いのかなど。
ほかのコメントにある通り(著者もはしがきで書いている)、意外に類書がないので通説を知るのに便利な本である。