あらすじ
総合職でも一般職でも働き続けられないのはなぜ?
若い女性に専業主婦願望が強いといわれているのはなぜ?
幹部候補生として採用した女性ほど辞めてしまうのはなぜ?
日本企業で女性人材が育たない原因を明らかにすると共に、女性の活躍を推進してきた資生堂、大和証券、セブン&アイ・ホールディングス、ファーストリテイリングなどの取り組みも紹介。多様な人材活用を実現するための処方箋を提示する。
エピローグに桐野夏生氏インタビューも掲載。深夜の弁当工場で働く主婦パートを描いた『OUT』、孤独な専業主婦を描いた『だから荒野』などの作品のインタビューを通して、日本の女性が置かれてきた社会構造を掘り下げる。
女性労働研究・ワークライフバランス研究の第一人者が問題の根源を解明する決定版
桐野夏生氏推薦!
【主な内容】
プロローグ
第1章 高学歴女性が仕事を辞める本当の理由
第2章 少子化はなぜおきたのか
第3章 女性管理職はなぜ少ないのか
第4章 静かな革命はおこせるか
第5章 高まる経済リスクと将来不安の増大
第6章 まとめと政策提言
エピローグ 桐野夏生氏インタビュー
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Posted by ブクログ
女性活躍のためにいかにすべきかを考えるうえで、まず読むべき手頃な一冊。女性活躍が進まない原因は、両立支援策の不足よりも、女性差別的な雇用慣行にあると指摘し、そのような雇用慣行を見直していき、ポジティブ・アクションを導入していくことが重要であると指摘している。
本書で紹介されている「統計的差別」という考え方は勉強になった。
本書を読んで感じたのは、女性活躍のためには、男性も含めた働き方改革が重要であるということだ。長時間労働を前提とした男性並みの働き方が前提だからこそ、出産・育児等でそのような働き方がどうしても難しくなる女性が「統計的差別」を受けることになるのだと思う。長時間労働を前提にしない、メリハリのある仕事の進め方を男女関係なくするというのがデフォルトになれば、多少、育休を取ったり、短時間勤務を選択したりしても、男性との差がそこまで出てくることはないだろう。それは、生産性向上という点で、日本経済のためにも求められることだと思う。