あらすじ
沖縄にはこんな金言がある。「あの世は雨どいの下──後生(グソー)や雨垂いぬ下──」。生きている私たちの世界「この世」のすぐそば、手に触れるほど近くに「あの世」はある、ということ。本書に綴られるのは、「この世に想いを残す」グソーの人々の愚痴の聞き役や、時にはパシリをやらされる「アタシ」が体験したホントの話である。フィクションとノンフィクションの限りなく境界の物語。
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Posted by ブクログ
"あたし"と家族、そしてグソーに住まう人々の物語。グソー:うちなー口で"後生"とか"あの世"の意味だけど、沖縄ではすぐ軒先にあるといわれてる。
最近ドンドン危なかしくてきな臭くなりつつある国の突き進む先に、家族や仲間と哀しい別れをせざるを得なかった"みえちゃん"や"タカミネ先生"を大量生産する世の中がまた現出してしまうんじゃないかと焦りを感じる一方、家族は精一杯守らなきゃと再度思わされた物語。
Posted by ブクログ
沖縄怖い話。当初主人公さんの身の上の展開についていけず、もやっとしたまま読み進めてしまいました。百物語のような怪談本と思っていたからです、すみません。
怪異としては「金剛座主」の話が一番怖かったですね。歴史の因縁とか興味深いですが、なにより日に日に近づいてくる恐怖。こういうのが怖いです。
沖縄ということで、やはり戦争当時の話はたくさんあるのでしょう。昔、職場にいた沖縄出身の人がいうには、おばぁは話したがらない、って言ってました。悲惨で残酷で思い出したくないから、だそうです。
それでも、後世のためにと苦痛を覚えながら語ってくれる人の話は真剣に聞くべきだ、って。
どんな形でも、風化させてはいけないものってあるんだな、と思います。