あらすじ
東京地検のエリート検事・杜丘冬人は、新宿の雑踏で突然、見知らぬ女性から強盗殺人犯だと指弾される。濡れ衣を着せられたその日から、地獄の逃亡生活が始まる。警視庁捜査一課・矢村警部の追跡は執拗だった。杜丘は真相を求めて能登から北海道へ、そしてまた東京へ。自分を罠に陥れたのは誰なのか。滾るような憤怒を裡に、警察の大規模捜査網をかわし、謎を追い求め続ける。
ハードロマンの代名詞的存在にして著者の記念碑的出世作。
1976年、佐藤純彌監督によって高倉健主演で映画化された。この作品は1979年に『追捕』のタイトルで中国でも公開され、観客動員数8億人を超える大ヒットを記録した。
◆そして、最高のスタッフ・キャストで再映画化!
映画「マンハント」
監督:ジョン・ウー × 主演:チャン・ハン・ユー&福山雅治
公開:2018年2月9日(金)
配給:ギャガ
追う者、逃げる者、魂の出会い。
伝説のサスペンス・アクションの名作が、
アジアを代表するスタッフ・キャストにより、
スケールアップして再映画化! いよいよ日本逆輸入!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
検事が濡れ衣を着せられ逃亡するお話でした
逃亡しながらも濡れ衣の罠の理由を調べようとする
逃亡先での出来事と検事の強運や能力がもう
ぶっとんでる感じがしました
それでも、それだからこそ?楽しめたのかもしれません
映画化もされてるようでそれもちょっと気になります
Posted by ブクログ
巨匠・西村寿行の最高傑作長編と言われる作品の新装版。まだハードバイオレンスの西村寿行に羽化していない頃の作品であり、今ひとつ殻を打ち破っていない感がある。西村寿行は、この作中でヘリコプターを『ヘリコ』と書いていない。
東京地検の検事・杜丘冬人は強盗強姦事件の犯人と指弾され、さらには殺人事件の犯人の濡れ衣を着せられ、逃亡の旅路へと…
やはり、ハードバイオレンスの西村寿行の方が面白い。
Posted by ブクログ
昭和40年代にモンスター級にヒットしたハードボイルド小説。高倉健主演で映画化もされたので上の年代には有名だが、さすがに私の世代だと知らない方も多いのでは。ちなみにこの映画、中国でも「10億人が見た」と言われる大ヒットだったらしいです。
【あらすじ】
「この人がうちに入った強盗です!」
街中で見知らぬ女性から指さされた時、東京地検のエリート検事である杜岡広人の人生は崩れた。国家権力に追われる身となった杜丘は、あるときは北海道で羆と闘い、あるときは盗んだセスナで飛び立ち、あるときは歌舞伎町の繁華街をサラブレッドで失踪し、ある時は人食い鮫が跋扈する海に断崖から飛び込みながら、自分を陥れた黒幕に迫らんとする。
ちょっとあらすじをなぞっただけでも聞き捨てならないフレーズが多過ぎるのはともかくとして、今や何かのパロディでしか描かれないような、コートの襟を立てたハードボイルド・ガイの活劇が、これまた昭和らしい虚飾を排した硬質な文体で描かれていた。例えばこうだ。
水だけは豊富だ。水腹が、歩くたびに音をたてた。葦の草の中にナナカマドが真赤な実をつけて、その背景の日高連峰から抜き出た空は深いブルーだった。しかし詩情はなかった。兎を何羽か見た。殺すために石を持って歩いたが、その石もじきに捨てた。
淡々とした文体の中に、主人公を突き動かす憤怒だけが滲み出るかのようだった。多少、ご都合主義のきらいはあったが、そんな細かいことにこだわる人間にハードボイルドは描けないのだと、行間に作者の信念が潜んでいるかのようだった。パロディなどの第三者視点に毒されてはいけない。ハードボイルドは、これこそが男の美学なのだと、陶酔し切る人間にしか書けない文章であり、物語なのである。
懐かしいなぁ…。
映画化されて、中国で大ヒットした話で有名ですが、北海道の自然で襲ってくるヒグマが、笑ってしまうほどの見事な着ぐるみで、そのシーンだけは爆笑しますww。