あらすじ
ネタ元との約束を守って「特落ち」に追い込まれたベテラン記者・山沢勇次郎。謎のリークが記者たちを翻弄するなか、山沢はメガバンクの巧妙な巨大損失隠しに気付く。暗躍する外資系証券会社と政界の思惑――。美人記者・秋山らと共に山沢は金融界の最深部に闘いを挑む。大型新人が放つ圧巻のエンターテイメント!
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Posted by ブクログ
初の小説とのこと。まだフィクションを描くということに対する慣れのなさは感じられるが、これから続けていきポスト池井戸潤を狙って欲しい。内容としては金融庁・大手銀行・外資系金融・政党とこれらに翻弄され「抜かれ」「特オチ」を恐れる新聞記者が題材。個人的には最近の記者クラブ制度とそれによる横並びに近い報道姿勢から考えて、ここまで特ダネにこだわり特オチを恐れる記者も珍しくなっているのではないか、と感じるし、また金融庁は金融庁で検査局がそんなに「正義」めいた志に溢れているとは思えないし、大手銀行も大手銀行で傷口がここまで広がる前に手は打つだろうし、政党は政党でこんな胡散臭いのが政権与党になれるとは思えないし(なんとなくどことは言わない政党をモデルにしてるのはよくわかるけど)で、小説としての仮想感はあるが、しかしメディアの裏を描くリアリティは確かにある。今後に期待。