あらすじ
漢意(からごころ)を否定し、われわれは現に日本人を支えてきた秩序によって生きるしかないという神道論を展開。文芸においては物のあわれを主張した宣長。その思想を追うことは、今日のわれわれ自身を知り、未来に生かすべきものと、同時に克服すべきものも見出すことだと著者はいう。日本思想史に決定的な影響を与えた宣長の本質を鮮やかに浮き彫りにした名著。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
西きょうじ氏の本で、度々登場していた本居宣長とは、どんな人物だったのか。
漢意(からごころ)を否定し、日本には天照大御神が君とした天皇がおり、それに従うべきと神道論を展開した。
ありのままに感じ『あはれを知る』ことをよしとし、道理で人を縛る人情にかなわない儒教思想をあしとした。
漢でそのような思想が発展したのは、神がおらず悪人が多い為だと。
面白いことに、最近の中国との領土問題を考えると、今にも通じる部分がある。
コントロールする政府と操られる民衆、コントロールできない政府と自ら動く民衆。
どちらがどちらかは言わずもがな。
神道論にはとても共感できないが、日本人がどういう事を考えて、どういう未来を望んだか、改めて自分たちはそれを知るべきだと思う。