あらすじ
レース場で起きた惨劇に観客たちは凍りついた。目の前で騎手が落馬し、馬に押しつぶされて死亡したのだ。友の突然の死に、哀しみにくれるガラス職人のローガンだったが、まもなく彼のもとに謎のビデオテープが届く。それは友が彼に遺したものだった。だが、押し入った何者かにより、テープが強奪されてしまう!
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Posted by ブクログ
競馬シリーズ39作目。
冒頭で騎手がレース中の落馬事故で亡くなったが、
全体的な印象としては、今回は競馬要素は薄い。
亡くなった騎手の親友だったガラス職人のローガンは、
騎手からだと言われて受け取ったビデオテープを、
その日のうちに中身を知らないまま盗まれてしまう。
だが目的のテープではなかったのか、
騎手の家族は催眠ガスで眠らされビデオテープを盗られ、
さらにローガンの自宅も荒らされ、工房の前で四人組に襲われる。
ビデオテープの中身は何なのか、どこにあるのか、
そして襲撃者の正体は。
その謎を解くのに手助けとなった二人の少年、
騎手の息子と襲撃メンバーの一人の甥の活躍が印象的だった。
とはいえ、騎手の息子に賞金を与えて手掛かりを探させる「ゲーム」が
教育上よろしくないのは、騎手の妻の言う通りだと思った。
ガラス制作の様子や知識も興味深く読んだが、
最も難しいのがジプシーの水晶玉というのが驚きだった。
気泡ができないように冷ますのが難しい、ということだったが、
簡単そうに見える単純な形のものが難しい、というのは意味深い。
四人目の襲撃者の正体が意外だったのも良かったし、
女性刑事と結婚できそうな雰囲気で終わったのも良かったが、
最後の乱闘で人の好い感じの刑事が殺されてしまったのは、
唐突過ぎて納得いかなかった。