【感想・ネタバレ】ピクサー流 創造するちからのレビュー

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ピクサーの理念や創造的な仕事をする上で大事なマネジメント、バランスの大切さを学んだ。
適切な環境、人材がいてこその優れたアイデアなんだと学んだ。どんな作品も始めは駄作といった言葉が印象に残った。その駄作を試行錯誤を繰り返して納得のいくものに作り変える根気と発想力、協力する力を身につけたい。

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2023年03月12日

Posted by ブクログ

 ピクサーを特別足らしめているもの、それは「問題は必ず起こる」と思って仕事をしていることだ。問題の多くは隠れて見えない。それを明るみに出すことが自分たちにとってどれほど不快なことであっても、その努力をする。そして、問題にぶち当たったときは、全社全精力を挙げてその解決にあたる。盛大なイベントでも、砲塔のある仕事場でもなく、それがあるから私は毎朝会社に来たいと思う。私にやりがいと、明確な使命感を与えているのはそれなのだ。

 …問題について考え、対処するのは、爽快でやりがいのある仕事だった。我々の目的は、ただヒット作品を生み出すスタジオをつくるのではなく、問いかけを続ける創造的な企業文化を育てることにある。

 …映画をつくり続ける中で、私がそれまでピクサーが成功してきた理由だと思っていたことの中に、後で勘違いだとわかったことがいくつかあったが、まちがいようのないことが一つあった。それは、持続する創造的な企業文化を築く方法をみつけること―率直さ、卓越さ、コミュニケーション、独自性、自己評価といったものが重要だと口先で言うのではなく、それがどれほど不快な思いを伴っても、それを有言実行すること―は、片手間ではできない。日々努力のいるフルタイムの仕事だ。そしてそれを私はやりたいと思った。

 …いいアイデアよりも、適切な人材と適切な化学反応を得ることのほうが重要なのだ。

 このころ、ジョンが新しいフレーズを考えついた。「品質は、最良のビジネスプランである」。品質は、行動の結果ではなく、どう行動するかを決める前提条件であり心の持ちようだと彼は言う。品質が大事だと誰もが言うが、言う前に実行すべきだ。品質は日常の一部であり、考え方であり、生き方であるべきだ。最高品質の映画しかつくりたくないと社員が訴えたとき、そしてその理想に対する覚悟を証明するために限界に挑んだ時、ピクサーのアイデンティティは定まった。この会社は決して妥協しない。失敗をしないという意味ではない。創造に失敗はつきものだ。だが失敗したときには、自己弁護せずに向き合い、変化を厭わない。『トイ・ストーリー2』の制作での苦労を通して、内なる目が芽生えた。自分を批判的に見つめ直し、自己認識を改めるきっかけになった。この瞬間がピクサーを決定づけたと言ったが、私はそれを動的な意味で言っている。内省の必要性と実践はこのとき始まったばかりだった。

 アンドリューが言うように、「それが批評と建設的な批評の違いです。後者の場合、批評すると同時に建設している。壊しながら建てている。たった今バラバラにしたピースを使って新しいピースを生み出している。それ自体が一つの技でしょう。どんな指摘をするにしても、相手を考えさせることが大事だとつねに思っています。『あの子に宿題をやり直したくさせるにはどうしたらいいか』というふうに。だから学校の先生と同じことをします。問題点を言い方を換えながら五十回指摘すると、そのうちのどれかが響いて相手の目がぱっと開く。『ああ、それならやりたい』って思ってくれるんです。『このシーンの脚本がイマイチ』と言う代わりに、『見終わった観客にあのセリフよかったよねって言ってもらいたくない?』と言う。挑発ですね。『これがやりたいんじゃない?やってよ!』って」

 …まちがいは、新しいことを試みたすえの当然の結果だ(だからその価値が認められるべきだ。それなくして独創性はない)。けれども、失敗を受け入れることが学習において重要だといくら言っても、それを認識するだけでは不十分なこともわかっている。なぜなら失敗は苦痛を伴い、それが失敗の価値を理解する妨げとなっているからだ。失敗のいい点と悪い点を分けて考えるためには、苦痛という現実と、その結果として得られる成長というメリットを両方を認識する必要がある。

 …一般的に言って、やり方を考えることにエネルギーを注ぎ、行動に移すのは早すぎると言っている人は、何も考えずにどんどん進める人と同じくらいの頻度で失敗している。計画が入念すぎる人は、失敗するまでに人より時間がかかる(そしてつまづいたとき、失敗したという感情に押し潰されやすい)。これも当然の結果だ。時間をかけて考えたぶんだけ、そのやり方に対する思い入れが強くなる。それがぬかるみの轍のように頭の中で凝り固まる。そこから抜け出せなくなり、一番やらなくてはいけない「方向転換」が困難になる。

 要は、マネジャーが部下と腹を割って話せるかどうかだ。秘密主義で部下に何でも隠し、かえって失敗しているマネジャーは多い。それはまちがいだ。マネジャーの基本モードは、秘密主義ではいけないと思う。秘密主義のコストとリスクを比較してほしい。秘密主義に走るのは、相手に信用できないと言っているのと同じ。率直に話をすることで、相手の信用していること、何も恐れる必要がないことが相手に伝わる。部下を信頼して大事な話をすると、相手はその情報に対して当事者意識を持つ。そのため、打ち明けられた情報を人に漏らす可能性も低い。私はそれを何度も見てきた。

 独創性はもろい。…本当に醜く、ぎこちなく、いびつで、攻撃されやすく、不完全だ。時間をかけて辛抱強く育てなければ、一人前にはなれない。それはどういうことかというと、野獣との共存は難しい、ということだ。

 「見えないものを解き明かし、その本質を理解しようとしない人は、リーダーとして失格である。」

■マネジメントについての私の見方
①人の知覚は自らのメンタルモデルによって歪められ、目の前にあるものを正しく認識することができない
②人間の認識において、外から入ってきた新しい情報と、確立された既存のメンタルモデルの間に境目はなく、両方を一つの経験として認識している
③自らの個人的な解釈に無意識に囚われていると、頑なになり、目下の問題に対処する能力が低下する
④仕事や生活をともにしている人のメンタルモデルは、互いの近さや過去の共有により、互いに深く(ときに絶望的なほど)絡み合っている

■ピクサーが集合的な思考の意識変換を図るために使用しているメカニズム
①全員で問題解決
②現地調査でつかむ本物感
③制約の力
④テクノロジーとアートの融合
⑤短編で実験する
⑥観察力を養う
⑦反省会
⑧学び続ける(ピクサー・ユニバーシティ)

■反省会をやる理由
①学んだ教訓を集約する
②水平展開する
③わだかまりを残さない
④反省会の「予定」が反省を促す
⑤次につなげる

■反省会を最大限活用するためのテクニック
①やり方を変えながら実施する
②どれほど促しても、出席者はあからさまな批評をしたがらない、ということを忘れてはならない
③データを活用する

 過去や未来に関する自分の思いや考え方に邪魔されることなく、この瞬間に注意を向けることが重要だ。なぜかと言うと、それによって人の意見の入る余地ができるからだ。人の意見を信頼できるようになり、さらに重要なことに、それが聞けるようになる。新しいことを試みたいと思うようになり、失敗する可能性のあることでも安心して試せるようになる。自らの意識に働きかけ、注意を向けることがいっそう注意力を高めるような自己増殖循環を生み出す。創造的に前進するためには何かを手放さなくてはならないことに気づかせてくれる。




・よいアイデアを凡庸なチームに与えればそのアイデアを台無しにし、凡庸なアイデアを優秀なチームに与えれば、それをテコ入れするかもっといいアイデアを返してくれる。よいチームをつくればよいアイデアに恵まれる。
・人を採用するときには、そのときの能力レベルよりも、これからの伸び代を重視すべきである。今できることより、将来できるようになることのほうが重要である。
・つねに自分より優秀な人を採用するよう心がける。それが脅威に感じられる場合でも、つねによりよいほうに賭けること。
・組織の中に、アイデアを自由に提案できないと感じている人がいたら、それは損失だ。 予想外のソースからのアイデアを軽視すべきではない。 インスピレーションは誰にでもある。
・他人のアイデアを受け入れるだけでは不十分。能動的かつ継続的に社員の集団的知力を動員すること。 マネジャーとして、スタッフからアイデアを引き出し、定期的な貢献を促すこと。
・職場で社員が率直に意見を交わさないのには多くの理由がある。その理由を見つけて対処するのはマネジャーの仕事である。
・同様に、自分に同意しない人は、理由があってそうしている。マネジャーはまずその結論の元にある理由を理解しなければならない。
・さらに、組織の中に不安や恐れが生じている場合、それにも理由がある。マネジャーは、①その原因を突き止め、②理解し、③その根絶に努めなければならない。
・他の視点を遮断したいなら、自分が正しいと確信することほど効果的なことはない。
・一般的に、人は波風を立てるようなことを言いたがらない。 自分の考えを言ってもいいということを強調するためにプレイントラスト会議、デイリーズ、反省会、ノーツ・デイなどがある。これらはすべて真実を明るみに出すための自己評価のメカニズムである。
・会議室より廊下で真実が語られているとしたら、会社として問題がある。
・人より後に部下から問題の報告を受けたり、会議で初めて問題を知らされたりすることをけしからんと思うマネジャーが多いときには、対処が必要である。
・問題を小さく見せようとして慎重に発した「メッセージ」を、社員はマネジャーに嘘をつかれ、裏切られ、無視されたと受け止める。問題を分かち合うことで社員に当事者意識や事業全体に対する責任感が生まれる。
・成功や失敗から最初に導き出す結論はまちがっている。プロセスを評価せずに成果を正しく測定することはできない。
・ミスを防げば、ミスに対処する必要がなくなるという幻想に陥ってはならない。実際には、ミスを防ぐためのコストのほうが、ミスに対処するコストよりはるかに高くつく場合が多い。
・変化と不確実性は、人生につきものだ。それらを組むのではなく、予想外の出来事が起こったときに回復できる力を養うことが必要である。つねに目に見えない問題を明るみに出し、その本質を理解する努力をしなければリーダーの資格はない。
・同様に、リスクを回避することはマネジャーの仕事ではない。リスクを冒しても大丈夫なようにすることがマネジャーの仕事である。
・失敗は必ずしも悪いことではない。むしろ、まったく悪いことではない。 新しいことをするときに必要な成り行きである。
・信頼とは、相手が失敗しないことを信じるのではなく、相手が失敗しても信じることである。
・計画実行の最終的な責任を持つ社員には、問題が起こったときに承認を得なくても問題に対処できる権限を与えなければならない。問題を見つけて対処するのは全社員の仕事である。誰もが生産ラインを止められるべきである。
・物事を何でもスムーズに運ぼうとするのは、まちがった目標である。それは社員を問題解決能力ではなく、失敗に基づいて評価することにつながる。
・人に見せる前に完璧にしようとしないこと。早くに人に見せること。途中段階は見られたものではないが、だんだん見られるようになる。 そうあるべきだ。
・会社の意思伝達構造は、組織構造を反映したものであってはならない。誰でも好きな相手と話せるべきである。
・規則をつくりすぎないこと。規則はマネジャーの仕事を楽にするかもしれないが、問題を起こさない九五%の社員にとっては屈辱的だ。五%の社員をコントロールする目的でつくってはならない。常識の乱用には個別に対処する仕事は大変になるが、そのほうが結局のところより健全である。
・限界を課すことで創意工夫が促進される場合がある。卓越性は厄介な状況や、理不尽とも思える状況から生まれることがある。
・並外れて困難な問題に取り組むことで、新しい考え方が生まれる。
・組織は、それを構成する個人よりも、集団として保守的であり変化を嫌う。基本合意だけで変化が起こることを期待してはならない。 メンバーが揃っていても、グループを動かすには、それなりのエネルギーが必要だ。
・各部門のアジェンダは違えど、相互依存の目標を持つ部門によって構成される組織が健全な組織である。一つのアジェンダが勝れば、組織はだめになる。
・「すばらしいアイデアが生まれるためには、すばらしくない段階が必要」なことを理解しない人から新しいアイデアを守ることが、創造的な環境におけるマネジャーの仕事である。 過去ではなく、未来を守ること。
・新しい危機の訪れを必ずしも嘆く必要はない。 会社の真価を試し、実証するからだ。問題解決のプロセスは社員を結束させ、組織文化を維持させる。
・「卓越性」「品質」「優秀」は、自ら言う言葉ではなく、他者から言われるべき言葉である。
・まちがっても安定を目標にしてはならない。 安定よりもバランスのほうが重要である。
・プロセスと目標を混同してはならない。 プロセスをよりよく、より簡単に、より効率的にする努力は不可欠で、継続しなければならないが、それは目標ではない。すばらしい商品をつくることこそが目標である。

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2021年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これまでに少なくとも70冊以上のビジネス書を読みましたが、この本が一番僕にはしっくり来ました♪世の中には、医師やパイロットと言った定型業務をミス無く遂行する事が要求される仕事や管理系業務をされている人も居るので、全ての人に対してBestな本かと言われるとそうでは無い気もしますが、少なくともクリエイティブさを要求される仕事をしている人は必見!!

ジャンルで言えばビジネス書ですが、ジョブズやルーカスを始め、ググったらすぐ名前が出てくるような人たちの発言が出てきますし、様々なピクサー作品&ディズニー作品の誕生秘話も出てくるので、ドキュメンタリー小説(多分ですが文章の清書はエイミー・ワラスさんというジャーナリストさんが行ったと思われます)としても楽しめる作品だと思います♪

耳障りの良い言葉を並べて分かったつもりになってしまうのが一番良くないと本著で主張されているのでとにかくまずは読んでみて欲しいですが、「あらゆるものは変化する」という事を常に意識すると共に、変わらないものに対する感謝の気持ちを忘れないようにしていきたいと思いました☆

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2021年03月13日

Posted by ブクログ

時々出てくるスティーブ・ジョブズの話が強烈で面白い。

ピクサーは技術者集団かと思っていたが、それが覆された。
技術以外の情熱や人々との交わりとアナログなものを重視しそれがピクサーの価値となっていることがわかる興味深い話だった。

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2020年10月19日

Posted by ブクログ

ピクサーの本でもあるし、クリエイティビティの本でもあるが、何より組織文化醸成、組織強化の本である。自分が読んだ中でも最高の部類に入る本。座右の書の一冊に加えさせていただきます。

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2020年02月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 この作品の最も根本的な問題は、ジョンが最初にチームを呼び集めたときに言った、脱出冒険物語なのに先が読めて、さほど感情に訴えないという点にあった。『トイ・ストーリー』の出来事からおよそ三年後を舞台とする物語は、ウッディがはたして収集家のアルの言いなりになってちやほやされる(が、遊んでもらえない)「収集品」として生きるのか逃げ出すのかを中心に描かれている。持ち主だったアンディの元へ帰るチャンスをつかむために戦うのか戦わないのか。映画として成立するには、いつかは成長し自分を捨ててしまうアンディのいる世界に戻るのか、安全だが愛してくれる人のいない場所にとどまるのか、というウッディの迷いを、観る人が本当のことのように思えなければならない。だが、観ている人は、ピクサーとディズニーの映画だからハッピーエンドで終わる、つまりウッディはアンディと再会を果たすために帰っていくに違いないと思っている。必要なのは、ウッディが本当にジレンマに陥ってると思わせることだ。それには観る人が共感できるジレンマでなければならない。言葉を換えれば、ドラマが必要なのだ。
 物語のオープニング、ウッディがアンディとカウボーイ・キャンプに出かけようとするが、腕がちぎれてしまい、置いていかれる(アンディの母親の棚にしまわれる)のは原案どおりだが、ブレイントラストは、この時点で最初の重要な変更を二つ加えている。ペンギンのウィージーというキャラクターを登場させ、自分は鳴き声が出なくなってからずっと棚に置かれっぱなしだ、とウッディに告げる。どれほど気に入られたおもちゃでも、壊れてしまえば棚にしまわれ、相手にされず、ともすれば永遠に放っておかれる運命にあることを導入部でインプットするためだ。こうしてウィージーは物語の感情的な伏線を成立させている。
 ブレイントラストが行った二つ目の根本的な手直しは、カウガール人形のジェシーの物語を補強することだった。ジェシーは自分の持ち主の女の子が大好きだったが、女の子が成長すると、ほかのおもちゃとともに相手にされなくなってしまう。自分がどれほど望んでも、大切に思っても、アンディもいつかは子どもじみたものを手放す日が来る、という。ジェシーからウッディへのメッセージは、サラ・マクラクランの歌う「ホエン・シー・ラヴド・ミー」をバックにモンタージュ(複数のカットを組み合わせて映像に意味を持たせる構成法)シークエンスを使って悲痛な調子で語られることになった。ジェシーは、ウィージーが切り出したテーマを取り上げ、黙示的だったテーマをウッディとのマセた会話を通してオープンにするわけだ。
 ウィージーとジェシーが加わったことで、ウッディの選択は、より複雑なものになった。いつかは捨てられるとわかっていながら大好きな人のそばにいることもできるし、本来の愛のかたちではないがいつまでもちやほやされる世界に逃げることもできる。それは究極の選択であり、本質的な問いだ。クリエイティブチーム内ではこういう言い方をしていた。「あなたは永遠の人生と愛、どちらを選びますか」。その選択が持つ葛藤を感じることができて初めて、映画だと呼べるのだ。

 取っ手と本体が数本の糸でかろうじてつながっている古くて重いスーツケースがある。その取っ手は、一見、的を射た奥深い言葉のように思える「プロセスを信じよ」か「物語が一番偉い」を表し、スーツケースは、このフレーズに飲み込まれてしまったあらゆるもの――経験、深遠なる知恵、努力の末に得られる真実――を表している。我々は取っ手だけを持って、スーツケースがないことに気づかないまま立ち去ってしまっている。それだけでなく、置いてきたもののことを考えもしない。要はスーツケースより取っ手のほうが何倍も持ち歩きやすいのだ。
 一度スーツケースと取っ手の問題を知ると、それがやたらと目につくようになるだろう。人は格言や逸話が好きだが、実際の行動や意味をそれにすり替えているに過ぎない。広告は、商品の価値を伝える言葉を価値そのものの代わりに使用する。企業はよく、一流品しかつくらないという意味で、「卓越性を追求する」という。「品質」や「卓越性」といった言葉は使い古されてほとんど意味をなさない。マネジャーは、本や雑誌をあさって知識を得ようとするが、新しい用語を覚え、それで目標に近づいたと満足している。誰かが言った心に響くフレーズは拡散し、元の意味から離れて一人歩きし始める。

 初めて参加するブレイントラスト会議。熟練の優秀なメンバーが部屋を埋め尽くしている。先ほど上映された映像について議論するためだ。この状況で、発言に慎重になる理由はいくらでもあるだろう。礼を失したくない。相手の意見を尊重し、できれば従いたい、恥をかきたくない。知ったような口をききたくない。自分が発言するときには、どんなに自信のある人でも、一度チェックするだろう。これはいいアイデアだろうか、それともくだらないアイデアだろうか。ばかなアイデアは何回までなら言っても許されるのだろうか。その主人公は現実味がないとか、第二幕がわかりにくいとか、監督に言ってもいいのだろうか。思ってもいないことを言ったり、何も言わずに済ませたいわけではない。この段階では、率直さなどそっちのけで、ばかだと思われないためにはどうするかしか考えていない。
 もっとも厄介なのは、そういう葛藤と戦っているのは一人ではなく、皆がそうだということだ。社会的に自分より上の立場の人には本音が言いにくい。さらに、人が大勢いるほど、失敗できないプレッシャーがかかる。強くて自信のある人は、無意識にネガティブなフィードバックや批評を受けつけないオーラを放ち、周囲を威圧することがある。成否が問われる局面で、自分のつくり上げたものが理解されていないと感じた監督は、それまでのすべての努力が攻撃され、危険にさらされていると感じる。そして脳内が過熱状態になり、言外の意味まで読み取ろうとし、築き上げてきたものを脅威から守ろうと必死になる。それほどのものがかかっているとき、真に忌憚のない議論を期待するのはとうてい無理だ。
 それでも、ピクサーの創業プロセスにとって、率直さほど重要なものはない。それは、どの映画も、つくり始めは目も当てられないほどの「駄作」だからだ。乱暴な言い方だが、私はよくそう言っている。オブラートに包んだら、初期段階の作品が実際にいかにひどいかが伝わらない。謙遜で言っているのではない。ピクサー映画は最初はつまらない。それを面白くする、つまり「駄作を駄作でなくする」のがブレイントラストの仕事だ。

 作品の問題点を特定するのは比較的簡単だが、その要因を探るのはきわめて難しい。物語の不可解な展開や、現実味のない主人公の心変わりなどは、物語のどこか別のところに潜む些細な問題による場合が多い。この状況は、扁平足が原因だと気づかずに、膝の痛みを訴える患者にたとえるとわかりやすい。もし膝を手術したら、痛みは和らぐどころか悪化してしまう。痛みを和らげるには、根本原因を見つけて対処する必要がある。したがって、ブレイントラストの指摘は、特定の治療法を要求するものではなく、問題の本当の原因を浮かび上がらせるためにある。

 アンドリューが言うように、「それが批評と建設的な批評の違いです。後者の場合、批評すると同時に建設している。壊しながら建てている。たった今バラバラにしたピースを使って新しいピースを生み出している。それ自体が一つの技でしょう。どんな指摘をするにしても、相手を考えさせることが大事だとつねに思っています。『あの子に課題をやり直したくさせるにはどうしたらいいか』というふうに、だから学校の先生と同じことをします。問題点を言い方を換えながら五0回くらい指摘すると、そのうちのどれかが響いて相手の目がぱっと開く。『ああ、それやりたい』って思ってくれるんです。『このシーンの脚本がイマイチ』と言う代わりに、『見終わった観客にあのセリフよかったよねって言ってもらいたくない?』と言う。挑発ですね。『これがやりたいんじゃない? やってよ!』って」

 私がここで説明しようとしている試行錯誤の原則は、科学の分野では昔から重要だとされてきた。科学者は、疑問が浮かぶと、仮説を立て、実験し、分析して結論を出す。それをまた最初から繰り返す。その背後にある論法は単純だ。実験は事実の解明が目的であり、それが科学者の理解を少しずつ深める。つまり、だめな結果は一つもない。どんな結果も新しい情報を生み出すからだ。実験によって最初に立てた仮説が間違っていたことがわかったのなら、早くわかってよかったのだ。手に入れた新事実を基に、次の疑問に取り組めばいい。

 集まったメンバーで、なぜまちがった選択をしてきたのか、仮説を立て検証した。監督候補を選ぶ際にこれまで見落としてきた、今後注意してみるべき重要な資質があるか、それ以上に、新人監督に、その心折れる仕事に立ち向かえるだけの十分な教育をしてあげていたか。「監督に失敗はさせない」と言いながら、何度失敗を許してきたか。
 創業当初の映画の監督、つまりジョン、アンドリュー、ピートが皆、きちんとした訓練を受けずに監督になっていたことを当たり前のように思っていたが、それが特別なことだったのだと思えるようになった、ということも話し合った。アンドリューやピートやリーが何年間もジョンのすぐ隣で彼の教えーー決断から必要なことなどーーを吸収したこと、ジョンが相手と一緒になってアイデアを導き出すやり方についても話し合った。初めてジョンの後を継いでピクサーの監督になったアンドリューやピートは、その過程で苦労はしたものの、結果的に大成功を収めた。ほかの監督たちにも同じことを期待してきたが、会社が大きくなるにつれ、新人監督たちがそのようないい経験に恵まれる機会がなかったことは、事実として受け止めざるを得ない。
 それから将来に目を向けてみた。監督として有望だと思われる人それぞれの強みと弱点を挙げ、彼らを育て、経験を積ませ、支援するための具体的な計画を立てた。失敗の後だったが、前に進むだけの安全な選択はしたくなかった。クリエイティブとして、リーダーとして、必要なリスクを冒さなければ自分たちらしくないという思いがあり、そのためには、時に従来の映画監督像に当てはまらない人にも鍵を渡さなければいけない。それでも、今までとは違う選択をする以上は、映画をつくるために必要な能力を備えていると見込んだ社員を教育するための明確なステップづくりが必要だということに全員が合意した。
 そして、ベテラン勢が共有する経験値を監督の卵たちが自然に吸収するのをただ待つのではなく、ピートやアンドリューが、ジョンにぴったりくっついて仕事を覚えたようなことを再現できるような、正式な師弟教育プログラムをつくろうと決めた。今後、実績のある監督は全員、毎週、自分の担当スタッフの様子をチェックし、将来の長編作品になるかもしれないアイデアに取り組むスタッフに実践的なアドバイスや励ましを与えることになった。
 後になって、アンドリューとこの合宿ミーティングについて振り返っていたとき、アンドリューが非常に含蓄ある言葉を言った。自分を含め実績のある監督は教育係を務める責任がある。自分の映画をつくり続けている間も、それを一番の仕事にすべきだと。「そのとき抱えている制作チームのメンバーで最高の映画をつくる方法を、監督になろうとするスタッフにどう教えるか。それを見つけることが命をつなぐことなんです。僕たちは必ずいつかいなくなるんですから、ウォルト・ディズニーはそうしなかった。だから、ディズニー・アニメーションは、彼を失ってから一五年も二0年もスランプに陥った。僕たちがいなくなった後、次の監督たちが自力で考えてやっていけるように教育できるか、それが本当に目指すべきことでしょう」
 会社で一番その能力に長けている人以上に、適任者がいるだろうか。教えると言っても、講習会やかしこまった研修だけを指すのではない。先輩たちの行動や姿勢は、彼らに憧れと尊敬を抱くスタッフたちの生き方に、よくも悪くも影響を与える。そういうスタッフたちの教育や成長を会社全体の繁栄に貢献する望ましい方法だと望まれるような会社づくりをすべきだ。日常のあらゆることに教育のチャンスがあること、経験が効率的な学習方法だということを理解しているだろうか。会社の評価だけでなく、その志を高める社員を評価する組織文化を築くことも、リーダーが果たすべき最も重要な責任の一つだ。

 社内の一部のスタッフは絵が描けた(それもすばらしく)が、大半のスタッフは芸術家ではなかった。しかし、描画の訓練にはある重要な基本原則があり、それを全員に理解してもらいたいと思っていた。そこで、ベティ・エドワーズによる一九七九年の著書『脳の右側で描け』(エルテ出版、河出書房新社)に影響を受けて、描画のワークショップを行っていたエリース・クレイドマンに来てもらい、観察力の高め方を教わることにした。
 当時は、左脳思考、右脳思考という概念をよく耳にしていたが、それがのちにLモードやRモードと呼ばれるようになった。Lモードは「言語的・分析的」で、Rモードは「視覚的・直感的」だ。エリースによれば、多くの活動でLモードとRモードの両方が使われるが、絵を描くときにはLモードを遮断する必要がある。そのため、訓練の内容は、すぐに結論を出そうとする部分の脳の動きを抑制し、画像をオブジェクトとしてではなく単なる画像として見るものだった。
 たとえば、人の顔を描くとき、ほとんどの人が鼻、目、額、耳、口をスケッチするが、ちゃんとした訓練を受けたことのない人が描くと、バランスがめちゃくちゃになり、誰にも似ていない顔になる。それは、脳から見ると、顔のパーツは平等につくられていないからだ。たとえば、コミュニケーションを行う目と口は、額よりも重要で、それを認識することにより重点が置かれるため、描くときにはどうしても大きく描きすぎ、額は小さくなりがちになる。人はありのままの額ではなく、自分のメンタルモデルに従って描いているのだ。

 繰り返しておきたいことがもう一つある。社員に創造性を発揮させるためには、我々がコントロールを緩め、リスクを受け入れ、社員を信頼し、彼らの行く手を阻むものを取り除き、不安や恐怖をもたらすあらゆるものに注意を払わなければならない。これらをすべて実践しても創造的な組織文化を管理することは必ずしも楽なことではない。けれども、目指すべきは楽になることではなく、卓越することなのだ。

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2019年07月30日

Posted by ブクログ

いい意味で想像と違った。
すごく丁寧に、分析、表現された内容が積み上げられている。けど読みやすい。

一番印象に残ってるのは、失敗への考え方、率直に意見を交わすことの大切さと難しさ。
うちの会社は全然こんな会社ではないけど、この本読んでたら熱いものが湧いてくる気がする、、、!

そしてピクサーもう一度全部見よう!

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2019年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

分厚い本なので読むのを後回しにしていたのだが、それを後悔するほど深い洞察力と人間愛、そしてアニメーションとそれらに携わる人たちの未来を守るために、ピクサーがどれほど全力を尽くしているのかが描かれた優れたビジネス書でした。

この本に出会えて良かった。トゥイーンにはいつもお世話になっております!

に最終章丸々さいてスティーブ・ジョブスへの尊敬と愛情(人々が思っているジョブス像は違うんだ!)については涙を禁じ得ませんでした。

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2019年05月26日

Posted by ブクログ

ピクサー社長のエド・キャットムルによる、ピクサーの歴史とそこでやってきたことの紹介。ピクサーの歴史はほぼ、CGアニメーションの歴史だった! 今では当たり前に使っているシェーダーやレイトレースをゼロから研究開発した人だったとは! 普通は武勇伝になってしまう昔話が、どれも興味深かった。ジョブスに関する話は、何回読んでも泣きそうになる。偉大な「クリエイティブファイヤーウォール」によって守られた人たちが大きく羽ばたいて今があるのか・・。
ビジネス書としても、身をもってやったことがベースの話なので、参考になる話しか載ってない。

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2019年03月26日

Posted by ブクログ

原題『Creativity, Inc.』。
その言葉が象徴するような創造的な組織はどうやって生まれたのか? なぜピクサーはディズニーによる買収を選んだのか? なぜその後『アナ雪』のような名作がディズニーから生まれたのか?
ピクサー社の転換期に登場するスティーブ・ジョブズとのエピソードは感動的であり、最後の章では読み終えたときに涙がとまらなくなった。
物語でありながらも創造力が求められる組織におけるマネジメントの手引書となっている本書は、最高に面白かった。

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2017年05月13日

Posted by ブクログ

ジョブスを含め、仲間と会社のどちらが人生にとって大切かを説いてくれる。

考えれば考えるほど奥深い内容で構成されている。

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2016年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

英語のタイトルは Creativity, Inc. 。ピクサーの歩みを振り返りながら、創造的な組織をつくるエッセンスを述べている。ピクサーの映画を漏れなく観ていたらと、もっと面白く読めたかもしれない。巻末付録のポイントが仕事や生活の参考になるので、メモしておく。
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1. よいアイデアを凡庸なチームに与えればそのアイデアを台無しにし、凡庸なアイデアを優秀なチームに与えれば、それをテコ入れするかもっといいアイデアを返してくれる。よいチームをつくればよいアイデアに恵まれる。
2. 人を採用するときには、そのときの能力レベルよりも、これからの伸び代を重視すべきである。今できることより、将来できるようになることのほうが重要である。
3. つねに自分より優秀な人を採用するよう心がける。それが脅威に感じられる場合でも、つねによりよいほうに賭けること。
4. 組織の中に、アイデアを自由に提案できないと感じている人がいたら、それは損失だ。予想外のソースからのアイデアを軽視すべきではない。インスピレーションは誰にでもある。
5. 他人のアイデアを受け入れるだけでは不十分。能動的かつ継続的に社員の集団的知力を動員すること。マネジャーとして、スタッフからアイデアを引き出し、定期的な貢献を促すこと。
6. 職場で社員が率直に意見をかわさないのには多くの理由がある。その理由を見つけて対処するのはマネジャーの仕事である。
7. 同様に、自分に同意しない人は、理由があってそうしている。マネジャーはまずその結論の元にある理由を理解しなければならない。
8. さらに、組織の中に不安や恐れが生じている場合、それにも理由がある。マネジャーは、①その原因を突き止め、②理解し、③その根絶に努めなければならない。
9. 他の視点を遮断したいなら、自分が正しいと確信することほど効果的なことはない。
10. 一般的に、人は波風を立てるようなことを言いたがらない。自分の考えを言ってもいいということを強調するためにブレイントラスト会議、デイリーズ、反省会、ノーツ・デーなどがある。これらはすべて真実を明るみに出すための自己評価のメカニズムである。
11. 会議室より廊下で真実が語られているとしたら、会社として問題がある。
12. 人より後に部下から問題の報告を受けたり、会議で初めて問題を知らされたりすことをけしからんと思うマネジャーが多いときには、対処が必要である。
13. 問題を小さく見せようとして慎重に発した「メッセージ」を、社員はマネジャーに嘘をつかれ、裏切られ、無視されたと受け止める。問題を分かち合うことで社員に当事者意識や事業全体に対する責任感が生まれる。
14. 成功や失敗から最初に導き出す結論はまちがっている。プロセスを評価せずに成果を正しく測定することはできない。
15. ミスを防げば、ミスに対処する必要がなくなるという幻想に陥ってはならない。実際には、ミスを防ぐためのコストのほうが、ミスに対処するコストよりはるかに高く付く場合が多い。
16. 変化と不確実性は、人生につきものだ。それらを拒むのではなく、予想外の出来事が起こったときに回復できる力を養うことが必要である。つねに目に見えない問題を明るみに出し、その本質を理解する努力をしなければリーダーの資格はない。
17. 同様に、リスクを回避することはマネジャーの仕事ではない。リスクを犯しても大丈夫なようにすることがマネジャーの仕事である。
18. 失敗は必ずしも悪いことではない。むしろ、全く悪いことではない。新しいことをするときに必要な成り行きである。
19. 信頼とは、相手が失敗しないことを信じるのではなく、相手が失敗しても信じることである。
20. 計画実行の最終的な責任を持つ社員には、問題が起こったときに承認を得なくても問題に対処できる権限を与えなければならない。問題を見つけて対処するのは全社員の仕事である。誰もが生産ラインを止められるべきである。
21. 物事をなんでもスムーズに運ぼうとするのは、まちがった目標である。それは社員を問題解決能力ではなく、失敗に基づいて評価することにつながる。
22. 人に見せる前に完璧にしようとしないこと。早く頻繁に人に見せること。途中段階は見られたものではないが、だんだん見られるようになる。そうあるべきだ。
23. 会社の意思伝達構造は、組織構造を反映したものであってはならない。誰でも好きな相手と話せるべきである。
24. 規則をつくりすぎないこと。規則はマネジャーの仕事を楽にするかもしれないが、問題を起こさない95%の社員にとっては屈辱的だ。5%の社員をコントロールする目的で規則をつくってはならない。常識の乱用には個別に対処する。仕事は大変になるが、そのほうが結局のところより健全である。
25. 限界を課すことで創意工夫が促進される場合がある。卓越性は、厄介な状況や、理不尽とも思える状況から生まれることがある。
26. 並外れて困難な問題に取り組むことで、新しい考え方が生まれる。
27. 組織は、それを構成する個人よりも、集団として保守的であり変化を嫌う。基本合意だけで変化が起こることを期待してはならない。メンバーが揃っていても、グループを動かすには、それなりのエネルギーが必要だ。
28. 各部門のアジェンダは違えど、相互依存の目標を持つ部門によって構成される組織が健全な組織である。一つのアジェンダが勝れば、組織はだめになる。
29. 「すばらしいアイデアが生まれるためには、すばらしくない段階が必要」なことを理解しない人から新しいアイデアを守ることが、創造的な環境におけるマネジャーの仕事である。過去ではなく、未来を守ること。
30. 新しい機器の訪れを必ずしも嘆く必要はない。会社の進化を試し、実証するからだ。問題解決のプロセスは社員を結束させ、組織文化を維持させる。
31. 「卓越性」「品質」「優秀」は、自ら言う言葉ではなく、他社から言われるべき言葉である。
32. 間違っても安定を目標にしてはならない。安定よりもバランスのほうが重要である。
33. プロセスと目標を混同してはならない。プロセスをよりよく、より簡潔に、より効率的にする努力は不可欠で、継続しなければならないが、それは目標ではない。すばらしい商品をつくることこそが目標である。
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2022年07月13日

Posted by ブクログ

1.映画では常にヒット作を出し続けるピクサーがどんな会社なのか、内情を知りたくて読みました。

2.ピクサーは誰しもが情熱を持って仕事をしており、自分の創造力を常に発揮しながら映画を制作しています。これは、自分自身の力だけでは衰退してしまったり、削いでしまうことがあります。マネージャーとして、ピクサーがどうあるべきなのか、どうしたいのか、どのような人を採用し、育てていくのかが述べられています。
また、著者自身がどのような経験を経てピクサーを育ててきたのか、周りの人間関係をどのように乗り越えてきたのが述べられています。

3.常に情熱を注げられる組織にすることはとても難しいと感じました。大抵の人はできない理由を探し、「でも、だって、いや」と否定の言葉を繰り返し、指摘することで優越感に浸っています。ですが、それによって与える影響を考えてません。自分に囚われ、創造力が欠落しているしています。
ピクサーは創造力が勝負のお仕事です。いかにして、やる気を出させ、クリエティブな能力を形成していくかが会社の明暗を分けます。
人を基点に置いて物事を進めていく様子をみて、見習いたいと思いましたし、もっと人とコミュニケーションを取って行きたいと思いました。

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2022年01月17日

Posted by ブクログ

分厚いタフな本だったが、
スティーブ・ジョブズが登場したあたりから、
やはり面白くなりました。
日本のアニメ映画業界だけではないと思いますが、
まあ勝てないですよね…。この企業文化に。
でも、身近なチームから、出来る範囲から、
こういうのを意識するべきですね。
とても参考になりました。

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2021年10月03日

Posted by ブクログ

創造力についての本というよりは、大企業になったピクサーの社員が、創造力の阻害となっているものとその対策、頑張って生み出そうとしている試行錯誤が書かれている。特効薬的なテクニックがないということがわかり、それでも大切にするべきことが書かれている良書。惜しむらくはその記載されている内容は文章にすると当たり前に感じてしまうため、体験の1/100にも満たない理解にとどまってしまうことである。経験は何者にも勝るの典型であり、ぜひピクサーで働いてみたいと思う。

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2021年02月14日

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創造性と問題解決力を育む環境で働きたいと思っているすべての人に向けた本。
読み物としても面白いし、創造性を育む職場環境を作るための本としても面白い。

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2020年12月09日

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あらゆるものは変わる

それにどう対応するのか

目指す姿は変わっていい、あくまで方向としてあるだけ

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2022年04月02日

Posted by ブクログ

ビジネス書を読み過ぎて新たな驚きは無くなってしまったけども…
やはり、ピクサーという自分の幼少期を彩ったスタジオの内部事情をここまで詳細に知ることができるだけで読む価値はある。

そして、やはり第四章以降が特に面白い。
ディズニーとの合併から名門の再興まで。
そしてスティーブジョブスについて。

シリーズのお金のはなしでもジョブスについて記載があったが、彼の人間性や、結婚後の変化について同様の捉えられ方をされているので、今は亡き彼の人間性を垣間見ることが出来る点も評価。

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2020年09月20日

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いつか見たテレビ番組で、ピクサーの社員は自分のオフィスを自由に改造できるってやってて。
その自由さに憧れた。

仕事で他社との交流をするとしたら?
見学に行くとしたら?
と問われて、迷わず、ピクサー!!って答えた。ww

そのピクサーの始まりから現在までのドキュメント。
会社に対する愛で溢れてる。

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2020年01月19日

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デザイン思考関係の参考書としてよく出てくるから読んでみた。分厚い。結構失敗してんだなってのが印象。

・ベンチャーが試行錯誤しながら大きくなる苦労、楽しさ
・ジョブズを周りから見るとどう見えているのか、天才との関わり方
・大組織化した後の創造性の守り方
読む人によっていろんな読み方ができる本だなと思った。
個人的には一番最後の見方が面白かった。一文で言うなら「信頼できる人を採用し、社員が誠実に仕事をしてもらえる環境を最優先する」

・なんでそこまでコンピュータアニメーションにこだわったんだろ
・技術よりも、人を管理するのが難しかったらしい
・全然うまく行ってないし軌道に乗らないもんなんだなあ
・天才を扱うのは時間がかかりそう。
・山登り型は山登れると力抜けちゃう
・管理することは簡単だが創造的に働いてもらうことは一長一短では行かない
• 失敗がないと不安になる
• 「繰り返しておきたいことがもう1つある。社員に創造性を発揮させるためには、我々がコントロールを緩め、リスクを受け入れ、社員を信頼し、彼らの行く手を阻むものを取り除き、不安や恐怖をもたらすあらゆるものに注意を払わなければならない。これらすべて実践しても創造的な組織文化を管理することは必ずしも簡単なことではない」

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2018年08月10日

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ピクサーの歴史と、その背景にあるマネジメントについて書かれた一冊。結構思い出話が多かったものの、要所要所にマネジメントのポイントが書かれていて良かった。

1番最後にポイントもまとまっているので、一通り読んで要点を思い出したい時にも便利。

マネジメントに興味のある人はどうぞ〜。

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2018年01月22日

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ピクサーにおけるマネジメント、映画製作というビジネスをどうドライブしているのか、人事や教育、合併話などが事実に基づいて説明されていて、とてもわかりやすいマネジメントの書だと思う。「問題に目を光らせることと、問題に気づくことは違う」「映画(=ビジネス)は一つのアイディアではなく、たくさんのアイディアからできている」「プロセスは何も救ってくれない」「品質とは日常の一部であり、考え方であり、生き方であるべきだ」「正直になることの障壁をとりのぞくべきだ」「信頼とは、相手が過ちを犯さないことへの信頼ではなく、相手や自分が失敗した時に一緒になって解決に取り組むかどうかという意味だ」「起こったことは、起こらなかったことよりも不当に重視される」「重大さが異なる問題点でも、想像以上に多くの共通点がある」「何を求めているか。本物感だ」「次回もやろうと思っているこトップ5・二度とやりたくない失敗トップ5」「アイディアのソースではなく、アイディアそのものに注意を払う」

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2017年06月26日

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ネタバレ

ピクサーのお話。評価が高い通り、非常にいろんな要素が詰まった名著。時間があるときにまたゆっくり読んでみたい。

<メモ>
・問題は必ず起こると思って仕事をすること。問題の多くは隠れて見えないが、明るみに出す努力をすること。問題にぶち当たった時は全社全精力をあげてその解決に当たること。
・いいアイデアといいスタッフどちらが大切か。それはスタッフ。本当に重要なのはそうした人同士の相互作用。チームとしてのパフォーマンスが重要。いいアイデアよりも適切な人材と適切な化学反応を得ることの方が重要。

・学んだ教訓を集約すること
・水平展開をすること
・わだかまりを残さないこと
・反省会の「予定」が反省を促す
・次につなげること
・ミスを防ぐためのコストの方が、ミスに対処するコストよりもはるかに高くつく場合が多い。
・常に目に見えない問題を明るみに出し、その本質を理解する努力をしなければリーダーの資格はない。
・リスクを回避することはマネジャーの仕事出なくリスクを侵しても大丈夫なようにすることがマネジャーの仕事。
・失敗は新しいことをするときに必要な成り行き。
・信頼は相手が失敗しても信じること。
・早く頻繁に人似見せること。
・限界を課すことで創意工夫が促進される場合がある。
・並外れて困難な問題に取り組むことで新しい考え方が生まれる。
・素晴らしいアイデアが生まれるには素晴らしくない段階が必要。

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2016年10月26日

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非常に良い内容だった。

ブレイントラスト 本音で語れる環境は大事

アイデアよりも人が大事

トイ・ストーリー2の時、データの保存はUnix、Linuxに置いていた
ある日誰かが tm -r -f * をした。
バックアップシステムも動いていなかった
妊娠していた女性が自宅にバックアップをしていた助かった
この時、犯人探しはしなかった
それよりもバックアップシステムの改善や削除コマンドの権限化や社員の自由な行動に歯止めをかけなかった

スティーブ・ジョブズも若いうちは非常に話しづらい印象だったが、nextやPIXARとの交流でどんどん怖いだけの人では無くなった。
PIXARに対しては本当に未来のことを考え、行動し守ってあげた

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2018年11月25日

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有名作品の制作の裏側を知れて面白かったが、若干文章が読みづらい。個人的には「今まで語られなかったお金の話」の方が面白かった。

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2020年06月03日

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ピクサー創業者
エド キャットムル
創業当初からディズニーにより買収までの話

コンピューターアニメーションの草分け
その革新的な企業文化を発展させ、守った経営者からの視点

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2019年11月08日

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ネタバレ

ピクサーがいまにいたるまでに、どうやって創業して、どうやって各映画を作り続けてきたかという映画。

面白かったところ
・ひとつの失敗から全ての知識を得ようとしては行けない
暑いストーブの上に座った猫は、二度とストーブに乗らない
・優秀な監督は、問題がおこったあとにどうするかではなく、怒る前に未然に防ぐ方法を考える
・常に状況は変わる避けられないこと。問題は常に起こる。だから余白が必要。
ていいアイデア平凡なチームに与えたら潰される。優秀なチームに与えたら、テコ入れするかもっといいものにする。
・「最もいいと思ったところと、つまらなかったところは?」
・リーダーが失敗の重要性を話してくれれば、社員も恐れなくなる

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2019年09月15日

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「スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで」の副読本として読む。
認知心理学、アジャイル、カンバンなど様々なマネジメントに関する知見が散りばめられいて興味深かった。

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2017年07月02日

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誕生からディズニーとの合併に至るピクサーの歴史に准え、創造する力を如何にして組織単位で養ってきたかを詳述している。ジョブズに対するピクサー側からの視点なども含め、一ストーリーとしても大変アトラクティブであり、涙腺を刺激する。

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2017年06月11日

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不安に陥ったスタッフを動かすには、”だます”
「本当にやったら大がかりな変更になるけど、試しに想像してみて」とか、「このとおりにやろうと思っているわけじゃないけど、ちょっと話だけ聞いてもらえるかな」などと言って、話しているだけ、ふざけているだけで、何もしないふりをする。そうしているうちに、これだという新しいアイデアが浮かんだらスタッフもヤル気になり、進んで変更に取り組むようになる。

目標はゆるく、意志は固く

自分の選んだ方向が間違っていなかったかを気にして立ち往生するより、思い切りのよさと、最初の判断を誤りだとわかったときに自分を許すことの方が大事

問題を解決する「正しい」方法にではなく、実際に問題を解決することに専念することが重要

リーダーの本当の謙虚さは、自分の人生や事業が目に見えない多くの要因によって決定づけられてきたことを理解することから始まる。

信頼とは、相手が失敗しないことを信じるのではなく、相手が失敗しても信じることである

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2016年06月16日

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